六本木でフォーミュラEカーがデモ走行
公道レース開催へ歴史的一歩に

徐行走行ながら沿道からは大歓声

六本木けやき坂で行われたデモラン。近隣で行われた祭り、盆踊り目当ての人々もフォーミュラカーの走りを楽しんだ
六本木けやき坂で行われたデモラン。近隣で行われた祭り、盆踊り目当ての人々もフォーミュラカーの走りを楽しんだ【田口浩次】

 世界初の電気自動車によるフォーミュラカーレース『フォーミュラE』。そのフォーミュラEによる日本初の公道デモランが、東京・六本木ヒルズの敷地内にある六本木けやき坂通りで実施された。これは、六本木ヒルズ自治会、森ビルが主催する「六本木ヒルズ盆踊り2015」イベント内のスペシャルコンテンツとして準備され、お祭りと盆踊りを目当てにやってきた多くの人があふれる中、フォーミュラカーがさっそうと現れた。突然の走行に誰もが驚き、安全を重視した徐行走行にもかかわらず、沿道から大きな歓声が上がった。

初走行の様子

(映像提供:テレビ朝日)

多くの人にフォーミュラEを知ってもらうチャンスに

 今回、東京・六本木という、まさに都心のど真ん中で道路を閉鎖して行われたデモラン。そのドライバーという重要な役割を担ったのは、フォーミュラEの2014−15シーズン最終戦ロンドン大会に出場した山本左近だった。デモランに先立ち、12時30分、準備のために会場入りした山本左近にデモランの意義を聞いた。


「ここ六本木けやき坂通りは、僕も何度も歩いたことがあるし、クルマでも通ったことがある場所です。そこを、フォーミュラカーで走る。しかも、お祭りや盆踊りに来た人たちに対して、こんなスポーツがある、こんなクルマが走っている、ということを知ってもらい、興味を持ってもらうチャンスがあることこそ、一番価値があることじゃないかと思います。今回、公道を走行するという許可を取るためには、本当にさまざまな苦労があったと思うのですが、日本で公道レースを開催したい、フォーミュラEを誘致したいという、たくさんの方々の熱意が、今回のイベント実現につながったのだと思います」と答えてくれた。


 今回、走行したマシンはSRT−01E。パワートレイン全体の監修はルノーが担当し、シャシーはダラーラ製、パワーユニットはマクラーレン・エレクトロニック・システムズ、バッテリーはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、ギアボックスはヒューランド、そしてタイヤは全天候型のミシュランという構成だ。


 14時40分、ゲストスピーチに登場したのは、フォーミュラEホールディングスCEOのアレハンドロ・アガグ氏、自民党モータースポーツ振興議員連盟会長の古屋圭司・衆院議員、そしてチームアグリ代表の鈴木亜久里氏の3名。古屋議員は日本での公道レース開催を目指し、「自動車モータースポーツの振興に関する法律」の成立に向けて活動している。このデモラン走行は、今後の日本における公道レース開催のドアを開ける歴史的イベントになったと言えるだろう。

元F1関係者も多数来場

ブリヂストンからフェラーリへと渡り歩いた浜島裕英氏はエンジニアたちにマシンについて数々の質問をしていた
ブリヂストンからフェラーリへと渡り歩いた浜島裕英氏はエンジニアたちにマシンについて数々の質問をしていた【田口浩次】

 この歴史的イベントを幸運にも見ることができた人の中には、現在F1コメンテーターで、ブリヂストンからフェラーリへと渡り歩いた浜島裕英氏もいた。フォーミュラEの世界には元F1関係者も多く、旧友を温めつつ、フォーミュラEのマシンにも非常に興味を示していた。


「マシンはテレビなどで見るより、ずっとしっかりしていますね。そして何より、公道を実際に走るというコンセプトは素晴らしいと思います。これをきっかけに、モータースポーツがもっと幅広い世代に認知されたらいいですね。このEV(電気自動車)というジャンルは今後も技術革新が進むと思うので、これからは技術部分の自由をどう扱っていくかが重要ですね。競争があればコストも増える。そこをどうコントロールできるか。せっかく多くの人に見てもらうことができるレースなので、良い形で成長していただきたいと思います」


 今回のデモランにより、日本でも公道レースの可能性が高まっていることを実際に体感することができた。次は本当に東京の街中をレースするフォーミュラEの姿を見ることになるかもしれない。

田口浩次

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