善波監督「投手のキーマンは田中正義」 ユニバ金を目指す侍J大学代表が会見

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ユニバーシアードが行われる韓国へ出発するのを前に会見した(左から)田中、坂本、善波監督、谷田 【スポーツナビ】

 韓国・光州で行われる第28回ユニバーシアード競技大会の野球競技(6日〜11日)に参加する野球日本代表「侍ジャパン」大学代表が1日、明治大学球場で出発前最後の記者会見を行った。会見には善波達也監督(明治大監督)、主将の坂本誠志郎(明治大)、エースとして期待される田中正義(創価大)、主軸の谷田成吾(慶應義塾大)が出席した。

 日本は、ユニバーシアードでいまだ金メダルを獲得していない。大学球界悲願である金メダル獲得のため、善波監督は、投手のキーマンに創価大・田中を指名。プロ野球の若手選手を中心としたNPB選抜と対戦した29日の壮行試合で、快投を演じた右腕に期待を寄せた。

 チームは2日に韓国へ出発、6日に1次リーグ初戦の韓国戦を迎える。
 
 以下は出席した善波監督と3選手のコメント。

善波監督「金メダルを必ずつかむ」

「自信を持って戦います」と意気込みを語る善波監督 【スポーツナビ】

背番号77 善波達也監督(明治大監督)

――強化合宿を終えた感想と手応えは?

 今日の試合(JX−ENEOSとのオープン戦)は、残念ながら雨で流れてしまいましたが、昨日までにポジション・打順を変えながら、戦い方を試せたと思います。投手も先週の合宿から2回りくらい投げることができました。状態を上げながら韓国に行けます。

――集合してから選手たちに表情に変化はありましたか?

 NPBとの壮行試合をした頃から、締まったいい緊張感の中でゲームをしています。いよいよ本番モードに入ってきた感じです。

――どのような言葉で選手を鼓舞したのでしょうか?

 全力でプレーしているのか、チームに役立つための向上心があるか、などを見ていました。選手たちには気持ちのあるプレー、責任感を持ったプレーを心掛けてもらいたいと強く伝えています。

――大会におけるキーマンは?

 投手は田中です。坂本が選手を束ねてくれるので、この2人はキーになる。攻撃で谷田が一番遠くまで飛ばす力があるので、価値のある1本を放ってほしい。

――1995年の福岡大会以来、20年ぶりにユニバーシアードで野球が実施されることへの思いは?

 これまで世界大会で、大学代表は金メダルを取れていないので、今までの先輩方の取り組んできた気持ちを背負って戦いたい。「金メダルを取りたい」ではなく、「金メダル必ずつかむ」つもりで戦います。これだけのメンバーをそろえ、NPBから協力もあり、いい状態で大会に臨めるので、自信を持って戦います。

主将・坂本「縦の変化、緩いボールを生かす」

主将としてチームを引っ張る明治大・坂本 【スポーツナビ】

背番号10 捕手 坂本誠志郎(明治大)

――大学でも主将を務めているが、代表の主将の違いは?

 代表チームに集まる選手は、自分のチームではエース、4番などの中心選手ばかりです。個人個人では自分のやりたいこと、できることに偏りがちになってしまいますが、普段は4番であっても自己犠牲をすること、普段はエースでもいつでも投げられる状況を作らないといけません。自分のチームと違う役割、立場になっても、いかにチームのために貢献できるかを選手同士で話して、考えるように意識しています。

――チーム作りの手応えは?

 チームは「自分のやらなければいけないこと」を徹底しようとしている選手ばかりです。慣れないことがたくさんあるので、できる、できないはありますが、やろうとしている型は見えています。

――普段から指導を受ける善波監督が代表監督だが、やりやすさは?

 自分が思っていることを伝えやすい立場にいます。逆に監督も、自分には話しやすいので、他の選手には伝えにくいことでも、自分を経由して言うこともできています。今までにない、細かい部分での情報共有は常にできていると思います。

――日の丸、主将としてのプレッシャーをはねのけるために心掛けていることは?

 代表で日の丸を背負って、キャプテンとしてプレーすることは、誰もができることではない。指名していただいたので、責任感と自覚は今まで以上に感じています。それをチームに浸透させて、一番泥臭くやっていかなければいけない。この合宿、壮行試合を通じて、自分がやらなければいけないという自覚はさらに深まったので、チームに還元していきたい。

――普段と違う仲間が集まったことで新しい発見は?

 (東京)六大学で対戦する選手、それ以外のリーグで対戦する選手もたくさんいる。今までにないものを感じられ、今までに感じたものを確かめられる場になりました。自分の成長にもつながると思います。代表として、チームの勝ちにつなげるようにしなければいけないと思います。

――壮行試合を得たものは?

 大観衆の前でレベルの高い勝負をするにあたって、緊張感は今まで以上のものが出ました。実際に「感覚的にもっとやらないといけない」「もっとできる」という感触をもった選手がいたと思うので、それを力に変えていけるような取り組みをできています。満足することなく、韓国に行ってもチームとして力を上げていければいいです。

――初戦の韓国戦が重要な試合になるが、どのようなリードをする?

 どういう展開になるか、誰が行く(登板する)かはまだ分からないです。国際大会でリーグが分かれているとはいえ、1試合、1試合が大切になってくると思います。投手の良い球、得意な球を中心に考えていきます。国際大会では縦の変化、緩いボールが有効であると感じているので、そのボールが中心になると思います。田中であれば、ストレートは魅力なので、そのボールを生かしていくという使い方になると思います。

――大会の目標と意気込みは?

 どんな形であれ、最後に優勝して金メダルを持って帰ることができれば、何があってもいいと思っています。そのために、自分がチームのためにできることは何でもする。帰ってきて、良い報告をしたい。

(次ページは、創価大・田中と慶應義塾大・谷田のコメント)

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