全勝の大学侍ジャパンに一切の油断なし ユニバ金「三度目の正直」へ視界良好
韓国戦では北村(右)の隙を突いた走塁から先制。ここから攻撃に火がつき、日本は予選3試合で大量27得点を挙げた 【写真は共同】
日本らしい野球で予選リーグを全勝通過
予選プールA組に入った日本は、開幕戦で地元・韓国に8−0で快勝すると、中国に9−0(5回降雨コールド)、フランスに10−0(7回コールド)と、3試合21回で27得点、無失点、無失策と他の3カ国を攻守で圧倒した。
その大きな要因は、善波達也監督(明治大監督)が常々口にしてきた「どんな状況でもベストを尽くせる選手を選びました」との期待に違わぬプレーを選手たちが見せていることだろう。
6日の韓国戦。日本は3回まで毎回得点圏に走者を送りながらも、無得点に終わる歯がゆい展開だったが、その嫌な流れを変えたのが、相手の隙を突いた走塁だった。
4回表2死一塁から坂本誠志郎(明治大)のレフト前安打で、一塁走者の北村祥治(亜細亜大)が「相手レフトが深い位置を取っていましたし、打球も死んでいたので」と一気に三塁へ進塁。この間に坂本も二塁へ進むと、佐藤拓也(立教大)の内野安打では、二塁走者の坂本もホームを陥れ、2点を先制。以降、試合を優位に進めた。
また、中国戦とフランス戦は、日本国内の試合では中止になるのは確実なほどの激しい雨の中での試合だった。だが、試合前にシートノックも行えない中、守備の要である遊撃手の柴田竜拓内野手(国学院大)を中心に固い守りを見せ無失策。投手も無四球とテンポの良い投球で、攻撃に流れを呼び込み、大勝した。打線も3番を打つ高山俊(明治大)が本調子ではないが、10打数5安打の1番・佐藤拓也(立教大)を筆頭におおむね好調をキープ。格下の投手陣相手でも大振りすることなく、コンパクトなスイングが徹底されている。
最大のライバルは米国破った台湾か
米国は今回、全米選抜ではなく、カリフォルニア州立大学フラトン校の単独チームで出場している(全米選抜はパンアメリカ大会に出場中)。結束力は感じられるが、長打力がある打者はおらず、投手も多くが140キロ台前半の球を制球良く投げるタイプで、海外チーム特有の怖さはほとんどないと言っていい。1番を打つ俊足のバルガスを塁に出さなければ、さほど苦労する展開にはならないと思われる。