「今日、ゴルフ始めます。」vol.5 フルショットでボールを打ってみよう!

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【写真:ALBA.Net】

 前回、腰からの腰までのハーフスイングを石井忍プロに教えてもらい、ボールを打つ感覚を知ることができた。

 いよいよ“大きく振る=フルショット”に挑戦する許しを得たのだが、まずはスイングポジションを覚える必要があるという……。(取材協力:エースゴルフクラブ、ジャパンゴルフスクール)

スイングポジションの名称を覚える

石井 『フルショットを打つ前に、スイング時のポジションの説明をさせてください!』

「スイングのポジションってなんですか?」

石井 『ボールに対して構えることを“アドレス”と教えましたが、クラブを高く振り上げたポジションを“トップ”、ボールを打った後にビシッと止まるポジションをフィニッシュなど、ゴルフスイングには動きのなかそれぞれ名称があります』

「なんでそのポジションを覚えないといけないんですか?」

石井 『アドレスからフィニッシュまで8つのポジション名がありますが、ゴルフのレッスン本などで良く出てくるワードなので、はじめの内に覚えておいたほうがいいですよ』

バックスイング(アドレス〜トップ)

石井 『アドレスの形から、体の回転を伴ってクラブを上げていくことを“バックスイング”といいます。バックスイングにおいて覚えるポジションは以下の4つです』

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(1)アドレス/ボールに対して構えた形
(2)テークバック/バックスイングの初期動作で飛球線に沿ってクラブを上げる動作
(3)ハーフウェイバック/クラブを腰の高さまで上げた位置
(4)トップ・オブ・スイング(トップ)/クラブが最も高い位置に上がった状態

ダウンスイング(切り返し〜フィニッシュ)

石井 『トップからクラブを下ろしていく瞬間を“切り返し”といい、体の回転を伴ってクラブを振っていく動作を“ダウンスイング”といいます。スイングは前述したバックスイングとダウンスイング、そしてインパクト・フォロースルー・フィッシュから構成されます』

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(5)ハーフウェイダウン/クラブを腰の高さまで振り下ろした位置
(6)インパクト/ボールとクラブが当たる瞬間のこと
(7)フォロースルー(フォロー)/インパクトからクラブを振り切るまでの動き
(8)フィニッシュ/スイングの一連の動作が終わり、静止した状態

“振り上げるのは肩口まで”のイメージで十分

「フルショットだとこんな高くまで手を上げないといけないのか……」

石井 『無理してクラブを上げる必要はありません。手を高い位置に上げようと考えてしまうと、スイングの大前提である“スイング中、手元はつねに体の正面にある”が崩れてしまいますからね。せっかくハーフスイングでコツを覚えたのですから!』

「どこまで上げればいいか、基準はあるんですか?」

石井 『体の回転とともにクラブを上げていった時に、“手元が肩の高さまでで十分”という意識を持ってください。“肩まで!”と決めたとしても、惰性で適正なトップのポジションに収まりますから』

「手元を上げるのは肩までですね!」

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石井 『やってはいけないのが、“グリップが剥がれてクラブが垂れてしまうこと”と“体を捻りすぎてしまうことです”。グリップが崩れてしまうとスイングが安定しませんし、無理にカラダを捻るとスイングの軸がブレてしまうのでショットが安定しませんよ』

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「思いっきり飛ばしたいからって、クラブを振り上げすぎるのは良くないんですね!」

石井 『その通りです。ショットの正確性を高めるためには、スイングの再現性を高めなければいけません。“グリップを崩さないこと”“力まずにコンパクトに振ること”はスイングの基本ですよ。それでは打ってみましょうか!』

前傾角度を崩さない! お尻の位置も変えない!

