首位DeNA、強さの秘密 セイバーメトリクスで分析!

週刊ベースボールONLINE

安定の先発陣、特筆すべきは山口

表5。先発陣の平均失点はリーグ平均をやや上回るものの大幅に試合を壊すような投球はしていない 【BBM】

 失点がコントロールされつつあるのは、先発投手陣の安定感が高まっているためだ。(表5)DeNAはここまで9人の先発投手を起用しているが、ほとんどの投手がセ・リーグの平均失点率をオーバーしている。ただ、オーバーしてはいるものの、試合を壊し続けるような投手に先発を託さないといけない事態ではない。

 ここまでのDeNAは打線の状態が良かったため、圧倒するような投球は見せられなくても、ある程度の失点で試合をつくれる先発投手をマウンドに送れば、効率的に勝ちを重ねていける状態にあったと言える。

 先発投手陣安定化の最大の要因は昨年途中に先発転向を果たした山口俊の活躍だろう。昨年に比べ奪三振が大幅に増え四球も減少。各球団のエースとそん色のない成績を残している。「リーグでトップクラスの三振奪取能力を持った先発投手」を既存戦力からつくりだせたことは大きな成功だった。

「優勝」の前提は得点力の維持

 投打双方のプラス要素でここまで健闘しているDeNAだが、このまま走り続けるのは簡単ではない。

 攻撃力の源泉である筒香の守る左翼は、本来各チームが強打者をそろえるポジションだ。しかし今年はここまで故障・不振選手が多く、筒香が1人勝ちに近い状態になっていた。もし、ほかの左翼を守る選手の打撃の調子が上向けば、表4のグラフで跳ね上がっていた左翼の数字は下がらざるを得ない。

 もう1つの強みである右翼の梶谷は先日足首の故障で離脱したが、今後もまたコンディションを落とすようなことがあれば、この強みも失われかねない。梶谷は守備での貢献も大きいとみられ、今後再び離脱があれば、外野フライの処理割合などにも影響が出るかもしれない。

 安定化しつつある投手陣も、現状はあくまで打線による援護があって機能する段階であり、強みとするにはレベルアップが必要だ。ここから7月末までの間にチームの状態をよく見据えた的確な補強を行えるかどうかも、夏以降の戦いを左右しそうだ。

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