明暗分かれた奈良と土居の1回戦 ふくらはぎ痛の錦織は軽めの練習

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錦織、軽い打ち合いで感触を確認

前日、3時間22分の熱戦を繰り広げた錦織は、軽い調整で2回戦に備えた(写真は27日の練習時のもの) 【Getty Images】

 テニスのウィンブルドン、第2日は雲一つない快晴。気温も上がり、女子に適用される暑さ対策の〈ヒートポリシー〉が6年ぶりに発令された。気温が30.1度を超えた場合、第2セットと第3セットの間に10分間の休憩を取れるというもの。ウィンブルドンには雨が付き物だったが、今年の大会期間中は好天に恵まれる予報だ。

 前日、3時間22分のフルセットを戦った錦織圭(日清食品)は、痛めている左ふくらはぎに簡単なテーピングを施して午後2時から30分間の練習。前後左右の動きは取り入れず、感触を確認するようにダンテ・ボッティーニ・コーチと軽く打ち合って早めに切り上げた。1日にダブルス初戦に臨むクルム伊達公子(エステティックTBC)とパートナーのフランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)との練習後に、錦織は空いたコートを譲り受けて追加練習に汗を流していた。関係者によれば、錦織の筋膜炎は、いわゆる肉離れの前段階。筋肉断裂では動けないが、1回戦では前後左右に動けていた。本人の言葉通り、それほど重症ではなく、この日の練習も安静を取ったものだろう。

 第2日の日本勢男子は、昨年に続いて予選を勝ち上がった杉田祐一(三菱電機)が世界ランク107位のブラス・カブチッチ(スロベニア)と対戦。よく動いて互角に勝負を進めたが、カブチッチは片手打ちバックハンドからのスライスが良く、ポイントで攻めきれずストレート負けした。

「ビッグポイントで良くない癖が出た。チャレンジャーでポイントを稼ぐ方法もありますが、これからはツアーをメインに挑戦していきたい。予選なしのストレートインになれば楽になるが、上でプレーするためにはツアーで存在感を示さないといけない」とさらなる飛躍に意欲を見せた杉田。東北出身の選手では唯一のグランドスラム出場者。奮起を期待したい。

奈良、粘り強い攻めが勝利につながる

2年連続で2回戦進出を決めた奈良 【写真は共同】

 一方、第1試合に登場した女子2人は明暗を分けた。世界ランキング57位の奈良くるみ(安藤証券)は、同97位と格下のマグダ・リネット(ポーランド)と対戦。リネッテの強烈なサーブとリスキーなショットに第1セットを奪われた。それでも奈良らしく、気持ちを切り替えて第2セットを取り戻し、流れを変えた。

 ファイナルセットも先にブレークされながら粘り強く攻め、結果的に勝利につながった。第6ゲームをブレークバックした後の第8ゲーム途中、リネッテが左太ももを痛めて泣きながらの棄権。奈良は2年連続3度目の2回戦進出で、次は昨年の優勝者、ペトラ・クビトバ(チェコ)に挑戦する。昨年のこの大会はビーナス・ウィリアムズ(米国)、今年の全豪オープンではアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)と、強豪との対戦が続いている。

 奈良は試合後に「今日は、相手に気の毒な終り方をして、勝った気がしません。グランドスラムでトップと戦えるのは勉強になるので、自分のプレーを出せるようチャレンジしたい」とコメント。相手の途中棄権での勝ち上がりに満足しない様子を見せた。

 一方の土居美咲(ミキハウス)は立ち上がり、左からの小気味のいいショットで積極的に攻め、第17シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を追い込んだ。第1セットはウィナー15本を打ち込み、ブレークチャンスをしっかり抑えて6−3で先行。

 第2セットも、相手のサーブの乱れに乗じて2−0とリードしてからの第3ゲームも、30−0まで行った。そこからブレークバックされてリズムが狂う。3セットの短期勝負の女子の場合、1ポイントで流れがガラリと変わることがある。第6ゲームから8ゲーム連取を許し、悔しい逆転負けになった。

「アグレッシブに試合に入ることができたけれど、大事な場面でナーバスになって脚が届かず、ショットの精度に欠けた。自分のレベルは全体的に上がっていると感じているし、もっと上に行けるイメージもあるので、残念です」と逆転負けした悔しさをにじませた。

海外勢は女子に波乱

 海外勢の男子は、第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)、第3シードのアンディ・マレー(イギリス)、第10シードのラファエル・ナダル(スペイン)ら上位勢が順調に発進したが、女子は波乱があった。昨年準優勝のユージェニー・ブシャール(カナダ)が中国の予選上がり、ドゥアン・インイン(中国)にストレート負け。全仏オープンに次ぐ1回戦負けで、今シーズン7度目の初戦敗退だった。また第3シードのシモナ・ハレップ(ルーマニア)は世界ランキング95位のヤナ・セペロバ(スロバキア)に敗れた。ハレップも全仏では2回戦敗退だった。

 第3日は、錦織がセンターコートの2試合目に登場する。

(文:武田薫)

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