潮崎が5冠王&宮原が初の世界タッグ戴冠=全日本プロレス

高木裕美

世界タッグ王座を奪取した潮崎(右)はヘビー級の5本のベルトを独占。宮原は平成生まれ初の王者に 【横田修平】

 全日本プロレス「2015 スーパーパワーシリーズ」開幕戦となる6日の東京・ 後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ711人を動員した。
 メインイベントの世界タッグ選手権試合では、潮崎豪&宮原健斗組が、曙&吉江豊組を破り王座初戴冠。潮崎は三冠ヘビー級王座と合わせ5冠王となり、宮原は平成生まれ初の世界タッグ王者となった。

宮原がスーパーヘビー級2人を相手に大奮闘

宮原は巨漢・吉江を両腕をロックしたパッケージジャーマンで粉砕 【横田修平】

 今年の「チャンピオン・カーニバル」(CC)で初優勝を達成し、脂が乗りまくった曙に対し、潮崎は4.25後楽園での吉江戦でワキ腹を負傷。最終戦5.21後楽園での三冠ヘビー級王座戦を占う一戦は、圧倒的な王者組ペースとなった。
 だが、苦悶する潮崎の分まで26歳の宮原が大奮闘。CC公式戦では曙から大金星を奪っている宮原は、この日もスーパーヘビー級2人を相手に物怖じせず。吉江の巨体をジャーマンスープレックス、ブレイクハートで持ち上げてマットに叩きつけると、両腕をロックしたパッケージジャーマンスープレックスで弧を描いて突き刺し、3カウントを奪った。

潮崎は曙戦へ三冠王座死守を宣言

 初の5冠王に輝いた潮崎は、痛めたワキ腹を押さえながらも「これからの戦い、もっともっと激しく、もっともっと頑張る。5冠王として後楽園に戻ってきて、横綱・曙を倒します」と王座死守を宣言。一方、リング上から全日本愛を訴えた宮原は、IGFに目を向けている諏訪魔らEvolution勢に「戦う場所、戦う相手を間違えてる」と宣戦布告。「Xceedが全日本を引っ張ります」と、自分たちが団体を盛り上げて守っていくと訴えた。

SUSHI奮闘も悲願アジアタッグ奪取ならず

悲願のアジアタッグ王座奪取に失敗したSUSHIをなぐさめる秋山 【横田修平】

 アジアタッグ選手権試合では、金丸義信&ウルティモ・ドラゴン組が、秋山準&SUSHI組を退け初防衛に成功した。
 これまで、めんそ〜れ親父、曙といった様々なパートナーと同王座に挑んでは敗れ去ってきたSUSHIは、秋山にタッグ結成を懇願。並々ならぬ気迫でベテラン2人に向かっていくと、秋山のエクスプロイダーのアシストを受け、金丸にカツオの一本釣り、TEKKAMAKIと必殺技オンパレードを仕掛けるが、いずれもカウント2。ならばと、秋山直伝の秘技ブルーサンダー解禁を狙うが、金丸に丸め込まれて3カウント献上となった。
「あれだけ頑張ったSUSHIを初めて見た」と挑戦者の奮闘を評価はしたものの、まだまだ高い壁であることを見せ付けた王者組。ウルティモは「この2人でなら、僕らにしかできない世界が作れる。ヘビー級相手でも、防衛はどんな手を使ってもできる」と、さらなる防衛記録の更新と、独自のアジアタッグワールドの構築に絶対的な自信を見せ付けた。

IGF藤田来場せず…諏訪魔「逃げた」

諏訪魔は後楽園ホールに来場しなかったIGF藤田に怒り爆発 【横田修平】

 前日5日にIGF大阪大会にスーツ姿で乗り込み、リング上の藤田和之と視殺戦を繰り広げた諏訪魔は、青木篤志と組んで、ジョー・ドーリング&佐藤光留組と対戦するEvolution対決に出陣。IGFのサイモン猪木取締役に渡したリングサイド席2つが空席のままであることに苛立ちを隠せず、わざわざそのイスを使って場外で佐藤をメッタ打ちにすると、ラストライドで完全粉砕した。
 試合を終えた諏訪魔は「オレは純粋にいちレスラーとして藤田和之と戦いたい。オレはもう決心固まってるんだよ。それをこうやってスカすというのは、逃げてるんじゃないかよ」と来場しなかった藤田への怒りをぶちまけつつ、改めて藤田戦実現を訴えた。

 5・21後楽園で世界ジュニアヘビー級王座をう鈴木鼓太郎と石井慧介がタッグで前哨対決。石井は序盤から気迫を全面に押し出していくと、鼓太郎のパートナーの中島洋平を必殺のニールキックで破った。
 白星は飾ったものの、鼓太郎にはニールキックを両腕でブロックされた石井は「ガードされてもガードごと吹っ飛ばす。ガードできなかったら確実に一撃で仕留める。必殺技を21日までに磨きたい」 と、さらに強化したニールキックでの完全勝利を予告した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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