どうなる? ダービー&オークス 対照的な桜と皐月で見えてきたもの

クラシック前半戦を終えて

皐月賞を衝撃のレースで快勝したドゥラメンテ、1カ月後のダービーはどうなる? 【写真:中原義史】

 3歳クラシックの一冠目である桜花賞と皐月賞が終わりました。来月、牡牝ともに舞台を東京競馬場に移して、オークス、ダービーで2冠目が争われることになります。

 まだ一冠目のレースが終わったばかり。興奮冷めやらぬところではありますが、新たに見えてきたものもいくつかあります。

 というわけで、2つのレースを中心に、ここまでのクラシック戦線を振り返り、次の指針を探ってみたいと思います。

桜花賞と皐月賞、根本的に違う内容

強さが際立った桜花賞馬レッツゴードンキ、そのレース内容は皐月賞とあまりに対照的だった 【スポーツナビ】

 牝馬一冠目の桜花賞は3頭の無敗馬対決が注目されましたが、1勝馬に過ぎなかったレッツゴードンキが逃げ切り勝ち。皐月賞もトライアルを無敗で制した2頭を相手に、収得賞金の関係で出走そのものが危ぶまれていたドゥラメンテが強烈な決め手で差し切り勝ちを演じました。

 この両レース。それぞれハイレベルな争いになるであろうと予想されていましたが、内容は実に対照的な決着の仕方をしました。

 まず桜花賞。スタートからの3F通過が37秒1。4F50秒0。1000mは62秒5。未勝利戦並と言ってはなんですが、少なくともクラシックが争われるにふさわしいペースとは言い難い内容でした。このラップで逃げた馬が上がりを何と33秒5(ラストから2F目は実に10秒7)でまとめたのですから、後続は手も足も出なくて当たり前。他馬が弱いと言うのではなく、パフォーマンスとして勝ち馬だけが強かった、という結果でした。

 一方の皐月賞。こちらは1000m59秒2という過去10年で4番目に速いラップとなり、それでいてレースの上がり34秒7はディープインパクトの年に次ぐ2番目の速さ。それを後方からまとめて差し切ったドゥラメンテの使った上がりが、ディープインパクトのそれを凌ぐ33秒9です。

 結果として1馬身半の差をつける完勝ですから、こちらも一見ドゥラメンテの強さばかりが目立ってはいるのですが、桜花賞の印象とは根本的に違っているのです。

 桜花賞が、勝ち馬以外、はたして自分の力を出せたのだろうか、と思えるのに対し、皐月賞はほぼ完璧な立ち回りを見せた2着リアルスティールを筆頭に、3着キタサンブラック、4着ブライトエンブレムらも現状の力を出せたのではないか、と思えるのです。

 では一冠目を終えて、二冠目の結果が容易に予測できるのか、と言うと、そう簡単ではなさそうです。

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著者プロフィール

中央競馬専門紙・競馬ブック編集部で内勤業務につくかたわら遊軍的に取材現場にも足を運ぶ。週刊競馬ブックを中心に、競馬ブックweb『週刊トレセン通信』、オフィシャルブログ『いろんな話もしよう』にてコラムを執筆中。

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