本命セリーナが大慌て!? 辛勝で乗り切る 年間グランドスラムに「ネガティブ気分」
女子シングルスの大本命に挙げられるセリーナだが、3回戦では思わぬ苦戦を強いられた 【写真:ロイター/アフロ】
ウィンブルドン第5日、セリーナの相手は世界59位、23歳のヘザー・ワトソン(英国)。3年前に3回戦まで進んでいるが、グランドスラムではほぼ1、2回戦までの選手だった。初対戦とはいえ、気になるのは地元英国出身ということくらい。そうであっても、ウィンブルドン出場が16回、優勝が5回で準優勝2回というセリーナの経験の前には、あまり関係がないことのように見えたが……。
立ち上がりは快調も第2セットで異変
第1セットは6−2、25分で決着。舞台裏ではこの試合後に控えるクルム伊達公子(エステティックTBC)のペアと、マルチナ・ヒンギス(スイス)のペアが、女子ダブルス2回戦のために、いつでも入れる準備をしていたほどだった。第2セットも2−2まですんなりと進み、セリーナがそこまで6度のサービスゲームで与えたポイントは6ポイントのみ。ところが第5ゲームが「蟻(あり)の一穴」になった。
まずはセリーナのスマッシュがネットにかかり、次のポイントでワトソンのドロップショットが決まったことで、地元大観衆は期待に胸を膨らませた。30−30からのリターンエースでドーッと沸き、デュースに入って最初のブレークポイントでダブルフォルト。総立ちになって喜んだ地元ファンも、それほど大きな可能性を信じてはいなかっただろう。
最後は逆転も「女王らしからぬ試合」
「ウィンブルドンの会場でこんな騒ぎになったのは初めて。ポイント間だけでなく、プレー中も声が出ていたし、ブーイングなんか初めて聞いたわ」
セリーナは3週前の全仏オープンで優勝したが、風邪で体調を崩し、7試合のうち5試合でフルセットを強いられた。体調は戻っても、自信は完全には戻っていなかったのだろう。相手の緊張を手掛かりに3−3まで取り戻すが、第9ゲーム、バタバタしたプレーが続いてラブゲームで落とし、ワトソンにあと2ポイントまで追い詰められた。
最終的には逆転し、第11ゲームの4連続サービスウィナーはさすがだったが、マッチポイントを2本かわされ、最終セットは14本のブレークポイントを4本しか取れないという、女王らしからぬ試合ぶりだった。
次戦は姉のビーナスで憂鬱な気分
「これからは、(年間)グランドスラムといった質問には答えないわ。みんなが考えている以上にネガティブな気分なんだから」
勝ちはしたが、次の4回戦の相手は姉のビーナス・ウィリアムズ(米国)。憂鬱(ゆううつ)な気分にもなるだろう。もしセリーナが崩れたら……好天の続く大会は五里霧中だ。
そのほかの女子シングルスでは、第4シードのマリア・シャラポワ(ロシア)、第6シードのルーシー・サファロバ(チェコ)ら上位シード勢とともに、18歳のベリンダ・ベンチッチ(スイス)が好調に勝ち進んでいる。
男子ではノバック・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・ワウリンカ(スイス)が勝ち上がったが、第7シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は20歳のニック・キリオス(オーストラリア)に、第11シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)もリシャール・ガスケ(フランス)に敗れ、姿を消している。
(文:武田薫)
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