フェデラー、全米V逃すも得た手応え
攻撃的テニスに見出した新たな可能性
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決勝は全英に続く黄金カード

全米オープンは準優勝となったフェデラーだが、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった
全米オープンは準優勝となったフェデラーだが、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった【写真:ロイター/アフロ】

 テニスの全米オープンは日本時間14日、男子シングルス決勝が行われ、第1シードのノバック・ジョコビッチ(セルビア)が、6年ぶりの決勝進出を果たした第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)をセットカウント3−1で倒し、2011年以来、4年ぶり2度目の優勝を飾った。グランドスラムでは、全豪オープン、ウィンブルドンに続く今年3大会目の優勝で、通算10個のメジャータイトル。優勝賞金は330万ドル(約4億円)だった。


 ウィンブルドン決勝に続く黄金カード。夕方からの雨で試合開始は3時間余り遅れたが、満員の大観衆の期待を裏切らない、素晴らしいファイナルとなった。


 この大会のフェデラーはサーブが好調で、ここまでの6試合で失セットは無し、72度のサービスゲームで2度しかブレークを許さなかった。前哨戦のウェスタン&サザン・オープン決勝でジョコビッチを倒して優勝してきただけに、34歳の挑戦が注目された。


 今年のフェデラーは、かつてより積極的にネットに出る場面が多い。この日も第1セットから果敢に攻めるテニスを展開した。しかし、立ち上がりはファーストサーブが思うように決まらず(53%)、そこをすかさずジョコビッチが攻めた。打ち合いになれば抜群の安定性とカウンター能力を持つジョコビッチが力を発揮し、第3ゲームを先にブレークされる。しかし、フェデラーもすぐ第4ゲームをブレークバック。フェデラーが新たに「SABR」と名づけて試みている、リターンゲームでのチップ&ダッシュも成功させて、難攻不落のディフェンスを崩しにかかった。しかし、ここはジョコビッチの集中力が上回り、第1セットを奪われた。


 安定性のジョコビッチに比べれば、フェデラーは攻めるタイプで、それだけリスクが増える。第2セット、ジョコビッチが一度もブレークポイントをつかめなかったのに対し、フェデラーには9度もあった。しかし、次々にかわされ、フラストレーションがかさむ中でも、フェデラーは攻め続けた。ゲームカウント6−5で迎えた第12ゲームのジョコビッチのサーブ。15−40からの2本目のブレークポイントで、強烈なバックハンド・ウイナーをクロスにたたきこみ、セットオールとした。

「来年もここで戦いたい」

試合後のスピーチでは、観客から万雷の拍手が送られた
試合後のスピーチでは、観客から万雷の拍手が送られた【写真:ロイター/アフロ】

 ジョコビッチの精密なショットコントロールは、研ぎすまされた集中力に裏付けられている。集中力は疲労とともに下降するが、ジョコビッチは過去何度も、ファイナルセットに息を吹き返してきた。それを知っているフェデラーからすれば、第3セットはどうしてもほしかっただろう。その心理の波が微妙な影を落とした。


 第3セット第3ゲーム、40−15からダブルフォルトを挟んで連続4ポイントを落とし、先にブレークされたのが悔やまれる。第4ゲームをブレークバックしたが、後手に回り、焦りが出た。第5ゲームをラブゲームでキープしてリズムをつかみかけても、詰められない。第6ゲーム、30−0のチャンスを生かせず、続く第8ゲームも、40−0からデュースに持ち込み、2度のブレークチャンスがあったが、ものにできず。続く第9ゲームは逆に40−15からブレークされて、セットを落とした。第3セットは、ウイナー数(13−10)、アンフォーストエラー(11−12)、総ポイント数(37−36)とスタッツではことごとく上回りながら、ジョコビッチにセットを奪われている。大事な局面での安定性がこの試合を支配した。


 フェデラーは12年のウィンブルドンを最後に、グランドスラムの優勝から遠ざかっている。だが、この日は最後まで全盛期をほうふつとさせる闘争心を見せた。


 第4セット、ジョコビッチに2ブレークダウンの2−5と追い詰められたが、そこから追い上げた。第8ゲーム、ここでもSABRで攻め込んでブレークバック。ゲームカウント5−4からの第10ゲームには、40−15と追いつくチャンスをつかむ。しかし、ジョコビッチは最後まで崩れなかった。


 3時間20分の熱戦の末に敗れはしたが、フェデラーは晴れやかな表情だった。「来年もここで戦いたい」というスピーチに万雷の拍手。34歳になったとはいえ、本来の攻撃的テニスに新たな可能性を見出した、その手応えがあったのだろう。10代選手の台頭が目立ったこの大会、ベテランの壁はそう簡単に崩れる気配はない。


(文:武田薫)


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