JBA制裁問題、6月は部分解除の方向 第6回タスクフォース会議 報告記者会見

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バイス「われわれが邪魔立てすることはしない」

「JBAが再び国際バスケットボールファミリーに戻ることを確信している」とコメントしたバイス・コーチェアマン 【スポーツナビ】

――制裁解除に向けた日程を確認したい。6月半ばのエグゼクティブコミッティーでは、実質的に制裁解除と同じような決定がされるのか?

バイス 6月の解除は全面解除ではなく、あくまでも部分的な解除だ。全面解除を行う権限を持っているのは、最高意思決定機関であるセントラルボードだ。東京で川淵チェアマンが最終報告を行った上で、全面解除されるのなら、そこで最終決定が行われる。

 一部的な解除とは、実際に動いているものに対するゴーサインだ。それ以外、例えば9月以降に行われることについてはまだ差し止めらている。アジア選手権がそうだし、日本の決議権、投票権もそうだ。ではなぜ部分的な解除をするべきという話になったかというと、それはわれわれが常に(日本バスケを)全面的にバックアップする、われわれが邪魔立てすることはしないという、ポジティブなビジョンを皆さんに伝えてきた通りだ。
 
 6月の部分解除については、例えば女子のU−16の大会が始まるので、それに向けて活動できるようにしたいという意向だ。

――女子の五輪予選は8月に始まる。その出場の可否は6月(エグゼクティブコミッティー)と8月以降(セントラルボード)のどちらで決まるのか?

バイス 五輪予選自体は8月以降の申し込みになる。部分解除のゴーサインを出すのは、8月頭までに行う全てのことに対してだ。総会は(8月の)7日と8日に行われるので、9日以降のことに関してはセントラルボードの川淵さんによる最終報告を受けて、その上で決定が行われる。例外は女子のU−16とユニバーシアードだ。

 われわれの状況を信号に例えると“黄色と青の間”だ。つまりかなり良いところに来ている。今まで私はタスクフォースの活動を見てきたが、川淵さんの尽力もあったし、自分で言うのもアレだが私やバウマン、スコット・ダーウィン(セントラルボードメンバー)の努力もあった。その結果としてかなり良い方向に進んでいる。

――男子の東アジア選手権は(開催地や開催時期が)決まっていないが、8月9日以前にエントリーをしなければいけない場合は参加が認められないということか?

バイス 今の質問に対する答えだが、8月9日以前のことについては、正常な業務を行っていいということだ。トレーニングもFIBAアジアへの申し込みも、通常業務を続けることが許される。今回の制裁で問題になっているのは、あくまでも(公式戦の)コートに上がるということは、解除になるまで許さないということ。セントラルボードが、ないとは思うけれど(制裁処分を)解除をしない場合は、申し込みをしていても試合出場はできない。

 私の記憶が間違っていなければ、(質問者は)タスクフォースの記者会見に必ずお見えになっていたと思う。今までも繰り返し「日本にはできるだけ五輪予選に出てもらえるような方法を模索していて、FIBAが邪魔立てするつもりはない」と申し上げている。それがあるからこその、6月の部分解除であるということをお伝えしたい。

――男子は東アジア選手権が開催されずに、9月のアジア選手権から出場するということになるのか?

バイス そういうことだ。逆にこちらから質問したいのだが、もし8月で解除されれば、9月の予選への参加は問題ないはずだ。なぜ皆さんはそのような質問をするのか?

記者 当初われわれは8月にまず東アジアの予選があって、それを通ったら9月にアジアの予選があると聞いていた。東アジア予選がなくなったか、開催されるかがはっきりしていない。

バイス 詳しいことはFIBAアジアに確認していただく必要がある。私も全て把握しているわけではない。しかしFIBAアジアとしては、日本の申し込み延長は承知しているはず。もし9月に出場できないようなトラブルが生じるなら、それに対する解決策をわれわれの方で何かしら取らせてもらおうと思う。

 先日FIBAの理事会の中で、FIBAとFIBAアジアのカレンダーを突き合わせて、どこが(日本の)問題になり得るか確認をした。問題となり得るのはユニバーシアードとU−16の女子アジア選手権だけだった。それ以外に関しては全く問題ないと思う。

――国際試合の禁止処分が解除されるところまで来たということだが、そこには五輪予選も入っているという認識か? 手続き的な問題で、解除が二段階に分かれているということでいいのか?

