前回覇者クビトバ、まさかの3回戦敗退=ベテラン・ヤンコビッチの意地に屈する
前回覇者クビトバ(右)は、ベテランの意地を見せたヤンコビッチの前に敗れ、3回戦敗退となった 【Getty Images】
芝に有利とされる182センチの長身で左利きのクビトバ。今回は第2シードとして大会に臨み、1回戦でキキ・バーテン(オランダ)をわずか36分、2回戦では奈良くるみ(安藤証券)を58分で簡単に退けていた。
しかし、3回戦で戦ったヤンコビッチのベテランらしい落ち着いたプレーの前に屈する結果となった。
一方的な試合になるかと思われたが……
持ち前のパワーに芝への自信がたっぷり加わり、リターンもベースライン深くに決まって、第4ゲームを早々にブレーク。ここまでの対戦成績はクビトバの4勝2敗で、今年は2度の対戦でいずれもあっさりと勝っている。
畳み掛けるショットに付け入るスキがなく、そのまま6−3で先手を奪った。パワーヒッターは波に乗ったら手が付けられない。第2セットも、第3ゲームをブレークし、試合は一方的になるかと思われた。
しかしそこから、ヤンコビッチがこれまでにない集中力と忍耐を見せた。
ベテランの意気込みを示した勝利
第2セット中盤から、ヤンコビッチの集中力が高まってくる。第8ゲーム、相手のサービスゲームをダブルフォルト絡みでブレークチャンスをつかむと、2本目のポイントでバックハンドのリターンがベースライン深くに決まった。クビトバの武器、サーブへの自信が揺らいだところを狙いすました会心の一打だった。
自信はわずかな疑心で揺らぐもの。クビトバのファーストサーブの確率は、第1セットから66%→55%→50%と下降し、戦術そのものが狂い出していく。
第12ゲーム、セカンドサーブを入れにきたところをたたいてセットオール。ファイナルセットはお互いにサービスキープを繰り返しながら、第10ゲーム、ヤンコビッチが0−30から4連続ポイントを奪って逆転勝ちした。
クビトバはここまで2試合を1時間34分で通過し、ヤンコビッチは2試合ともフルセット、計4時間41分を戦ってきた。この大会に懸けたベテランの意気込みの勝利だった。
セリーナ・ウィリアムズ(米国)の「1強時代」を象徴するように、昨年の準優勝者ユージェニー・ブシャール(カナダ)、第3シードのシモーナ・ハレップ(ルーマニア)が早々に敗れ、トップ10シードからはセリーナ、マリア・シャラポワ(ロシア)、キャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、ルーシー・サファロバ(チェコ)の4人のみがベスト16入り。今年のウィンブルドン女子は、混沌(こんとん)の様相を呈してきた。
(文:武田薫)
◆◆◆ WOWOW番組情報(PR) ◆◆◆
■ウィンブルドンテニス
6月29日(月)〜7月13日(月)連日生中継 ※7月5日(日)除く
歴史と伝統のウィンブルドンテニス。現地の感動と興奮を連日生中継でお伝えする。
詳しくは、WOWOW TENNIS ONLINE(wowow.co.jp/tennis)へ。
http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