【DEEP】フライ級王者・元谷、RIZIN参戦確実 榊原実行委員長は亀田に興味津々!?

長谷川亮

第3代フライ級王者・元谷友貴が初防衛戦に臨み、判定勝利を飾った 【田栗かおる】

「DEEP 73 IMPACT」が17日、東京・後楽園ホールで開催された。今大会ではフライ級(56.7キロ以下)とメガトン級(無差別)、2階級のDEEPタイトルマッチを実施。12月29日と31日にさいたまスーパーアリーナでの開催が発表された「RIZIN」の榊原信行実行委員長がこの2試合を視察に訪れ、大会後にはヒョードル、桜庭和志らに続く出場当確選手について語った。

王座防衛の元谷は堂々の出場アピール

立ってよし・寝てよしの試合内容で、試合後には大晦日のイベントへの出場をアピール 【田栗かおる】

 大会メインイベントとなったのは第3代フライ級王者・元谷友貴の初防衛戦。元谷は現パンクラス王者の清水清隆、DEEP2階級制覇の今成正和、元パンクラス&DEEP王者の前田吉朗、そして前王者・和田竜光と、ライバルを次々に降し国内フライ級ナンバー1と目されるファイター。現在、国際戦も含み6連勝で、内4連続の一本&KO勝ちと強さを示す元谷だが、こちらも好調5連勝の小島壮太を迎え撃った。

 地元・石川県のジム、CB IMPACTで練習を積む元谷は、県下の星陵高校レスリング部にも出稽古に通っており、その成果を見せるかと思われたが、試合は主に打撃戦で展開する。両手を低く下げ、視界を大きく確保した元谷は小島が思い切りよく振るってくるフックを見切ってかわし、強烈な右ローを打ち付ける。この攻撃を多用し、1ラウンドから小島の体を「く」の字にした元谷は、2ラウンドには足払いでのテイクダウンから、続く3ラウンドには小島の首投げからスルリと抜けて、両ラウンドともグラウンドでコントロールして判定勝利。

 やはり榊原実行委員長の視察が頭にあったか、「今日はKOと一本、いいところを見せようとして空回りというか、寒い試合をしてしまいました」と会心の笑顔はならなかったが、立ってよし・寝てよしの試合内容で、「榊原さん、大晦日のフライ級、もしよかったら自分を使ってください」と堂々の出場アピールとなった。

ヒョードルの対戦相手決定は保留

メガトン級の王者となったシングだが、アピール不足に終わり、「ヒョードル戦」確定とはならなかった 【田栗かおる】

 セミファイナルではメガトン級王者決定戦で、09年にK−1ソウル大会のアジアグランプリで優勝し、10年にはセルゲイ・ハリトーノフもKOしている198センチ・107キロのシング・心(ハート)・ジャディブと、今年7月に韓流大巨人チェ・ホンマンをKOした190センチ・120キロのカルロス・トヨタが対戦した。

 ともにメガトン級らしい巨体でリングを揺らした両雄は、カルロスがホンマンをKOした剛腕フックを振るい、シングはそれを首相撲で受け止めてのヒザ蹴り、離れてはジャブ&ハイキックと打撃戦を繰り広げるが、ともに2ラウンド終盤にはスタミナが厳しくなり失速気味となる。そしてインターバルに入ったところでカルロスが右腕を痛めていたことからタオルが入り、シングのTKO勝利。これでメガトン級王者となったシングだが、うわさに上がった大晦日ヒョードルの対戦相手としてはインパクト不十分な内容となってしまった。

“世界のTK”高阪復帰に向け調整中

大会視察に訪れた榊原実行委員長は、“世界のTK”高阪剛や引退を発表した亀田興毅へのアプローチを明言した 【田栗かおる】

 試合をリングサイドで見守った榊原実行委員長も「2人ともいいものを持っているが世界のレベルにはもう少し達していないところがあるので、DEEPで活躍することでRIZINを目指してほしい」と語り、ヒョードルの対戦相手についてもまだ決まっていないと明かした。

 一方でメインを飾った元谷については「軽量級で世界に通用する、日本が世界に誇れる選手。ぜひ上がってほしい」と当確サイン。出場の正式発表が待たれることとなった。

 また榊原実行委員長は06年に引退した“世界のTK”高阪剛と復帰に向けた話し合いを持っていることも明らかにし、さらにプロボクシング引退を表明したばかりの亀田興毅についても「ムチャクチャ興味があります。あれだけのパンチを持っているんだから、総合でも通用する。ぜひオファーをしたい。ツテを辿って、明日からでもアプローチしたいと思います」と、格闘技界復帰のやる気を見せるように饒舌に語った。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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