「今日、ゴルフ始めます。」vol.7 失敗しない、道具選びのコツ
【写真:ALBA.Net】
クラブは14本まで! パター12本でもOK!?
関 『はーい』
「石井忍さんに紹介されてきたのですが……」
関 『始めまして。私、ゴルフコーチでクラブフィッターの関浩太郎と申します。クラブフィッターというとあまり馴染みがないかもしれませんが、簡単に言うと依頼を受けた方に合ったクラブを提案するお仕事です。石井さんから話は聞いていますよ。クラブの悩みがあるんですよね?』
「そうなんです。練習場に行って、石井さんに色々教えてもらってゴルフが楽しくなってきたのでクラブが欲しいのですが、どれを買っていいか分からなくて」
関 『なるほど。石井さんに教えてもらったときはどのクラブで打ちました?』
「7番アイアンです! あとパターですね」
関 『そうですか。ところでキャディバッグに入っているクラブって何本かわかりますか?』
「え、いやわからないです……」
関 『ゴルフには1人14本までしかクラブの使用してはいけないというルールがあります。その本数の中でそれぞれが思い思いのクラブを入れるわけです。通常のクラブセットは、ウッドと呼ばれるクラブが3、4本、そしてアイアンと呼ばれるクラブが8、9本、パターが1本の組み合わせが多いですね。ただ、どれを何本という決まりはないので極端な話、ドライバー1本、アイアン1本、パター12本でもルール上は問題ありません』
「そんな決まりがあるんですね。知らなかったなぁ」
関 『それでは、まずクラブの種類から説明しましょう。主にティーショット(1打目)に使う一番大きくて一番飛ばすときに使うクラブがドライバーです。そして2打目以降、主にフェアウェイ(地面上)から使うフェアウェイウッドに分けられます。これらをまとめてウッドと呼ばれています。ウッドは飛距離が出しやすい様、長く、ヘッドが大きく作られているのが特徴です。その反面、他のアイアンなどのクラブよりも長いために芯に当てるのが難しいです。一般的には、距離を打ち分けるために3〜5本入っています』
「ウッド……木ですか」
関 『その通り。元々パーシモン(柿の木)などの木製だったことからウッドと呼ばれるようになりました。今はステンレスやチタン合金などの金属が主流ですけどね。
次は実際に石井さんに教わったとき打ったというアイアンです。その名の通りボールを当てる部分が鉄製であることが由来です。飛距離100ヤードから200ヤード前後の狙った場所に飛ばすためのクラブで、各クラブには番号が振られています。数字が小さい順に距離が出やすく、数字の大きい順にボールが浮きやすくできていて、それぞれ打つ面の角度(ロフト角と呼ばれる)や長さが異なっており、スイングを変えることなく、クラブの差で距離を調節できるようになっています』
「7番は距離が出るほうのアイアンですか?」
関 『ちょうど中間くらいですね。アマチュアのプレーヤーの多くは5番から9番のアイアンを入れています。3番や4番のアイアンを入れている選手もいますが、とりわけ難易度が高く初心者の方にはオススメできません』
「(7番でもかなり難しかったけどな……)。あとこのWと書かれているアイアンはなんですか?」
関 『それはウェッジと呼ばれるものでグリーンの近くだったり、バンカー(砂で満たされたくぼみ)などで使用するクラブです。アイアンよりも短く、ロフト角が高いのが特徴です。そして最後はパターですが……』
「パターは大丈夫です!」
関 『それでは、まずドライバーから初心者に合うクラブを説明していきましょう』
ドライバー選びは、クラブを床に置いた時にフェースが左に向くものを選ぶ!
「なるほど」
【写真:ALBA.Net】
「これにします! これなら曲がらないんですね!」
【写真:ALBA.Net】
「握力なら分かります! だいたい40kgくらいですね」
関 『40kg以上の方は“S”という表示のやや硬めのシャフトを選ぶといいでしょう。それ以下の場合は“R”表示の標準的な硬さ、(ヘッドスピードが)30m/s以下の方(主に女性)は“L”表示の柔らかいシャフトがお勧めです』
「ふむふむ」
関 『また重さと長さも重要です。重さは体力に合わせて振り切れる範囲で重いものを、長さは短いほうが当たりやすくていいですよ』
アイアンは竹とんぼではだめ?
「はい。石井さんに最初に教えてもらいました」
関 『了解です。アイアンは大きく分けて2種類あります。1つは石井さんに教えてもらったときに使った、このように指先でつまむように挟んでフェース部分の厚みをチェックしたときに薄いキャビティバック。もう1つがマッスルバックです。これはフラットバックともいい、ヘッドが1枚の板構造になっているもので扱いが難しく上級者向けです。初心者の方はまずはキャビティバックを使ってみたほうが良いと思います』
【写真:ALBA.Net】
関 『そしてもう1つアイアンで重要なのが打つ部分のソール幅の広さです。初心者の方には広いものがオススメです。ソール幅が広いとミスヒットでも飛んでくれて、ボールも上がりやすくなります。ただその分クラブをコントロールすることには適していないので、慣れてきたらソール幅の薄いものにしてもいいですが、最初は広いものを使いましょう』
【写真:ALBA.Net】
関 『そして主に100ヤード以内の短い距離やグリーン周りの寄せにつかうのがウェッジ(ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジ)というクラブです。このウェッジはスコアメイクにとても重要なクラブで、中・上級者向けのアイアンセットにはアプローチウェッジとサンドウェッジが含まれていないものが多く、単品のものを購入するのが一般的となっています』
【写真:ALBA.Net】
関 『先ほど説明した単品売りウェッジというのは初心者にとって難しすぎるものが多く不向きです。なのでアイアンを選ぶ時点で、ウェッジまでセットになっているモデルを選ぶといいでしょう』
「おお! そんなのがあるんですね。まずはそれにします!」
パターは“方向性”だけではだめ!
「石井プロもヘッドが小さい方が難しいって言ってたなぁ」
関 『その通りです。復習もばっちりですね! そしてもう1つが“オートマチック系”で普通に振るだけでボールが真っ直ぐ転がるタイプ。ネオマレットと呼ばれるパターの総称。微妙なタッチを出しにくいものの、方向性が抜群に良いです』
「これは始めて見ました! 色々なかたちがあるんですね」
【写真:ALBA.Net】
「感覚的な部分なんですね」
関 『はい。その際大事なのが、どうしても“カップに入ること”ばかりに目が行ってしまうのですが、“カップに寄せられる”ということも大事です。入れるのは方向性が重要ですが、寄せるのには距離感が重要。見落としがちですが、実際のグリーンには傾斜がありますから距離感を合わせられるのとそうでないのとではスコアが全然違います』
【写真:ALBA.Net】
関 『これらを揃えればいよいよコースデビューですね。気持ちの準備はできていますか?』
「正直不安です……」
関 『大丈夫ですよ、とにかく楽しむことが一番です! スコアは気にせず、思いっきりプレーしてきてください』
「そう言われると楽になりました。初ラウンド楽しんできます!」
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