「(バシュ!)(ペシンッ)(バシュ!)(ガツッ!)うまく球が上がって前に飛ぶこともあるけど、チョロっとしか飛ばなかったり、マットを叩いてしまったり……。なかなかショットが安定しないのですが……」

石井 『そうですね、何球か打っているところを見させてもらいましたけど、アマチュアがやりがちな重大ミスを犯していますね』

「え、なんですか? 教えてください!」

石井 『まず“チョロ”が起きる要因は、“カラダの起き上がり”です。初心者はダウンスイングの際に、アドレスで作った前傾角度を崩してしまうことが多いのです。カラダが起き上がることで、本来届くはずの範囲からクラブの軌道が外れて、ボールの頭を叩いてしまうのです。空振りしている人も起き上がりが原因ですね。マットを叩いてしまっている人は体を前に倒しすぎているのが原因ですね』

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「難しいなぁ、どこを注意すればいいんですか?」

石井 『“前傾角度を変えない”“お尻の位置を変えない”この2つは安定したショットを打つための絶対条件ですよ』

胸の中心と左ヒザを結んだ軸がスイングの基準

「前傾角度、お尻の位置に注意したら、徐々に球をしっかり打てる回数が増えてきました!」

石井 『段々とスイングらしくなってきましたよ。ここでもうひとつスイングのワンポイントを授けましょう』

「ぜひお願いします!」

石井 『胸の中心と左ヒザを一本線で繋いだ軸を意識してください』

「へ? 軸ってなんですか?」

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石井 『ゴルフのアドレスでは右手が左手よりも下にあります。自然に上体はやや右に傾き、鎖骨の真ん中と左ヒザを結んだ“斜軸”というものができるんです。スイング中に“斜軸”を崩さないような意識を持てば、プロのようなキレイなスイングを目指せますよ』

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「アドレスからこの軸をなるべく崩さすに振ればいいんですね。でも、前傾を崩さない、お尻の位置を変えない、いろいろとスイング中にカラダの動きの制限があって大変だ……」

石井 『グリップ、アドレス、ハーフスイング、そして今回話したことが、スイングの基本中の基本です。初心者のうちから取り組んでいけば必ず成長スピードが早くなりますよ』

「今まで教えてもらったチェックポイントをこなして、絶対に上手くなってみせます!」

打つ方向を決めなければ、打つ意味なし!

石井 『最後にもうひとつ、今まで話したスイングを基本を練習する際に、必ず “狙う目標”を決めて打ってください』

「目標? とりあえず漠然と、前のほうに真っすぐ飛べばいいんじゃないですか?」

石井 『練習場で最もダメな行為は、狙う目標もなく適当にバカスカ打って“真っすぐ飛んだからOK”と納得して帰ることです。ゴルフは目標に向かってボールを打っていくスポーツですから。プロゴルファーだって毎回目標に対して真っすぐ向けていません。ちょっと右を向いたり、左を向いたりっていうのはしょっちゅうですよ。アマチュアが自分はつねに目標に対して構えられているなんて思うのは大間違いなんですよ!』

「……ごめんなさい。“真っすぐ構える”ということを舐めてました」

石井 『わかればよろしい。打席についたら、まずマット上の線になっている場所を確認して、その線がどこを向いているのか必ず把握してください』

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石井 『マットの線の確認を終えたら、以下の4ステップをアドレス時に行ってください』

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(1)マットの上にある線上にボールをセット
(2)アドレス時の両ツマ先を繋いだ線が、マットの線と平行になっているかチェック
(3)両肩の向きマットの線と平行になっているかチェック
(4)ボールを打って目標に対して真っすぐ飛んだらOK


石井 『これが出来たら、“狙ったところにボールを打てている”ということです』

『石井プロありがとうございます。このまま練習を続けていけば、すぐにコースデビューできますか?』

石井 『今回は7番アイアンのみレッスンでしたが、基本的にはスイングの本質は変わりません。ですがゴルフにおいて、まだ教えていない重要なことがあります。それは“パッティング”です』

『パッティング? ああ、あのゲートボールみたいなやつですか(ああ、こっちはスイングと違ってチョロいな!)』

<次回、「スコアはすべてパッティングで決まる!」編に続く>
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