「今日、ゴルフ始めます。」vol.6 ショットより大切!? パット・イズ・マネー

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 ショットの基本を教えてもらったが「ショットと同じくらい、いやもっと大事なのはパッティング」と石井忍プロ。プロの世界では“パット・イズ・マネー”と表現されるくらい大切だが、アマチュアはあまり練習する人は少ないんだとか……。

 そこで、石井プロに自宅でのパッティング練習法を教えてもらった(取材協力:エースゴルフクラブ、ジャパンゴルフスクール)。

ショットがいくら良くても、パター下手はスコアを作れない!?

石井 『ゴルフはティグラウンドからスタートし、グリーン上にあるカップに球を入れたらそのホールは終わり。そして18ホール回った上での総打数でスコアが決まりますが、それは知っていますよね?』

「それくらいは知っていますよ、ルールだけは覚えてきたので!」

石井 『失礼しました。ではここで問題を1つ。“ショットがうまいけどパッティングが下手な(A)さん”、“ショットが下手だけどパッティングがうまい(B)さん”、どちらがスコアを作りやすいと思いますか?』

「え!? う〜ん、分からないなぁ……」

石井 『例えば360ヤード・パー4を迎えたとしましょう。(A)さんは、2オンしてカップまで7〜8m。ファーストパットがうまく寄せられず残りは1.5m。セカンドパットがわずかに外れてOKをもらえたとします。これでボギーですよね。
 そして(B)さんは、なんとか3オン。10mのファーストパットを1.5mに寄せて、1.5mをきっちり沈めたとします。これで同じくボギーですよね』

「(A)さんは損をした感じがしますけど、(B)さんは得をしたように感じますね」

石井 『そうです! パターがうまい人のほうが、ショットのミスをグリーン上で取り返せます。重要なのは、ファーストパットをおおよそ約1.5mに寄せられること、1.5mをしっかり沈められること、です』

「そうなんですね! でも練習場でパター練習ってできるんですか?」

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石井 『練習場には、パター練習施設がないところもあります。ですがパターマットがあれば、練習は家でもできますよ。では初心者のための自宅パター練習方法を伝授しましょう!』

腕で作った五角形を崩さなければ、毎回同じように打てる!

石井 『パッティングもショット同様、動きの再現性を高めて毎回同じように打てることが大切です。手先では調整して打つのではなく、体全体で打つのです。ポイントは以下の3つになります』

(1)アドレスで腕、ヒジ、手元で作られた五角形を作る
(2)五角形をキープしたまま、両肩の動きで振っていく
(3)アドレスからフォローまで下半身は不動
(4)グリップエンドはつねにおヘソを向くようにする

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石井 『上の写真のように振っている最中は、五角形をキープしたまま、手首の角度もヒザの位置も変わらないのが理想です』

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石井 『アドレスで五角形を作ったとしても、途中で崩れてしまうと、再現性は高まりません。アマチュアが一番やっていけないのは、手先の力や手首の動きを加えて、パチンッ!と弾くように打つことですね』

クラブを持たずに、体の動きだけを確認しよう!

「3つのポイントを意識して、“手先で打たない!”と思っていても、ボールをカップに入れようと考えると、どうしても手先で調整しちゃいますね……」

石井 『初めのうちは、ボールを打つ前に体の動きをチェックする予備動作をしましょう。クラブを肩のラインに固定して、アドレスの前傾をキープしたまま右肩、左肩を上下に動かしてください』

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石井 『同時に下半身をしっかりと固定して動かないようにすることも意識しましょう。ヒザが左右に動いたり、腰を回してしまうと意味がありませんよ!」

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「わかりました! 打つ前にまず動きのチェックをします! でもなんで手先で打っちゃうのかな?」

石井 『それは“右手の悪さ”が原因です。右手に力が入るからパチッと弾いて、打ちすぎてしまうんです。それを抑制するためのグリップを教えましょう!』

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石井 『まずショットと同じグリップをしてから、一度左手を外します。改めて左手を握りこむときに人差し指を外した上で、外した人差し指を右手の中指、薬指に引っ掛けてください』

「おお〜、このグリップなら右手が悪さをしないんですね」

ボールの位置は左目の真下が一般的!

