エアメサイアの仔エアスピネルに★6つ 母の背を知る武豊もそのセンスを高評価
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
武豊騎手を背にデビュー勝ちを収めたエアスピネル(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
秋華賞馬を母に持つ名門から期待の一頭 エアスピネル
エアスピネル 牡 馬体重:480kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:武豊 厩舎:(栗) 笹田
生産: 社台ファーム
父:キングカメハメハ
母:エアメサイア(サンデーサイレンス)
スタート良く、スッと好位に収まる。パドックでは馬っ気を出したりと幼い仕草を見せていたが、レースセンスはかなりのもの。直線入り口で馬なりのまま先頭に立つと、2着馬が来るのを待つ余裕。残り300m辺りで鞍上が促すと反応良く一気に突き放してしまった。走破時計、上がりタイムともに優秀で、高い素質は間違いなし。
馬体診断
パドックではやや集中力を欠く所もあったが、馬体の全体的なバランスは良好。トモのボリュームも十分で、今後もスタートでダッシュがつかないということはなさそう。まだ上積みの見込める仕上がりというのも好感が持てる。繋はやや長目だが、決して稼動域に乏しいわけではなく、瞬発力は十分。全兄は中央未勝利だったが、520キロ超の兄に対して、こちらは480キロ。仕上げに困ることはないだろう。
血統診断
母エアメサイアは秋華賞馬。その他にローズS勝ちやオークス、ヴィクトリアMで2着など。一族にも活躍馬が多数いて、伯父エアシェイディ、祖母エアデジャヴーの他にもエアシャカール、エアソミュールなど。ノーザンテースト〜サンデーサイレンス〜キングカメハメハと配合を重ねられ、日本競馬の血統を凝縮したような一頭。距離適性は1600〜2400mと幅広く対応できるはず。
馬券の狙い目→距離・コースはあまり問わない万能型。ただし、祖母のように詰めが甘い可能性も?
ダートで大物輩出なるか クレマンダルザス
クレマンダルザス 牡 馬体重:448kg
★★★★★ 5点〔1600万クラス〕
騎手:蛯名 厩舎:(栗) 松永幹
生産:ノーザンファーム
父:ワイルドラッシュ
母:シャンパンマリー(タニノギムレット)
道中は2番手でレースを進めていたが、少し行きたがる素振りも。勝負所でペースが上がっても全く問題にせず、直線入り口では他馬との手応えの差が歴然。全くの楽勝で、2着に5馬身差、さらに3着馬はそこから6馬身差だった。ペースはスローだったにせよ、ラスト2Fで12秒2〜12秒3という時計は、2歳馬としては一枚上のもの。ペースが上がった方が競馬をしやすいタイプでもある。
馬体診断
450キロ前後と、ダート馬にしてはやや小柄ではあるが、馬体に幅があり、これからの成長の余地は十分に残している。脚捌きをみても、現状ではやはり芝よりダートが良いだろう。ストライドの大きな走りは父の産駒らしさが良く出ている。直線の長い東京でも力は発揮できる。
血統診断
3代母のオークス馬ダイナカールを起点とする母系は、今や日本で最も勢いのある母系と言っても過言ではない。活躍馬を挙げるとキリがないが、半兄のファントムライトは先の新潟記念で3着、二冠馬ドゥラメンテや先週の京成杯AHを制したフラアンジェリコもこの一族。芝の大レースで血脈を伸ばしてきた一族だが、母・祖母ともにダートで活躍。トランセンドなどを輩出した父との相性は良く、スピード豊かなダート馬だ。
馬券の狙い目→スピードで押し切る競馬も可能。レパードSよりユニコーンSの方が適性はありそう。