日本テニスが抱える体格の課題が露呈
西岡、奈良の完敗で日本勢は姿を消す
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 テニスのグランドスラムの今季最終戦、全米オープン第4日が現地時間3日、米国・ニューヨークで行われ、2回戦に勝ち残った男子の西岡良仁(ヨネックス)、女子の奈良くるみ(安藤証券)がいずれもストレートで敗れ、日本勢は大会4日目にして全員姿を消した。

風邪の症状が出ていた西岡

トマス・ベルッチ(右)にストレートで敗れ、肩を落とす西岡良仁
トマス・ベルッチ(右)にストレートで敗れ、肩を落とす西岡良仁【写真は共同】

 第30シードのトマス・ベルッチ(ブラジル)との左利き対決の臨んだ西岡は、立ち上がりからまったく精彩がなかった。ポール・アンリ・マチュー(フランス)との1回戦で見せた冷静な展開は影もなく消え、第1セットが0−6のスタート。獲得ポイントが相手の25に対してわずか7、しかもウィナーが0というのは尋常ではない。それもそのはず、1回戦の試合終盤から喉に違和感があり、風邪の症状が出ていたという。


「熱は出ていませんが、疲れが抜けず、全力でプレーできる状態ではなかった。去年のこともあったので、普段から風邪には気を付けていたんですが」


 前年は、せっかく予選から勝ち上がりながら風邪の影響で1回戦は途中棄権。今年の全仏オープンも風邪をひいていたという。ここまで風邪に取りつかれるのは、何か理由があるはずだ。


 西岡は予選3試合を勝ち上がってきたが、その3試合がすべてフルセットだった。試合時間はトータル5時間34分。さらに、マチューとの1回戦も炎天下のフルセットにもつれこんで3時間22分に及んだ。西岡は自己申告で身長170センチ、体重64キロと一般高校生並みの体格。パワー時代のいま、見劣りすることは再三にわたって指摘されてきた。今回はプレー以前の段階で、そのマイナー部分が出てしまった。


「ファイナルが続いて体力が削られていたと思う。自分は全身を駆使しないと勝っていけない。グランドスラムで風邪をひくのは、フィジカル面の弱さだろう。改善したい」

体力強化という重いテーマを残した全米オープン

155センチの奈良くるみは、175センチ、70キロの体格をフルに使ったロジャースに主導権を奪われた
155センチの奈良くるみは、175センチ、70キロの体格をフルに使ったロジャースに主導権を奪われた【写真は共同】

 日本の歴代のテニス選手は、松岡修造氏(188センチ)は例外として、全日本選手権で7度優勝の福井烈氏(170センチ)をはじめ小柄な選手が活躍した。体格のいいジュニアは、かつては相撲と野球に、現在はサッカーに流れてしまうのが原因だと言われる。


 現在期待されている若手に、ダニエル太郎(190センチ)やサンティラン晶(178センチ)、女子では大坂なおみ(180センチ)といったハーフの選手が目立っているのは、体格に恵まれたDNAに負うところが大きい。その意味で、西岡が抱える「体格のハンディ→疲労→体調悪化」の連鎖は、日本選手の宿命の一端としてとらえられる。


 体格面のハンディを露呈したのは、ツアーで最も身長が低い155センチの奈良くるみも同様だった。相手のシェルビー・ロジャース(米国)は世界ランク154位と格下だが、175センチ、70キロの体格をフルに使ったサーブ、ショットの威力に主導権を奪われた。


 第1セットのサービスブレークの応酬という流れを断ったのはロジャースだったし、一転してサービスキープが続いた第2セット、やはりロジャースが先にブレークした。奈良も必死に守ったが、1回戦でアリーゼ・コルネ(フランス)とフルセットを戦った疲れが残っていたのだろう。集中力に欠けた。


 疲労の蓄積は集中力の欠落につながる。休養明けだった錦織圭(日清食品)の初戦敗退に始まり、土居美咲(ミキハウス)のマッチポイント3本からの逆転負け、この日の2選手の完敗で幕を閉じた日本選手の全米オープンは、体力強化という重いテーマを残した。


文:武田薫


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