井上弟・拓真がプロ5戦目で東洋挑戦=7月のボクシング見どころ
キャリア抱負なサウスポーが相手
キャリア8戦目で2階級を制した兄・尚弥と同じプロ5戦目でOPBF東洋太平洋王座を狙う井上拓真 【船橋真二郎】
ヘラルドは23歳にして、拓真の4倍近い39戦の戦歴を誇るサウスポーの好戦的なファイター。昨年12月には、敵地でIBF挑戦者決定戦に出場し、現IBF1位のマックジョー・アローヨ(プエルトリコ)に判定で敗れるなど、中身の濃いキャリアを積んでいる。ちなみに7月18日に米国で空位のIBF王座をアローヨと争う27戦全勝の強豪アーサー・ビラヌエバ(フィリピン)とも、過去に対戦している。来日経験もあり、2013年4月には世界挑戦経験を持つ向井寛史(六島)に2回KOで圧勝。当時WBO2位の実力を遺憾なく発揮した。
ライバル田中恒成に追いつけるか!?
高校時代のライバル田中恒成が5戦目で世界王座獲得。刺激を受けた拓真は「チャンスがあればKOを狙いたい」と気合十分 【写真は共同】
5月30日には高校時代のライバルで、5度対戦した(2勝3敗)田中恒成(畑中)が兄の6戦目を抜く5戦目でWBO世界ミニマム級タイトルを獲得。「ここでコケてられないと思った」と刺激を受けないはずがない。すでに世界3団体でランクイン。「まずは勝ちに徹して、チャンスがあればKOを狙いたい」と拓真。スーパーフライ級の体づくりも順調のようで、上体がひと回り大きくなったようにも感じられた。強敵相手に拓真ならではの魅力を存分に披露することができれば、「内容次第では世界も考える」という大橋会長の言葉が現実味を帯びてくる。
辰吉Jrがバンタム級で2戦目
プロデビュー戦で激しい打撃戦を演じてKO勝利を挙げた辰吉寿以輝。2戦目は父と同じバンタム級で戦う 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
この日のメインでは元アマ全日本王者からプロに転向した日本スーパーバンタム級14位の中澤奨(大阪帝拳/6勝4KO)が、東洋太平洋同級14位のシルベスター・ロペス(フィリピン/24勝18KO10敗2分)と対戦する。ロペスは12年7月、横浜で1位挑戦者として佐藤洋太のWBC世界スーパーフライ級王座に挑戦し、判定負けした経験がある。その後は負けが込んでいるが、世界3団体で上位にランクされる24戦全勝のレイ・バルガス(メキシコ)と敵地で2度対戦するなど、分厚い経験を重ねている。中澤は前回、初のメキシカンのリズムとかみ合わず、平坦なフルラウンドを重ねた。実績のある相手を迎え、期するところがあるだろう。
粉川、日本王座返り咲き狙う
また、アンダーカードに出場する日本バンタム級4位の坂本英生(フジタ/16勝5KO1敗2分)を紹介したい。端正なボクサー型だが、昨年10月、福岡から東上し、元東洋太平洋王者の椎野大輝(三迫)を5回TKOで鮮やかに沈めて、驚かせた。坂本が属している西部地区からは久しく男子のタイトルホルダーが生まれておらず、期待される存在のひとり。対戦相手の勅使河原弘晶(輪島/9勝4KO1敗1分)は3年前の東日本新人王戦で優勝候補に挙げられたが決勝で敗退した。このクラスに苦戦するようではタイトルも遠のく。坂本が再び後楽園ホールで力を示すことができるか。注目したい。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