19歳・西岡がグランドスラム初勝利 同世代の活躍が刺激「100位以内入る」

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成長を物語るセットオールでの勝利

19歳の西岡良仁がフランスのマチューに勝利し、グランドスラム初勝利を手にした 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 テニスのグランドスラム最終戦、全米オープン第2日が現地時間1日、米国・ニューヨークで行われ、昨年に続いて予選を勝ち上がった西岡良仁(ヨネックス)は、同じ予選上がりながら、かつて世界ランク12位まで上がったポール・アンリ・マチュー(フランス)を3時間22分のフルセットで破り、グランドスラム初勝利を手にした。

 きつい直射日光の下、西岡のしたたかな戦術が光った。セットオールで迎えた第3セット、タイブレークで4本のセットポイントをつかみながらかわされ、セットを奪われた。

「第3セットは取れたセットだったけれど、相手が33歳ということを考えて、試合が長引けば自分に有利になると言い聞かせながら頑張りました」

 好調なサーブ、正確なストロークで相手を十分に動かし、第4セットを6−1、第5セットを6−2で奪い返し、鮮やかな逆転勝利。昨年は1回戦で途中棄権しているが、生まれて初めての5セットを冷静に進め、1年間の成長を物語った。相手の下調べも十分。デビスカップ日本代表の植田実監督がマチューの動画を持っていたのは偶然で、マチューの予選最終戦が、大会後のデビス杯ワールドグループのプレーオフで対戦するコロンビアのアレハンドロ・ファージャだった。しかも、ファージャは西岡と同じ左利き。相手がクロスコートを中心に打ってくるという読みも当たった。

盛田ファンドで米国修行

強気の攻撃テニスで体格差を克服。同世代の活躍にも刺激を受けている 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 錦織圭(日清食品)と同じ、盛田正明さんのジュニア育成ファンドの支援を受け、米国・フロリダのキャンプで修業してきた。身長170センチという小柄な体格ながら、そのハンディを強気の攻撃テニスで乗り越え、今年は5月の全仏オープンに次いで2度目のグランドスラム本戦入り。そして今回、念願の初勝利を飾った。

 ジュニア時代にはラケットを投げつけるなど気短な態度が目立ったが、そんな“荒くれ”な部分も影を潜め、大人になったと自己分析する。2年連続で予選をクリアし、ツアーでの自信が後押ししているのだろう。

「19歳ですが、置いていかれている感じがあります。早く100位以内に入りたい」

 現在の西岡の世界ランキングは128位(8月31日時点)だが、クロアチアのボルナ・コリッチ(18歳=33位)、オーストラリアのタナシ・コキナキス(19歳=71位)、ドイツのアレクサンデル・ツベレフ(18歳=82位)と同世代が活躍し、その流れが刺激になっている。

 次の相手は同じ左利きで第30シードのトマス・ベルッチ(ブラジル)。初戦で敗退した兄貴分の錦織の分まで期待を背負うが、緊張はないと自信たっぷりだ。

奈良は逆転で1回戦突破 男子上位勢は安泰

奈良くるみは逆転で3年連続1回戦突破 【Getty Images】

 その他の日本勢では、第27シードのアリーゼ・コルネ(フランス)と対戦した奈良くるみ(安藤証券)が、第1セットを奪われながらも、粘り強い攻撃を展開して逆転。全米では3年連続となる初戦突破を果たした。初出場の日比万葉(フリー)は、第16シードのサラ・エラーニ(イタリア)に0―6、1―6で敗退した。

 男子では第3シードのアンディ・マレー(英国)がニック・キルギオス(オーストラリア)を退け、第2シードのロジャー・フェデラー、第5シードのスタン・ワウリンカ(ともにスイス)、第6シードのトマシュ・ベルディヒ(チェコ)ら上位勢は安泰で、2回戦に進んだ。

 女子では第2シードのシモーナ・ハレップ(ルーマニア)、優勝候補の一角であるビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)らが勝ち上がったのに対し、第6シードで全仏オープンの準優勝者ルーシー・サファロバ(チェコ)は姿を消した。

文:武田薫
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