低迷レッドソックスに未来はあるか 問われる責任、迫る転換期
首位ヤンキースとの寂しいシリーズ
昨年世界一のジャイアンツから鳴り物入りで加入したサンドバルだが、不振にあえぐ。補強にも失敗し、レッドソックスは最下位から抜け出せずにいる 【Getty Images】
“伝統のカード”の呼称も今は昔。ヤンキースはア・リーグ東地区の首位を快走しているが、再び最下位に沈むレッドソックスの低迷が真夏の夜のエキサイトメントを奪ってしまった。トレード期限に大補強を敢行したブルージェイズとヤンキースの対戦の方がむしろ話題になっているのだから、ライバル対決の往年の盛り上がりを知る者には寂しい限りである。
「ファンのために毎日勝利を目指してプレーする義務がある。その一方で、私たちは来年以降もこのチームでプレーするだろう選手たちの情報を得ていかなければらない。ベテラン、若手のどちらも同じこと。まずは守備面を向上させることがプライオリティーなんだ」
ヤンキースとのシリーズ中には、ジョン・ファレル監督も将来を見据えた再建の真っただ中にいることを認める、そんなコメントを残していた。6日の試合を1対2で終えた時点で48勝61敗、ワイルドカードまで9.5ゲーム差。こんな状態では、現実的な路線を行くより仕方ないのだろう。
優勝候補に推されるも……補強選手の誤算
しかし……ふたを開けてみれば、今季のチームを支えるはずだった補強選手たちの大半は失敗に終わっている。
オフにタイガースとのトレードで獲得した後、4年8250万ドル(約103億円)の新契約を与えたポーセロは防御率5.81と極度の不振。4年8800万ドル(約110億円)で獲得したラミレスも打率は2割6分に過ぎず、レフトの守備の拙さが盛んに指摘されている。
5年9500万ドル(約119億円)の契約を結んだスイッチヒッターのパブロ・サンドバルは右打席では41打数2安打と苦しみ、左打席に専念してしまう始末。昨夏に7年7250万ドル(約90億円)で手に入れたキューバ人のルスネイ・カスティーヨに関しては、依然としてレギュラーの座すらつかめていない。