セリーナ、メジャー4連勝で21勝目 得意の全米でグラフの記録に挑戦
21歳の新鋭ムグルザを破り、通算21度目のメジャー大会制覇を達成したセリーナ 【Getty Images】
セリーナのグランドスラム優勝は昨年の全米、今年の全豪、全仏に続く4大会連続で、メジャー通算優勝回数は21回になり、シュテフィ・グラフが持つ22回の記録にあと1勝と迫った。8月末からの全米オープン(米国・ニューヨーク)で、通算記録とともに、やはりグラフ以来となる年間グランドスラム達成を目指す。
セリーナでも緊張でしびれる大舞台
セリーナのサーブで始まった第1セットの第1ゲーム、いきなりダブルフォルト。ポンポンとウィナーを決めて40−15まで行きながら、ダブルフォルトでデュース。そのデュースを4度重ね、セリーナが3本のブレークポイントをかわすまでは達観していた大観衆が、4本目にブレークされるのを見てがぜん、疑心暗鬼になった。セリーナはリターンでもずぬけた能力を持っているが、ムグルザはリスキーなサーブ、ショットで攻め込んで、なかなかブレークバックを許さない。
振り返れば、ムグルザにとって惜しかったのは2−0でリードしていた第3ゲームだろう。0−30からチャンスを広げられなかったが、ここで一気に4−0まで持って行けば、別な展開があったかもしれない。この大会は、挑戦者らしい攻撃と粘りで3試合のフルセットを勝ち抜いてきた。その姿勢はこの日の決勝も変わらず、第6ゲーム、15−40の窮地からウィナーを4本続けて決め、サービスゲームを死守している。昨年の全仏2回戦で、クレーコートだったとはいえ、セリーナを倒したことのある自信が後押ししていた。しかし、そこからセリーナの本気がコート内に破裂するようになる。
必死に追いすがるも限界だったムグルザ
セリーナでさえ緊張する決勝の舞台だ。ましてそのセリーナを向こうに回した21歳にのしかかる重圧は想像を超えるものだっただろう。ムグルザは、ベースライン深くにたたき込まれる重いボールを必死に打ち返し、すきを見ては反撃に転じて女王を慌てさせた。
第2セットの流れは、とりあえず一方的だった。セリーナは第3ゲームにも連続ダブルフォルトをおかしたものの、連続エースで処理するところまで自信を回復させ、第4ゲームから12ポイント連続で奪って一気に5−1まで持ち込んでしまう。
それでも、ムグルザの攻撃的な姿勢がプレッシャーになっていた。第7ゲームでブレークバックを許し、第9ゲームではマッチポイントまで握りながらブレークされ、観客が大喜びする嫌な雰囲気で5−4と追いつかれてしまった……。
ただ、グランドスラムでの経験がベスト8までだった新鋭には、心身ともに限界だった。第10ゲーム、崩れるようにラブゲームでブレークされてラケットを置いた。
万全な優勝でなくとも勝ち続ける
それでも、そこからビーナス・ウィリアムズ(米国)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、マリア・シャラポワ(ロシア)という、3人のグランドスラム優勝者の挑戦を退け、今のずば抜けた実力を示した。次のメジャー大会は、最も得意とするハードコートの全米オープン。あらゆる記録を塗り替える勢いである。
(文:武田薫)
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