5戦目で世界挑戦の“新星”田中恒成の夢
5.30愛知で国内最短記録に挑む
国内最短となるプロ5戦目での世界王座奪取に挑む“中部の新星”田中恒成 【船橋真二郎】
心身両面のタフネスが問われる一戦
距離を取り、俊敏なステップワークを駆使したボクシングが軸になる 【写真は共同】
「タフで体もパンチも力強そう。下がる気はないというタイプだし、ボディでどんどん削ってくるので、精神的にも疲れる試合になる」
田中が覚悟しているように、イエドラスのタフネスと馬力はまだキャリアの浅いホープを苦しめる可能性を秘めている。畑中会長、父の田中斉(ひとし)トレーナーは「いいパンチが一発当たったからといって、調子に乗ると危険」と口を揃える。世界戦は12ラウンドの長丁場。田中の心身両面のタフネスが問われる試合となりそうだ。
俊敏なステップワークを駆使
対戦相手のWBO世界ミニマム級1位のイエドラスは「調子に乗ると危険な相手」と畑中会長も警戒する 【写真は共同】
「課題を一番感じたのは接近戦。いかに自分がそこで攻勢に出られるか。また、距離を取ったところからでも、うまいこと自分の攻撃につなげられない部分があったので、そこでの戦い方も意識している」
大きな自信となった原隆二戦
田中にとって大きな自信をもたらしたのが、プロ4戦目でのOPBF東洋太平洋王者・原隆二戦 【写真は共同】
「このレベルでもできるんだと自信にもなった。あそこで原さんとやっとらんかったら。そう思うと不安です」
この19歳の恐るべきところは第一に結果を求められる大一番で、それだけでは決して満足しないこと。実戦を通じて学習し、肌で感じたものを自身の次につなげる“成長力”こそ、田中の最も優れた才能であり、並みの選手の何倍ものスピードで飛躍を遂げてきた理由だろう。