「石井プロ、打つときにカップを見て狙いを定めて打っているんですが、違和感があるんですが……」

石井 『それはボール位置の問題ですね。ボールに近く立ちすぎているんです』

「7番アイアンではボールはアドレスに対して中心でしたけど、パッティングでの正しいボール位置ってあるんですか?」

石井 『左目の真下ですね。それよりも体側に近づくのはダメ。ボール1つ分程度なら体側より離れるのはOKです』

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「なんで左目の真下なんですか?」

石井 『理由は2つ。1つ目はボールを左足寄りにすればボールに順回転をかけ、転がりを良くできるからです。そして2つ目は目線をラインと平行できるので、アドレス時にラインが見やすく、ストロークもスムーズになるからです』

打った後にボールをすぐに見るクセは、ミスを誘発する!

石井 『もうひとつ気になったことがあります。ボールを打ったあと、すぐにボールを追っかけて見てしまっていませんか?』

「へ? 当然見てますけど! だってうまくカップに向かっているか確認したいじゃないですか?」

石井 『ボールを追っかけようとするするクセがある人は、ボールを打ちながら頭が動いてしまうことがあります。そうするとインパクトでボールを引っかけてしまい真っすぐ打てないんですよ』

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「じゃあ、どこを見ていればいいんですか?」

石井 『頭を動かさずに目線だけでヘッドを追う程度に留めてください。先ほど下半身を動かさない!、といいましたが、パッティング中は肩の動き以外は、体を動かさないようにするのが鉄則です』

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「パッティングは我慢するのが大事なんですね!」

石井 『そうですね! ここまでのパッティングの基本的な打ち方を覚えておけば、ファーストパットをおおよそ約1.5mに寄せる感覚をつかめてくると思います。では、最後にパターの選び方と、1.5mをしっかり沈めるための練習方法を教えましょう!』

初心者が使うべきパターの形状って?

石井 『ゴルフショップのパター売り場をのぞいてみるとわかりますが、パターヘッドの形状は無数にあるんですよ』

「確かに石井プロが持っている2本は全然違う形をしていますね!」

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石井 『大きいヘッドと小さいヘッドだったら、初心者のうちは大きいヘッド(=大型マレット)をおすすめします。フェースの後方が後ろに飛び出した形(カマボコ型やツノ型など)は、振り子のように勝手に動いてくれるので初心者でも機械的に真っすぐボールを転がしやすいのです。小さいヘッドだと、振っている最中にヘッドがブレやすいですが、大きいヘッドならその心配もありませんしね!』

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石井 『ただ初心者でも“大きいヘッドはどうも打ちにくい”と思う人はいるはずです。その場合は自分の感覚を信じて、小さいヘッドも選択肢にいれて選んで構いませんよ!』

ショートパットがうまくなる練習 “ヘッド1つ分だけ上げて打つ”

石井 『最後に初心者がパターの距離感をつかむための練習方法を教えましょう。初心者のパッティングミスは距離感がつかめていないこと。残り2mのパットなのに強く打ちすぎて5m転がしてしまうということは良くあるケースです』

「1.5mをしっかり決めなければいけないと初めにいっていましたよね」

石井 『そうです! やってほしいのは“大きいヘッドのパターを使って、ヘッド1個分だけ上げて、ヘッドの重みだけで押していく練習”。これを繰り返しやることでショートパットの感覚がつかめてきます』

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「何も力を加えなくても、振り子のように降るだけで1mくらい転がるんですね!」

石井 『これで強く打ちすぎることはなくなりますよ』

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「わかりました! ここまで教えてもらったアイアン、パターの基本レッスンを繰り返してコースデビューを目指します! 石井プロありがとうございました!」

石井 『頑張ってください! でも、練習をするにしても、いつまでも貸しクラブでは格好悪いでしょう。良かったらクラブに詳しいプロを紹介しましょうか?』

「え、いいんですか! よろしくお願いします!」

<次回、「ゴルフクラブの構造を理解する」編に続く>
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