「打倒セリーナ」を目指すハレップ 降雨中断で形勢逆転、全米初の4強
ハレップが自身初の4強入り。23歳の快進撃は止まらない! 【写真:ロイター/アフロ】
一方、セリーナ・ウィリアムズ(米国)の「年間グランドスラム」をめぐる女子準決勝は、セリーナvs.ロベルタ・ビンチ(イタリア)、シモーナ・ハレップ(ルーマニア)vs.フラビア・ペネッタ(イタリア)と、強打のトップ2シードにイタリア勢が挑戦する興味深い対戦になった。グランドスラムでイタリア女子勢がベスト4に2人進んだのは初めてのこととなる。
今大会でベストマッチの熱戦
第1セット、ハレップはグイグイと押してくるアザレンカに粘り強く応酬しながら、よく走って、ライン際に勝負を懸ける。そして第4ゲーム、5本目のブレークポイントをついにもぎ取って先手を奪った。
一方のアザレンカは今年、セリーナと3度対戦。いずれも敗れたものの、フルセットでもう一息というところまで戦った。どうしても決勝にたどり着いて、挑戦したいという気持ちは強かっただろう。第2セットを奪い返し、セットカウント1−1で迎えた最終セット、アザレンカのサーブで始まった第1ゲームが壮絶な打ち合いになった。ゲームカウント15−40からアザレンカが踏ん張りを見せる。デュースを5度繰り返し、3本のブレークポイントをかわしてサービスキープする。
続く第2、第3ゲームは互いにブレークをかわす力勝負になり、体力で勝るアザレンカがやや有利な流れだった。しかし、皮肉にも第4ゲームの途中で雨が降り出して1時間半の試合中断。ハレップには、まさに砂漠に水。ここで休養したことが大きかった。息を吹き返し、ボールコントロールで勝るハレップが第7ゲームで虎の子のブレークを得て、守り切った。今大会の女子の試合ではベストマッチに挙げられる息詰まる熱戦だった。
準決勝は降雨の予報、経験もカギに
一方の男子は、フェデラーがリシャール・ガスケ(フランス)を寄せ付けずにストレート勝ち。これで対戦成績は15勝2敗。もう1試合は、ワウリンカがケビン・アンダーソン(南アフリカ)を3−0で退けた。アンダーソンには、4回戦で倒したアンディ・マレー(イギリス)戦の心身の疲れが見られ、ワウリンカの左右からの攻めに耐えられなかった。
いよいよ大詰め。ここまで猛暑が続いたが、11日は降雨の予報が出ている。優勝へは大舞台での経験もカギになりそうだ。
(文:武田薫)
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