川淵「これから各チーム階層分けをする」 第4回タスクフォース会議 報告記者会見

スポーツナビ

バイス「全チーム1〜3部のどこかに所属できる」

「今回の改革では協会が協会たる姿勢をきちんと取れるかが全て」と力説した川淵チェアマン 【スポーツナビ】

――これから各チームの審査をしていくと思うが、階層分けとは別にそもそもリーグに参加できないチームの可能性は?

バイス チームの振り分けだが、私たちとしては全てのチームが基準を満たせる水準になることを期待しており、全チームが1〜3部のどこかに所属できると思っている。振り分けの発表は7月30日に行う予定だ。その結果を楽しみに待っていてほしい。

――制裁の解除の条件が3つあるうち代表の強化もその一つだが、日程の調整以外も含めて、見通しがどこまで進んでいるのか?

バイス 過去のタスクフォースでも男女それぞれをどう強化するという話をして、提案も受けている。その中でも強化に関しては、日本協会のスポーツディレクターであるトーステン・ロイブルがFIBAのスペシャリストとも話をしながら、いろいろな提案をしている。これからの段階としては、彼がした提案にどう肉付けをして、実際に形作っていくかが重要になる。新しい日本協会が、これを実行に移すということだ。強化は今日明日で成功できるものでない。学校やその他の団体の協力も必要不可欠だ。また文科省や体協からも、自分たちのできることは惜しみなく協力するとのお声掛けをいただいている。

――設立準備室ができて具体的なことが決まっていくと思うが、選手会との話し合いを持つのか?

川淵 もちろんそれは大事なことですけれど、まず自分たちの組織をいかに強固なモノにしていくか、基盤作りをするかというところに今、一番重点を置いている。選手協会から話し合いの場を設けてくれと言われれば否定をするものではないが、今すぐ前向きに選手協会と話し合いをしていこうという立場ではない。自分の立場をしっかり構築していくのが先になる。

――JBAの新理事候補はほぼ全員が今まで日本のバスケットボールに関わっていない人ばかりだが、FIBAがこういう構成を望んだ理由は?

バイス まずなぜこういう(理事の)候補になったかを話そう。われわれにはスポーツについて十分な知識を持っていながらも、バスケットボール界としがらみがない方を選びたいという意向があった。リストを見ていただければ分かるように、メンバーの7人目と8人目は検討中だが、7人目は必ずバスケ関係の方を候補に挙げたいと考えている。どのような方にするかは、私と川淵さんが面談をしながら決めていく。私は昨日(日本に)着いたばかりなので、面談をする時間的な余裕がなかった。

 今回(名前が)挙がっているメンバーは確かにバスケ以外の方だが、新しい協会の理事会にこのようなメンバーがそろったことは、逆の見方をすれば肯定的なことだ。他の競技団体から人材を派遣していただけるということだし、他の協会がバスケをサポートしてくださるということだ。当然ノウハウも持っている。そういった人事交流も、サポートの一つの手段ではないだろうか。

 7人目に入る方が、必ずバスケ関係者になることは約束できる。強化の話の中でロイブルの名前が出たが、事務局サイドにはバスケの専門家たちがそろっている。次回のタスクフォースでは7人目がどの方になるか発表できる。しかし私も昨日着いたばかりなので、面談はこの後に入っている。名前の発表は控える。

川淵「(バスケ界に)優秀な人材はいる」

――現在の理事は全員辞任になるが、理事が兼務していたJBAの各種委員長は当面そのまま続けると聞いている。それはいつまで任せるのか? ずっと任せるつもりなのか、それともある時期に入れ替えるのか?

川淵 この問題については大河事務総長に任せています。私は一切関与していません。

――新しい役員は1年間の任期だが、その後もそのままの構成が望ましいと考えるのか? バスケットボールの生え抜きが主力を担った方がいいと考えるのか?

川淵 FIBAからも(理事の定員を)10人にしろと言われているけれど、日本は9地域の協会が各都道府県協会との関係を保っているので、その連携を保っていかなければ末端とのコミュニケーションを取りにくい。最低20人にしてほしいということを、FIBAに言いました。現在では大体10〜18人の間ならいいと言われている。18人の理事を置いて、そこにプロリーグの代表者や女子の代表者、9地域の代表者が9人入ると、いっぺんに残りの数が減ってしまいますね。だから9人の中で何人か代表を選ばせて、数を少なくして入ってもらって、都道府県協会との関係を重視した編成を考えています。大部分は、バスケットボール界に関係した人が理事になるということです。

――(新理事候補の)小野さんと三屋さんはオリンピアンだし、五輪への想いが強い2人。理事を依頼する時にどういう会話があって、2人はそれぞれどういう反応だったか?

川淵 小野さんは東京五輪仲間なんですよね。いろいろな会合でお会いして、小野さんの見識やスポーツに対する理解は分かっている。国会議員の経験を通じてしっかりしたご意見もお持ちです。「何とか助けてほしい」「私は歳だから」「いや歳は僕だって歳だから」と言うので、無理やりお願いしました(笑)。

 三屋さんは私がJリーグのチェアマン時代にも、理事をお願いしました。Jリーグの理念や考え方が、日本のスポーツ界にとって素晴らしいということをテレビでずっと言っておられたので、こういった方にJリーグ全体の理念を、世間に対してPRしてもらうためにふさわしい人だなと考えていたので、理事になってもらいました。その後は経営者の経験も踏まえて、状況として苦しいときに何とか理事を引き受けてほしいと申し上げました。ただ彼女も多忙で、なかなかすぐには返事をもらえなかった。川淵さんの頼みなら仕方ないという感じで、最後は半分諦めながらなっていただいた。しっかりした意見を言われる方なので、バスケット界にとっては絶対プラスになると思います。

――リーグや理事会の全容が見えてきたところで、限られた時間の中で何を優先して、どういった改革に力を入れて行こうと考えているか?

川淵 今回の改革では、協会が協会たる姿勢をきちんとどう取れるかが全てだと思います。リーグや強化はそんなに難しいと思っていません。協会のガバナンスそのものがまるでなってないという言い方をしたら失礼だけれど、トップにバスケットボール協会がちゃんとあって、その命令一下、連盟を含め、地方協会を含め、一致団結して一つの目標に向けて進んでいくんだよということを、やれない協会であったことは事実です。だからやむなく私がここにいるわけで、そういう協会のあるべき姿を取り戻すことが、日本バスケットボール協会の将来の発展につながることは間違いない。

 ただ僕が言いたいのは、バスケットボール協会に優秀な人材がいないなんてことは絶対にありません。僕は多くの人を知っていますけれど、優秀な人はいっぱいいます。いっぱいいるのになぜこうなったか、そこが問題です。派閥や学閥や足の引っ張り合いで、みんなで一人のリーダーを盛り立ててバスケットボール界を発展させようという気風のなかったことが、今日の事態を招いているんです。優秀な人材はいるんです。いずれこの1年間の理事会の経過も踏まえて、以降は優秀な若手の人材をどんどん登用していけばいいんです。そういう人材はいます! 僕の周りにいっぱいいます! だから将来のバスケットボール界については、何も心配していません! サッカー界は(バスケ界を)乗っ取りません!(笑)

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