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青学大が3冠の可能性も 対抗は東洋大か
学生3大駅伝・強豪校の戦力を分析

 10月12日の出雲駅伝から、学生3大駅伝が開幕する。昨年は史上初めて、初戦の出雲が台風で中止になったが、今年は全国的に晴れの予報となっており、中止の心配はまずなさそうだ。昨季は11月の全日本大学駅伝、1月の箱根駅伝の2大会のみ行われ、全日本は駒澤大が4年連続12回目の優勝、箱根は青山学院大が初優勝を果たした。

分厚い選手層の青山学院大

“新・山の神”こと神野大地(写真)を擁する青山学院大は、今季も戦力が充実している
“新・山の神”こと神野大地(写真)を擁する青山学院大は、今季も戦力が充実している【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 その青山学院大は、今季も春先からトラックレースで好記録が続出。神野大地、久保田和真、小椋裕介(以上4年)、一色恭志(3年)の4本柱を擁し、分厚い選手層を誇る。駅伝を戦う上で重要な、「エースの存在」と「選手層」の2点で優位に立っている。


 7月のユニバーシアード(韓国・光州)では、ハーフマラソンで小椋が金メダル、一色が銀メダルを獲得し、同一校では史上初の快挙を達成した。また、箱根の優勝メンバー8人が残り、チーム全体を見ても5000メートル13分台が10人、14分10秒以内も9人。トラックレースの記録は必ずしも駅伝に直結しないが、層が厚いことは確かだ。


 心配されるのは、今年の箱根5区で驚異的な走りを見せ、初優勝の立役者となったキャプテン・神野の状態だろう。6月に右すねを疲労骨折した影響で夏合宿も出遅れたことから、出雲は10人のエントリーメンバーから外れたが、順調に練習を積んでおり、全日本で戦列復帰が予想される。神野が主要区間に起用されるかは微妙なところだが、つなぎ区間にまわっても、十分に勝利を狙える布陣だ。


 神野らの学年はチーム史上、最強の世代といわれ、4年時に駅伝優勝を見据えていたが、一足早く、3年時の箱根を制した。集大成の4年目が、本当の意味での勝負。学生駅伝3冠を達成すれば、1990年度の大東文化大、2000年度の順天堂大、2010年度の早稲田大に続き、史上4校目となる。

対抗は東洋大か 駒澤大には不安要素も

 3つの駅伝とも、青山学院大が優勝候補筆頭と見られるが、東洋大と駒澤大にもチャンスはある。

服部勇馬(写真)が主将を務める東洋大。昨季は無冠に終わったが、今季は順調な仕上がりを見せている
服部勇馬(写真)が主将を務める東洋大。昨季は無冠に終わったが、今季は順調な仕上がりを見せている【写真:日本スポーツプレス協会/アフロスポーツ】

 東洋大は、学生長距離界のエース・服部勇馬(4年)、9月の日本インカレ5000メートル優勝の弾馬(3年)兄弟がけん引する。昨季と比べると、春からトラックレースで自己記録を更新する選手が多く、チームの雰囲気も良好だ。主力では、8月初旬に故障した上村和生(4年)が出雲のエントリーから外れたが、上村は例年通り、これから調子を上げてくるだろう。


 選手層の構築と中間層の底上げが今季の課題だったが、2年生の堀龍彦、竹下和輝、野村峻哉ら下級生が台頭してきた。あとは、服部兄弟と並んで柱となる選手が1人、2人と増えていけば盤石だ。青山学院大にとっては、最も怖いチームだろう。


 駒澤大はユニバーシアード1万メートル銅メダルの中谷圭佑(3年)、同ハーフマラソン5位の工藤有生(2年)がエース格。ロードを得意とする大塚祥平(3年)も好調だ。また、夏に故障し出遅れていた馬場翔大(4年)も出雲のエントリーメンバーに入り、復調したことがうかがえる。不安要素を挙げるなら、中村匠吾(現・富士通)と村山謙太(現・旭化成)が卒業し、大砲が減ったこと。浅石祐史(3年)、下史典(1年)らの台頭で、選手層は徐々に厚くなってきたが、箱根までを見据えれば、長い距離をしっかり走れる選手があと3〜4人は必要だ。


 駒澤大は3つの駅伝の中でも、史上初の5連覇に挑む全日本にこだわりが強い。大八木弘明監督は今季を「育成の年」と位置づけているが、3つのうち1つは取りたいという思いがあるだろう。

石井安里

静岡県出身。東洋大学社会学部在学中から、陸上競技専門誌に執筆を始める。卒業後8年間、大学勤務の傍ら陸上競技の執筆活動を続けた後、フリーライターに。中学生から社会人まで各世代の選手の取材、記録・データ関係記事を執筆。著書に『魂の走り』(埼玉新聞社)

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