錦織らトップ選手に見るものごとの見方
杉山愛コラム「愛’s EYE」
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絶好調な選手が楽天オープンに勢ぞろい

昨年の楽天ジャパンオープンを制した錦織圭。今年は2年連続3度目の優勝を目指す
昨年の楽天ジャパンオープンを制した錦織圭。今年は2年連続3度目の優勝を目指す【写真:Motoo Naka/アフロ】

 楽天ジャパンオープンが10月5日に開幕します。選手のエントリーを見ると、錦織圭選手(日清食品)をはじめ、去年から今年にかけて四大大会のタイトルを獲得したスタン・ワウリンカ(スイス)、マリン・チリッチ(クロアチア)の両選手、さらにリシャール・ガスケ、ジル・シモン(ともにフランス)、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)と、近年、四大大会での活躍が際立つ選手、乗りに乗っている実力者が勢ぞろいという印象です。


 また、年齢を重ねて実力をつけ、今、自分のベストのパフォーマンスを出している選手が多いような印象です。ガスケも一時、低迷する時期があって、そこを乗り越えたことでまた一つレベルが上がっているのを感じます。アンダーソンも全米でアンディ・マレー(英国)を破ってグランドスラム初のベスト8。ロペスも2015年はベストのシーズンと言えます。

 それに加えて、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)やニック・キルギオス(オーストラリア)、ボルナ・コリッチ(クロアチア)といった期待の若手、旬の選手も参戦しています。「厚み」を感じられるエントリーリストと言っていいでしょうね。


 大会が行われる有明のハードコートが得意な選手がそろっているという感じもします。この顔ぶれなら1回戦から見応えのある試合が期待できそうです。

デ杯の勝利がいいきっかけになったはず

 錦織選手も初戦からタフな試合になることでしょう。


 9月の全米オープンでは1回戦敗退でしたが、敵地でコロンビアに勝ったデビスカップ(以下、デ杯)は彼にとって大きなターニングポイントになったと思います。選手は嫌な流れはできるだけ早く断ち切りたいものです。デ杯は時期としてもいいタイミングだったし、実際、プレッシャーの中で自分の力を出してチームを勝利に導いた、このことで精神的にうまく切り替えることができたでしょう。


 人間って、どうしても悪いことほど記憶に深く刻まれるので、それをいい経験で上書きすることが重要になります。早い時期にパッと塗り替えられたのは、今後のツアー、キャリアを考えても彼にとってすごく大きかったと思います。こういうきっかけから、いい流れがやってくるはずです。楽天オープンに向けて、いろいろな面で、いい準備ができていると思います。

「ツアーファイナル」を目標に掲げる意味

 錦織選手は去年の大会で優勝しているだけに、もし今年、優勝できなければ多くのポイントを失ってしまいます。でも、ポイントのディフェンドはトップ選手の宿命です。毎年、守るべきポイントがたくさんあるのがトップ選手ですから、それをいちいち考えていたら、余計な力も入るでしょうし、プレッシャーも感じるでしょう。


 今季の錦織選手は、もちろんポイントをディフェンドしてランキングを維持することも一つの目標ではあると思いますが、シーズン最終戦「ツアーファイナル」(11月15〜22日、英国・ロンドン)への2年連続出場を大きな目標に掲げています。これはゴール設定として正しいと思います。


 私自身、最終戦出場の経験がありますが、「自力で出場にたどりつくにはこの大会で何ポイント獲得しなくてはいけない」という目標ができるので、ディフェンドより自然に先のことに目がいくのです。「これだけポイントを取らなくてはいけない」という意識はあったとしても、「去年のポイントを守らなきゃいけない」というのとは違うメンタリティですから、選手にはプラスに働くはずです。


 ものごとをどう見るかで、いろいろ変わってくるんですよね。テニスに限らずビジネスでも同じだと思います。同じことが起こっていても、それをどう見るか。トップの選手、あるいはトップのビジネスマンというのは、画を大きく描いてプラスの方向に見る、自分の力を出しやすいように考えるということができる人たちだと思います。錦織選手もそれができる選手で、だからこそツアーファイナル出場を目標に掲げているのです。


 全米では1回戦負けを喫しましたが、1年を通してしっかり頑張れているので、ランキング6位、トップ10にとどまっています。ものごとを広く見る、プラスに見るということができる彼だからこそ、この状況が生まれているのだと思います。

楽天OPに出場する(右から時計回り)錦織圭、グリゴール・ディミトロフ、スタン・ワウリンカ、マイク・
ブライアン、ボブ・ブライアン
楽天OPに出場する(右から時計回り)錦織圭、グリゴール・ディミトロフ、スタン・ワウリンカ、マイク・ ブライアン、ボブ・ブライアン【画像提供:WOWOW】

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