日本ハム近藤の目標は“勝てる捕手”
パ打率3位の強打は魅力も送球に課題

前半戦のマスク経験が打撃の精度上げる

リーグ3位の打率3割3分と好成績を残す近藤。チームの主軸として欠かせない存在になりつつある
リーグ3位の打率3割3分と好成績を残す近藤。チームの主軸として欠かせない存在になりつつある【写真は共同】

 昨今、球界全体で「打てる捕手」の不足がささやかれている。高度化する戦術の中で捕手の仕事量が増え、リード面で労力を割かれる。さらに球際のプレーも多く、肉体的にもハードでケガのリスクも高いというのが主な理由だろう。


 しかし、その厳しい状況の中で、「打てる捕手」の可能性を秘めた男が、北海道日本ハムのプロ4年目、22歳の近藤健介だ。7月26日の埼玉西武戦で規定打席に到達。パ・リーグ打率ランキングで西武・秋山翔吾、福岡ソフトバンク・柳田悠岐に次ぐ3位となる打率3割3分をマークしている(8月10日現在)。


 そのバッティングへの評価は非常に高く、昨年11月に行われた21Uワールドカップでは、各球団の若手有望株が顔をそろえる中、決勝までの全8試合で「4番・一塁」として先発出場。今シーズンは開幕からコンスタントにヒットを積み重ね、4月を打率2割8分6厘で終えると、5月は3割6分4厘、6月は打率3割2分5厘、さらに7月は打率3割7分5厘と3割超えの月間打率をマークし、好調を維持している。


「昨年より力みがなくなった。しっかりバットが振れていることと、自分の形で打つべきボールを打てている」と近藤は好調の理由を説明する。大野奨太、市川友也のケガもあって、今季は開幕から6月末まで継続してスタメンマスク(51試合)をかぶり、その中で配球を読み、狙い球を“ひと振り”で仕留めるすべを心得た。それによるバッティングの精度向上が、今の好成績につながっている。

大きな弱点である送球難

 打撃好調の近藤だが、捕手としては送球難の問題がいまだに付きまとう。長い距離の送球は問題ないが、短い距離ではコントロールが安定しない、「イップス」のような症状を昨季から抱えている。


 開幕2戦目、東北楽天との試合でいきなり4盗塁を許し、二塁への送球が一塁方向に逸れるという弱点を露呈。その後も送球は安定せず、他球団の積極的な盗塁策にあった。盗塁阻止は投手との共同作業ではあるが、今季の「捕手・近藤」の盗塁阻止率は1割8分。他球団の正捕手陣が阻止率3割台を並べる中、唯一の1割台で、7月からは指名打者として出場し、正捕手の座を経験値の高い大野に譲った。


 しかし、決して近藤が捕手として失格というわけではない。特にリード面に対して首脳陣からの評価は高く、投手陣も「(近藤の)リードに助けられた」と試合後に口をそろえる場面が多くあった。現に、開幕ダッシュから首位戦線を走り続けることができていたのも、近藤と投手陣との間に厚い信頼があったからこそである。


 当の本人も、決して「捕手」をあきらめてはいない。それは、普段の練習の姿勢を見ても一目瞭然。トレーナーと入念にスローイングの練習を繰り返す姿や、経験豊富な中嶋聡選手兼任コーチと付きっ切りで送球練習を行うなど、正捕手再奪取を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。もともとチームトップレベルの練習量を誇り、ひた向きに弱点克服に取り組む姿勢は、今後への大きな期待を抱かせる。

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