姉に勝利し自信を取り戻したセリーナ 26度目の姉妹対決は妹に軍配

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26度目のウィリアムズ姉妹対決は妹セリーナ(左)に軍配が上がった 【Getty Images】

 6日に行われたテニスのウィンブルドン選手権、女子シングルス4回戦。この日注目されたのは、セリーナとビーナスの「ウィリアムズ姉妹」対決だった。

 姉妹対決はこれが26度目で、妹のセリーナ・ウィリアムズ(米国)の14勝11敗。ウィンブルドンでの5度の対戦(4度が決勝)は3勝2敗、グランドスラムでは通算13度目で過去7勝5敗と、いずれもセリーナが姉ビーナス・ウィリアムズ(米国)を凌駕(りょうが)してきた。

 ビーナスが好調とはいえ、35歳。故障も続いて往年のパワーは影を潜め、年間グランドスラムの記録が懸かったセリーナの戦いぶりが注目された。

意地を見せた姉ビーナス

 この試合では、セリーナののびのびしたプレーが印象的だった。3回戦で地元選手に見せたあたふたとした姿は影も形もなく、女王らしい強烈なサーブ、自信にあふれたショットがセンターコートに集まった観客をうならせた。

 第1セット、いきなりラブゲームでブレークし、さらにラブゲームでサービスキープ。しかし、第4ゲーム、ビーナスが姉妹関係を忘れさせるような激しい打ち合いに出てブレークバックし、「セリーナ圧勝か?」という雰囲気を断ち切って、試合は白熱した。それでも、セリーナが6本のサービスエース、74%のファーストサービスから75%の高いポイント率でこのセットを奪った。

 第2セットに入ってからはビーナスが素晴らしい。セリーナのウィンブルドン5度の優勝に対し、ビーナスにも同じく5度優勝の意地がある。この日のセリーナは特にリターンゲームが良く、ベースラインへの深い返球で追い込んだが、それをビーナスが必死に守り、第6ゲームまでに3本のブレークポイントをかわして食い下がった。

 しかし、続く第7ゲームのデュース、セリーナのバックハンドのウィナーがクロスに決まって力尽きた。結局セリーナがこの試合を6−4、6−3のストレートで勝利した。

パワーヒッターの姉に勝った意味

「セリーナ・ウィリアムズはコートの外では妹でも、コートに出ればただの対戦相手」

 姉ビーナスの言葉はその通りだろう。その通りであることが、恐らく、いまの妹にとってはとても重要だった。セリーナは6月の全仏オープンから苦しい戦いを続けてきた。ウィンブルドンに入っても、3回戦は格下の相手にあと2ポイントの土壇場まで追い詰められるという不安定さを露呈。持てるパワーを再びショットに乗り移らせるためのカギは、何と言っても自信の回復にある。4回戦というタイミングで、手の内を知った相手、ツアーを代表するパワーヒッターに打ち勝つことは、2週目を勝ち上がっていく起爆剤になる。そのためにも、ビーナスは手加減などできなかったはずだ。

 セリーナは初物に弱いと言われるが、この先の流れを見れば、次の準々決勝の相手ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)との対戦成績は16勝3敗、準決勝で当たる可能性の高いマリア・シャラポワ(ロシア)とは17勝2敗で16連勝中。

 この日のビーナスとの真剣勝負は、セリーナ・スラム(特定の選手が過去1年間の全グランドスラムで優勝することを○○スラムと呼ぶ)から年間グランドスラムを狙う女王にとって、大きな意味を持つかもしれない。

(文:武田薫)

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