個性のアイシンと爆発力のトヨタ東京 DREAM GAMESに臨むNBL勢

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若さを武器にぶつかっていくトヨタ自動車

日本代表として活動する田中は、ここ一番で頼りになるクラッチプレーヤー 【(C)NBL】

「両リーグを通じて、ベンチスタッフは最も若いかもしれません。私自身、HCのキャリアはゼロですが、チームにはこれまでの蓄積があります。どんなこともすべてが学ぶチャンスですし、探究心はどこにも負けません。今シーズンのテーマ“ONENESS”(=統一、調和など)を前面に、チーム全員の力を結集して秋田ノーザンハピネッツとの『DREAM GAMES』に挑みたいと思います」。そう語るのは、トヨタ自動車アルバルク東京のアシスタントコーチからHCへと昇格したばかりで弱冠33歳の伊藤拓摩。昨シーズンからメンバーはほとんど代わっておらず、チーム力は安定している。

 主力の2人、#16松井啓十郎と#24田中大貴が日本代表として活動しており、チーム練習に参加できないこともあるが、トヨタ東京は着々とリニューアル中だ。「選手個々の能力を引き出しつつ、チームプレーの統一性や連動性を高めています。これまでとは違うトヨタ東京のバスケットを披露したいと思っています」(伊藤HC)。チームプレー優先は当然ながら、プラス個人の判断も重視するスタイルを追求しているという。

タレントぞろいで爆発力アリ

ロングレンジの3ポイントが得意なリーグ屈指のシューター松井も日本代表に選出されている 【(C)NBL】

 トヨタ東京は「タレントぞろい」と評されることが多い。ロングレンジの3ポイントが得意なリーグ屈指のシューター松井、ここ一番で頼りになるクラッチプレーヤー田中を擁し、#4ジェフ・ギブス、#3マイケル・パーカー、新外国籍選手#0リチャード・ソロモンらがパワフルプレー全開でインサイドを固める。個性派集団をまとめるポイントガードは、視野が広くパスワークに冴えを見せる#35伊藤大司、粘り強いプレーが持ち味の#8二ノ宮康平、キャプテン#7正中岳城などもひかえている。

 このチームで3年目を迎える#13菊地祥平は「相手がどうこうというより、自分たちのバスケットに徹することが大事。新しいシステムが導入されていますが、チーム全員で共通理解しています。スピーディーな展開が強調されているので、新しいトヨタ東京のバスケットを楽しみにしてください」と話す。菊地自身も味方のディフェンスリバウンドに素早く反応し、フロントコートへ先陣を切って走り込み、ロングパスを受けてゴールを狙う得意のプレーが飛び出すに違いない。

 リーグ屈指の得点力を誇るフレッシュなトヨタ東京が、『DREAM GAMES』でどんな爆発力を見せてくれるか楽しみだ。

タフなスケジュールでチーム力アップ

 若手主体のトヨタ東京とはいえ、『DREAM GAMES』の前後にプレシーズンマッチが3試合組まれており、10日間で計4試合というハードスケジュール。しかし、この経験こそがチームの強化へとつながっていく。9月13日(日)に秋田と対戦するが、その前に沖縄へと遠征し、9日(水)に琉球ゴールデンキングス(bjリーグ)、10日(木)に三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋と対戦し、秋田戦を経て翌週18日(金)に京都ハンナリーズとアウェーで戦う。

「ハードスケジュールですが、シーズンを戦う上で貴重な経験になります。中でも『DREAM GAMES』は特別な試合。勝敗にも内容にもこだわって戦います。秋田はハードにプレーしてくるチームなので、当たり負けしないで頑張ります」(伊藤HC)。

 大勢のファンとともに戦い、“ONENESS”の意味を一緒に噛みしめたいトヨタ東京。昨シーズン、あと一歩で届かなかったリーグ優勝に向け、『DREAM GAMES』で確かな手応えと勝利をつかみに行く。

(協力:NBL)

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