“最強”ヒョードルが語る復帰の理由
大晦日「RIZIN」独占インタビュー

 年末の12月29日、31日に開催されることになった格闘技のビッグイベント「RIZIN WORLD GRAND−PRIX 2015 さいたま3DAYS」。同大会における注目のひとつが“60億分の1の男”エメリヤーエンコ・ヒョードルの復帰だろう。


 2012年6月に引退を表明し、3年半ぶりのリング復帰。また日本での試合は11年大晦日の石井慧戦以来となる。『最強』の称号を欲しいままにした男が、再び日本のファンの前で戦うことになる。


 今回スポーツナビでは、来日していたヒョードルに独占インタビュー。復帰の理由、現在のコンディションなどを聞いてみた。

日本の格闘技の新章に参加したかった

大晦日格闘技イベント「RIZIN」での復帰を決めたヒョードルに独占インタビュー
大晦日格闘技イベント「RIZIN」での復帰を決めたヒョードルに独占インタビュー【スポーツナビ】

――2012年6月以来の復帰戦、日本では2011年大晦日に石井慧選手と戦って以来の試合が発表となりました。多くのファンがヒョードル選手に「お帰りなさい」という気持ちではないかと思います。


 ありがとうございます。日本にまた戻ってこられて、そして日本のファンのみなさんの前で試合に臨むことができて非常にうれしいです。


――先日9月28日で39歳を迎えられました。この年齢で復帰を決意したのはどうしてでしょうか?


 カムバックを決意した一番大きな理由は、PRIDEを手がけた榊原(信行)さんのチームが再び戻ってくることが大変魅力的だったからです。実は榊原さんが今年の春に私のところへやってきて、新しいショーを作り、新しい歴史を刻もうという提案があったんです。PRIDEの次の新たなページ、新しい歴史に参加する可能性を投げ掛けられました。その提案をしばらく考えたのですが、新しいスターと才能を発掘する素晴らしいプロジェクトだと思ったので、是非やりたいと決意したのです。


 そして日本はいつも私を温かく迎えてくれ、私は常に日本での試合をエンジョイしてきました。そんな日本でカムバックできることを大変嬉しく思います。それから、昨年は日本とロシアの武道交流年ということでたくさんのイベントがあり、私もその機会を利用して訪日をしました。私はスポーツを介してロシアと日本を近づけることができると信じていて、そうしたことも復帰を決めた理由の一つです。


――では、もし榊原さんからの提案がなければ、こうしたカムバックはなかったのでしょうか?


 おそらくそうだったと思います。

スポーツ人生が尽きる前にやっておくこと

復帰の理由について語るヒョードル
復帰の理由について語るヒョードル【スポーツナビ】

――“60億分の1の男”と呼ばれたように世界最強の地位に登りつめましたし、引退後も政治の世界に転身してご活躍でした。満ち足りた人生で、それでもまた戦おうと思ったのはなぜですか?


 政治生命はまだまだこれから長く続けることができますが、スポーツ・格闘家としての人生は限りがあります(笑)。ですから、その早く終わってしまうスポーツ人生が尽きる前に、できるうちにやりたいと考えたのです。そのことでファンに喜んでもらえたらと思いましたし、ロシアの若い選手や後継者となっていく者たちにも道を開きたい、そう思ってまた戦うことを決めました。


――UFCで戦うことを望む声もあったと思いますが、そうではなく日本の新たな舞台「RIZIN」で戦い、後進たちに道を開くことを選ばれたと?


 そうです。やはり日本の新しい舞台で、ロシアの後進、若い人たちに道を開いていくのが重要だと考えました。PRIDEで戦っていた時は本当に心地よく、試合に臨むことができました。ファイターにとって非常に素晴らしい環境を作ってくれる団体でしたし、私はPRIDEがナンバー1であったと思っています。これからはこのRIZINがナンバー1となるように、日本に、この場所に戻りたいと考えました。

“美しい試合”を見せたい

「新しいスターと才能を発掘する素晴らしいプロジェクトだと思ったので是非やりたいと決意した」と話すヒョードル
「新しいスターと才能を発掘する素晴らしいプロジェクトだと思ったので是非やりたいと決意した」と話すヒョードル【スポーツナビ】

――先ほど「スポーツ人生は限りがあり長くない」という言葉がありましたが、復帰してどれぐらい戦おうと考えていますか?


 これはどうなるか、私にも分かりません。ただ一度引退をしてから十分休息を取りましたし、ケガも治りました。神様の力を借りて、神様から頂ける力の限り、試合を続けていきたいと思います。


――3年前に引退した時と比べ、現在の状態はどうなのでしょうか。どれぐらい戻っているのか、あるいは以前より強くなっているのか。


 3年前のレベルに戻るにはまだまだたくさんトレーニングをしなければなりません。でも今はとても気分がいいですし、長い間の疲れやケガからも回復して体の状態も良好です。しかしコンディションに関しては、ファイターである限り常に向上させることが務めですので、これからさらにレベルアップしたいと思っています。


――現在はどんな人たちと練習をしているのですか?


 まさに今練習相手になってもらっている選手たちが、大晦日に日本へやってきます。サンボの世界チャンピオンや、非常に優秀なロシアのファイターたちです。練習は今はロシアで行っていますが、試合までにオランダでの合宿も計画しています。


――まだ対戦相手の発表はありませんが、久しぶりとなる試合でどんな戦いを見せたいとお考えでしょうか?


 美しい戦いを見て頂きたいと思います。特にロシア、そして日本のファンに喜んで頂けるような美しい試合をお見せしたいと考えています。“美しい試合”というのは私がいつも戦う時に心掛けていることですし、今回もそうしたいと思います。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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