川淵 五輪予選に必ず出るという前提で、この役を引き受けています。そこに向けて私は全力を尽くしてきたわけです。そういった意味で、全く心配はしていません。なので、この種の質問はもうなくていいと思います。

バイス 私とバウマンは全く同じ意見を持っている。彼に同じ質問をしたところで、全く同じ答えが返ってくると思う。

川淵「会長を離れたとしてもフォローしていく」

――最大の問題はガバナンスだったということだが、川淵チェアマンがバスケ界を去った後、ここまで何もしてこなかったバスケ界が自助努力をやっていけるのか?

川淵 それはFIBAも一番心配しているところですよね。FIBAが日本のガバナンス改革は予定通りにルートを辿っているかを、きちっとフォローしていくと思います。それが仮に道を間違えているんじゃないかとなったときには、再び制裁もあり得る。それくらいの覚悟で取り組まないと絶対ダメだと思います。僕も乗りかかった船ですから、仮に会長の立場を離れたとしても、後はどうなっていいとは夢にも思わない。このバスケットに関わった短い期間、僕なりに真剣に考えて、ここまで来ましたから。僕自身も個人的にもフォローしていく覚悟でいます。

――完全な制裁解除が8月ということだが、それまでは(6月までの状態と同じように)国際交流が禁止されるのか? 五輪予選を控えた代表は海外遠征や、国内での国際試合もできないのか?

バイス 通常業務と申し上げたのは、それも含めてだ。一部解除を受けて(国際交流や海外遠征についても)活動していただいて構わない。

川淵 今のは良い質問だったね。その前に「国際試合、強化試合をやっていいか?」ということでしょう?

バイス 海外合宿も一向に構わない。合宿をドイツでしていただけると喜ばしいのだが(笑)。

――ドイツも含めたユーロリーグが、17年から始まるワールドカップ予選のスケジュールに反対する意思を表明する文章を出した。FIBAとして今後どう対応していくのか?

バイス 答えは単純だ。われわれは「ONE FIBA」というスローガンの下にいる。17年から新競技体制を敷くということで、各協会と話がついている。新しい体制についてはFIBAの競技部門でもアジアやアフリカ、欧州等々と調整しながら話を進めている。先週の水曜日に各協会の会長、事務総長クラス及び各リーグの会長、専務理事クラスで話し合いを持った。17年には統一見解の下で新しいカレンダーをスタートできるという感触だ。

 質問をされた気持ちはよく分かるし、自分も記者なら同じ質問をしたと思うが、あくまでもこの記者会見はジャパンタスクフォース2024の下で開かれている。隣に座る川淵さんへのリスペクトも含めて、この場でタスクフォースと関係のない質問をすることはご遠慮いただきたい。

――今回の改革に対してFIBAからもアドバイス、意見があったと思う。新リーグの運営については、FIBAからどういう助言があったのか?

バイス タスクフォースの中には3つのワーキンググループがあるが、その中でもリーグに関しては各方面から素晴らしい提案を受けている。リーグの問題も見通しがついてきていて、実際の発足が16年なので、それまではまだしばらくの余裕がある。実際に階層が発表されるのは7月30日だが、そこですべてを発表するのでなく一部を発表するということになるのではないか。本日のタスクフォースの中で話があったのは、新リーグ、新協会がどのような関係で進めていくかということだった。契約書の話も少し出ていた。タスクフォース、ワーキンググループに参加している皆さんは、われわれの提案をスポンジのように吸収して、なるべく早い段階で実行に移そうと尽力している。

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