棚橋は「邪魔」両国は「30連戦の初戦」
“制御不能”内藤哲也インタビュー
12日の両国大会でIWGPヘビー級王座挑戦権利証を懸け棚橋と対戦する内藤の現在の心境は…
12日の両国大会でIWGPヘビー級王座挑戦権利証を懸け棚橋と対戦する内藤の現在の心境は…【長谷川亮】

 新日本プロレスの両国国技館大会「KING OF PRO−WRESTLING」が12日に開催される。来年の1.4東京ドーム大会にもつながるビッグイベント、メインではオカダ・カズチカとAJスタイルズによるIWGPヘビー級選手権試合が組まれている。


 また注目なのが、セミファイナルで行われる棚橋弘至vs.内藤哲也のIWGPヘビー級王座挑戦権利証を懸けた一戦だ。

 9.27神戸ワールド大会で、バッドラック・ファレの挑戦を退けた棚橋が、次の挑戦者に内藤を逆指名。棚橋に「そろそろ焦らないとまずいぞ」と忠告された内藤だが、どこか他人事。両国に『パレハ(パートナー)』を連れてくると言うだけで、棚橋への言葉に感情を見せなかった。


 今回スポーツナビでは、大会を目前にした内藤に独占インタビュー。両国大会への心境、IWGPヘビー級王座への思い、そして『パレハ』とは誰なのかを聞いてみた。

両国は「棚橋がチャレンジャー」

GI公式戦で勝利した内藤は「棚橋がチャレンジャーでしょ」とバッサリ
GI公式戦で勝利した内藤は「棚橋がチャレンジャーでしょ」とバッサリ【横田修平】

――IWGPヘビー級王座挑戦権利証を懸けた棚橋選手との試合が目前に迫り、どんな心境でいますか?


 別に俺は自分の口から権利証が欲しいとは一言も言ってないし、むしろそんなのやらなくていいよと言っていた方だったので、棚橋が「G1で負けた内藤に借りを返したい」、そう言って実現した試合で、棚橋がチャレンジャーでしょと。だから俺はドンと構えているだけなので、特に意気込みもありません。ただ組まれたシングルマッチをする、それだけです。


――そんな内藤選手にとって、棚橋選手とはどんな存在なのでしょうか。


 一言でいうと「邪魔」。これは最近言っていることですけど、棚橋の言ったことがすべて正しいのかと。まぁ、結局棚橋が言ったことがすべてで、棚橋が右って言ったら右、左って言ったら左、この会社はそういう会社なんです。だから俺としたら非常に邪魔ですね。


 俺はパートナー『パレハ』を連れてくると宣言していたから両国はタッグマッチかなと思っていたんですけど、棚橋が「両国でシングルだ」と言ったらそうなってしまう。俺は争奪戦はやらなくていい、やりたいですなんて一言も言ってないのに、棚橋がやると言ったらそれで決まってしまう。この会社はとにかく棚橋が言ったことがすべてです。なので争奪戦もこの両国が最後だって言ってますけど、棚橋が「もう1回」と言ったらもう1回になりますよ。だから俺的には非常に面倒くさい。俺が勝ったら、あと何回棚橋に勝ち続ければドームへ行けるんだろうと思っています。なのでリマッチも視野に入れながら両国を戦います。


――逆に今回圧倒的に勝つことで、そうした棚橋選手の発言権や影響力を奪うというのはどうでしょうか。


 おそらく奪えないと思います。今年、新日本プロレスは両国以降でドームまで30試合くらいあるんですけど、俺は対棚橋30連戦も覚悟しています。なのでそこで30連勝するか、もしくは棚橋にもうリマッチはしたくないと言わせるか、あるいはリングに立てない状況を作るかしない。結局両国で勝ったところで、俺はドームで挑戦する権利は取れないと思っています。


――棚橋選手の発言にそれだけの力、影響力があることにはどう思いますか。


 俺が「棚橋の言ったことが正しいのか」と言い始めたのは今に始まったことじゃないですから。棚橋の言ったことがそのまま決まってしまうことに対して悔しさとかもありましたけど、今は逆に、とにかく棚橋が言ったことが正しいのなら、じゃあ棚橋に言わせればいい、そういう風にちょっと考えが変わってきました。何年後かに新日本が気づいて後悔すればいいんじゃないですか。

責任をファンになすりつけた「セミ降格」

棚橋からの対戦指名に内藤は「権利証が欲しいとは一言も言ってない」と不快感
棚橋からの対戦指名に内藤は「権利証が欲しいとは一言も言ってない」と不快感【横田修平】

――この試合を勝利した後に見据える、IWGP王座への思いも聞かせてください。


 俺は中学3年の時に将来の夢を決めて、その時に3つ目標を立てたんです。1つは新日本プロレスのレスラーになること、2つ目は武藤(敬司)さんのファンで武藤さんは29歳でIWGPを巻いたので、俺も30まで、20代のうちにIWGPを巻きたいと思いました。あと3つ目は東京ドーム大会のメインイベントに立つこと。


 その3つを目標に上げて、30歳までにっていうのはもう無理ですけど、IWGPっていうのは1つ目標だったし、IWGPヘビー級チャンピオンになりたくて新日本プロレスに入ったので、やっぱり目標であることに変わりはないです。新日本プロレスに立っているレスラーはみんなIWGPを目指さなきゃいけないと俺は思っていますし、そうでないレスラーは新日本のリングに立っちゃいけないと思います。なので、今現在も俺が新日本プロレスのリングに立ち続けているっていうことはイコール、そういうことです。


――3つ目の目標に関しては、2年前に東京ドーム大会のダブルメインイベントを務めたことがありましたが……。


 俺は2年前に権利証を持っていて、そこにたしか「東京ドームのメインイベント」って書いてあったんです。でも実際はダブルメインイベントっていう、一応メインイベントではあるけど、実質のセミに降格しました。なので今回棚橋が、「ここに東京ドームのメインイベントの権利があるぞ」って神戸で言ってたんですけど、その権利証を獲ってもメインに進めるか分からないでしょって。俺は権利証を持っていてもメインに上がれなかった唯一の経験者ですから。経験者は語りますよ。


――会社の思惑でカード順が決められるのであれば、ドーム大会のメインにはもうこだわらない?


 2年前にファン投票で敗れて、もちろんメインに立ちたい気持ちはあります。棚橋vs.中邑(真輔)か、オカダvs.内藤かでファン投票があって、でも自分の中でもこれは棚橋vs.中邑を新日本はメインにしたいんだろうなっていうのがありました。その責任をファンに押し付けたんだなと。IWGPっていう冠がある以上、新日本プロレスが「IWGPはセミです」とは言えないから、その責任をファンになすりつけたんだなと思ったんですけど、そのファン投票の悔しさも2年経ってまだありますし、それもリベンジしたいっていう気持ちはやっぱりあります。だから俺が権利証を獲ったら、あえてファン投票をやろうと。それで東京ドームのメインイベント、ファン投票へのリベンジもしたいと思ってます。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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