ハリルホジッチ「勝つことを要求する」 W杯アジア予選 カンボジア戦前日会見

スポーツナビ

カンボジア戦の前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は3日、埼玉スタジアム2002でカンボジア代表とのワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選に臨む。試合を翌日に控えた2日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が前日会見に臨んだ。

 予選の初戦となった6月のシンガポール戦はホームでまさかのスコアレスドロー。8月の東アジアカップも含めて、アジア勢にここ4戦勝利なしと、厳しい結果が続いている。それもあってか指揮官は「確固たる信念をもって勝利を探しに行く。われわれ自身にも(勝利する)義務があるし、日本のすべてのサポーターのためにもシンガポール戦はアクシデントだったと思わせないといけないと思う」と決意を示した。またカンボジアは引いてくることが予想されるが、その守備を崩すために「いくつかのソリューションを提示した」と語り、自信をのぞかせた。

確固たる信念をもって勝利を探しにいく

 選択肢は今はあまりない。この合宿での一言目だが、選手たちには「勝利しかない」と伝えた。相手は勝利を与えてくれないので、われわれが探しにいかないといけない。確固たる信念をもって勝利を探しにいく。われわれ自身にも(勝利する)義務があるし、日本のすべてのサポーターのためにもシンガポール戦はアクシデントだったと思わせないといけないと思う。

──メンバー発表会見でも、シンガポール戦のようなことを繰り返してはならないと言っていたが、東アジアカップと同様に準備期間が少ない中、点を取る手応えはあるか?

 いつも話しているように、確かに時間はないし、そのことについて文句を言っても意味はない。とはいえ、われわれは(試合に向けて)多くの仕事をしてきた。昨日は戦術のトレーニングしかしていない。前に行くための、さまざまなソリューションを提示した。アグレッシブさも要求したし、われわれが(ペナルティーエリア内)16メートルの中に入っていこうとか、ときどきPKを誘うようにも話をした。もう一度言うが、シンガポール戦のプレーはそこまで悪くなかった。最後の決定的なところで少し失敗があったが、そのためにゴール前のトレーニングをたくさんした。最後のところで、確固たる決意でシュートを打ってくれと言った。これは自身のリベンジだとも言った。皆さんも、選手がどんなプレーをするのか期待していると思う。ただ(この予選に)軽い試合はないと思っている。3〜4日前に行われたカンボジア対ラオスの試合も入手して、選手も勝利を探すための準備をしている。

──欧州組が加わってあまり時間はないが、起用方法と布陣、そして崩しのイメージを教えてほしい。

 欧州組には時差と移動の疲労がある。ただ、時差ボケ解消のためのさまざまなことを試している。今日の夜に疲労しているか、あるいはどこまでいけるのか確認して(明日のメンバーを)決める。選手のことは信頼しているので、彼らから責任ある返答があれば決断できる。今日の朝のミーティングで、ある程度の試合の説明はしたが、選手たちの目を見て準備がしっかりできていると思った。全員がプレーをしたいという気持ちが伝わってきた。

 今日の夜は、個人とグループのミーティングをする。そこでもどのような状態なのか質問するが、誰も疲れていないことを期待している。われわれの攻撃の方法において、特に確固たる決意とアグレッシブさを期待している。昨日は6〜7つのソリューションを提示した。シンガポール戦でも美しいプレーがあったが、最後に決定的に仕留めるところが足りていなかった。合宿ではいつもやっているが、練習の最後にポジションごとにゴール前で(シュートの)練習をして、自信をもって(練習を)終えるということをやっている。それもまた、彼らを勇気づけていることだと思っている。常に彼らの後ろで、サポートと勇気づけをしている。私もゴールゲッターだったので、どのような言葉が(選手を)勇気づけるかは心得ている。自分たちがゴールをするクオリティーがあることを思い出しながらやってほしい。

いくつかのソリューションを提示した

会見で、ハリルホジッチ監督は勝利の重要性を繰り返し語った 【スポーツナビ】

──本田圭佑はクラブでトップ下をやっているが、代表では右サイド。香川真司もトップ下をやっているが、彼らとの共存についてどう考えるか?(元川悦子/フリーランス)

 昨日、本田と香川は一緒にプレーをしたが疑問なくできているし、彼らは欧州でも強豪と呼ばれるクラブでやっている。2人とも良いパフォーマンスで練習してくれていた。香川は昨シーズンよりも良い。2人は個人個人で話をしたが、彼らはいずれも良い選手で、攻撃面ではリーダーとなることを期待しているし、FWの後ろでしっかりとプレーしてくれている。2人が同時に同じポジションでプレーすることはできないが、ポジションチェンジは可能だ。明日の試合でも、彼らは自分のプレーをしっかり理解しているし、かなりモチベーションが高いので、良いプレーを見せてくれると思う。

──明日の試合は1−0でも勝てば満足か、それともより多くの得点を望むのか?

 勝つことを要求する。10点取れれば問題ないが、そんなに選手にはプレッシャーをかけたくはない。勝利すれば自信もつくし、喜びも湧くだろう。シンガポール戦から2カ月が経ったが、いろいろな人から同じ質問を受けたし、私自身もシンガポールになぜ引き分けたか、ずっと考えてきた。選手はもっとやれたと思っているし、私はさらにもっとやれると思っている。そのために、選手には疑問なしで勝ちにいこうと話をした。われわれが期待しているのは、スペクタクルな試合とゴールだ。それに明日は、今年の国内最後の代表戦だ。前回、観客の皆さんはとても良い雰囲気を作ってくれた。選手には勝つこと、すべての意思とやる気をゴールに傾けてくれと要求した。美しい勝利で国内最後の試合を終えようと話をした。

──点を取るために6〜7の解決方法ということだが、ピッチ上でのプレーは基本的に選手に委ねられている。日本人選手は、柔軟に戦うこととや展開を見ながら戦術を選ぶということが苦手だが、判断力や柔軟性で選手に期待することは?

 先ほどの6〜7の解決方法についてだが、選手でも監督でもなく試合の状況が決める。シンガポール戦のアクションを見て、突破するためのアイデアを彼らに付け加えた。例えば中盤はミドルシュートをほとんど打っていない。ダイレクトプレーについても、ダイアゴナル(斜めの動き)なのか、それとも背後を直接狙うのか。そういったことがシンガポール戦では使えていなかったので、いくつかのソリューションを提示した。そして前へのビルドアップというところでは、相手もいるのでそれぞれ違うアクションが必要になる。インディビデュアル(個人)なのかコレクティブ(集団)なのか、それらはさまざまな状況による。そういったことを彼らに提案した。FKやPKがなぜないのかという話もした。

 明日も先制点はそう簡単には入らない。もし早く入れば、おそらく試合の考え方がまったく違ったものになる。攻撃に関しては、私がこちらに来てからいろいろな要求をしてきたが、プレーを素早く、ワンタッチ、ボールをインターバル(相手の間)に入れる、3人目や4人目を使う、逆サイドを突く、16メートルに入っていく、最後は冷静にゴールを決める、そういったことを要求している。私たちのプレーはまだ理想とは遠いが、それでも選手は素晴らしいプレーをしてくれて、最後の部分での決意や冷静さが足りなかった。私の現役時代の話も付け加えて選手たちには自信を失うなと話してきた。もちろん(リオネル・)メッシや(クリアスティアーノ・)ロナウドのように、全員を突破してゴールすることも反対はしない。何人かの選手には、少し修正したら伸びるという話もした。特に第1ライン、第2ラインの選手だ。中盤の選手にはミドルシュートを打っていこうという話をした。

※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント