宇野薫、2回TKO負けで2連敗 のび太は一本勝ちでフライ級王座初防衛=修斗

長谷川亮

大澤にKO負けを喫した宇野薫。2連敗で王座戦線から後退 【長谷川亮】

「プロフェッショナル修斗公式戦」が26日、東京・後楽園ホールで開催された。第9試合には40歳を迎えたレジェンド・宇野薫が登場。6連勝の後、今年1月に臨んだ環太平洋ライト級タイトルマッチで敗れ戴冠ならなかった宇野だが、ベルトを目指し再始動。レスリングでの技術と実績を武器に、修斗でも王座を目指す大澤茂樹(現GRACHANフェザー級王者)と対戦した。

レジェンド撃破の大澤はベルト挑戦アピール

レジェンド宇野を撃破した大澤はタイトルマッチをアピール 【長谷川亮】

 1R、宇野の腰をクラッチしてのテイクダウン、大きく振り上げるアッパー、タックルのように足をタッチしてからのストレートと変則的なパンチを振るい、大澤が優位に進める。
 2R、宇野はボディーへの前蹴りを決め、大澤は途中で受けたローブローの影響もあったかやや失速気味となるが、宇野がタックルに来てもこれを切り、テイクダウンを許さない。そしてスタンドに戻り、宇野がロープ際に立ったところで左ストレート一閃(いっせん)。これを直撃された宇野は一瞬遅れて崩れ落ち、大澤が鉄槌(てっつい)で追撃に向かったところでレフェリーは試合をストップ(2R4分03秒、KO)。

 王座を目指し再び立ち上がった宇野だが2連敗となってしまい、逆に勝利した大澤は「何とかレジェンドの宇野さんを倒すことができたので、そろそろ修斗のベルトにも挑戦させてもらいたいと思います」とタイトルマッチをアピールした。

最年少戴冠を目指す澤田の夢を粉砕

一本勝ちで世界フライ級王座初防衛に成功した王者・内藤のび太 【長谷川亮】

 メインイベントは昨年9月、試合残り時間3秒での一本勝ちという劇的な形で王座を奪取した世界フライ級王者・内藤のび太の初防衛戦。1・2Rを圧倒されながら、驚異の粘りとスタミナで挽回し王者となったのび太が、修斗史上最年少の19歳で戴冠を目指す澤田龍人(りゅうと)と対戦した。

 17歳のプロデビュー時から強さを見せ異彩を放ってきた澤田は、開始からのび太のボディーに前蹴りを突き刺して効かせ、のび太がタックルに来ても頭を押さえて組みつかせず、そこからパンチを加えて圧勝の雰囲気を漂わせる。しかしここで諦めないのがのび太の真骨頂で、ラウンド後半には巻き込んでのスイープやタックルで澤田に尻餅をつかせと、徐々にのび太的戦いを発揮し始める。

 2Rになるとさらにそれは顕著となり、のび太は片足など少しでも澤田の体をつかめば、不利な体勢でもそこからジワジワと手繰り寄せ上のポジションを取ってしまう。
 グラウンドにおける混戦状態で滅法強さを見せるのび太は、3・4Rも最終的には上を取って澤田を削っていき、最後は背後に付かれた澤田が正面を向いてきたところをとらえて肩固め。逃れんとした澤田だが長く捕まり身動きできず、最後はタップしてのび太が今回も一本勝ちで王座初防衛を果たした。

ドラえもん、ジャイアンものび太に声援!?

ドラえもんの声優である水田わさびさん、ジャイアン役の木村昴さんも観戦に訪れのび太の戦いに声援 【長谷川亮】

 試合後のび太は「自分なんて生きてても死んでもどっちでもいいと思っていたんですけど、去年の9月に言って宙ぶらりんになっている、砂辺さんと戦おうと思ってるのでよろしくお願いします」と昨年9月と同様に、パンクラス・フライ級王者である砂辺光久との対戦を再アピールした。

 なお、この日はアニメ『ドラえもん』でドラえもんの声優である水田わさびさん、ジャイアン役の木村昴さんも観戦に訪れ、のび太の戦いに声援を送った。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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