強さと不安が共存ドゥラメンテ ミルコ・デムーロの胸のうちは――
「あの加速、あの瞬発力は、初めて味わう感覚でした」
直線で使った末脚はミルコ自身「初めて味わう感覚」だった 【netkeiba.com】
先に抜け出したリアルスティールとは6、7馬身の差があったが、並ぶ間もなくあっという間に交わしてしまった。勝利を確信したデムーロ騎手は、ゴール前に喜びの雄叫びを上げていたけれど、それだけ余裕があったということだろう。
「超気持ち良かったです! 中山は直線が短いので届くか分からなかったけれど、ものすごい脚を使ってくれました。最後の1ハロンはびっくりするくらいでしたね。あれだけの加速、あれだけの瞬発力は、僕自身初めて味わう感覚でした。本当に素晴らしい馬ですよ」
ドゥラメンテの能力が非凡であることは証明された。ダービーで人気に推されることは間違いない。しかしまだ粗削りな部分が残っている上に、舞台は東京2400mである。不安はないのだろうか。
「強いて言えば、スタートがスタンド前ということです。ファンファーレも良く聞こえるし、たくさんのファンの方の前でスタートすることになる。それに、1コーナーはどうしても混雑するので、その辺りが不安の一つかなと思います。まだ若い馬で、経験がないというのはありますが、いい感じで成長してきているし、これからの馬ですから」
外から見ていると、気難しい印象があったドゥラメンテ。能力が高いからこそマイナス材料も強調されてしまいがちだけれど、デムーロ騎手の話を聞いてみると、不安点や注意点は他の3歳馬と変わらないのだ。
「『どんなレース?』と聞かれれば、勝ちたい!」
ネオユニヴァース以来2度目のダービー制覇へ 【netkeiba.com】
「想い入れはもちろんあります。すごいレースだと感じているし、『どんなレース?』と聞かれれば、勝ちたい! というだけですね。ロゴタイプで皐月賞を勝った時は、ダービーには乗れなかったんですけど(弟のクリスチャン・デムーロ騎手が騎乗)、今年通年免許を取って、初年度でこういう馬に乗れることが幸せです!」
デムーロ騎手を背にダービーに出走するドゥラメンテ。最強のパートナーと共に、世代最強の称号に挑む。
(文中敬称略)