求められる臨場感とその背後の危険性 球場に来るファンにも必要な安全の意識
大観衆が集まる球場で起きた不幸な事故
GW期間中のプロ野球の各球場には、多くのファンが来場し、にぎわいを見せた=5月3日、コボスタ宮城 【写真は共同】
ここ数年、ネットを取り払った座席やフィールドシート、あるいは仲間で楽しみながら試合を見られるボックスタイプなど、新しい観戦スタイルを楽しめるシートが増えている。多様な楽しみ方ができる反面、「グラウンドに近い」「ボールから目を離してしまうことが多い」など、危険性が多いことも確かだ。
スタジアムに増える新シート
西武プリンスドームの「フィールドビューシート」をはじめ、各球場ではグラウンドレベルに臨場感ある座席を設置している 【(C)SEIBU Lions】
物販の販売では両球団とも配慮しており、イニング中は売り子がエリア内に入らず、イニング間に販売を行う措置をとっている。千葉ロッテの本拠地・QVCマリンフィールドには、防護ネットを設けた「フィールドウイングシート」を設けている。安全面はもちろんのこと、円滑な試合進行と観客の安全のために日本野球機構が定めている「観戦契約約款」に基づいたもので、観客の乱入等の防止に配慮されている。
危険性の少ない場所に設置される新シート
横浜スタジアムでも、テレビモニターに流れる試合映像を見ながら観戦できる「ベースボールモニターBOXシート」や、床で寝ころんで観戦できる「リビングBOXシート」など今シーズンから4種のシートが新設された。「ベースボールモニターBOXシート」では、画面をタッチすると中継映像だけでなく、ブルペン映像やベンチ映像などに切り替えることができ、画面を操作したり、映像を見ていれば、当然ボールから目を離すことになるが、このシートもスタンド最上段に設置されており、打球の危険性は少ない場所だろう。