女子は久光が3連覇、男子はJTが初Vか Vリーグファイナルの注目ポイント

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女子は久光製薬にNECが挑む

週末に行われるVファイナル。女子は新鍋らを擁する久光製薬が3連覇に挑む 【写真:アフロスポーツ】

 いよいよ残すは決勝のみ。男女バレーボールの日本一を決めるV・プレミアリーグ女子大会、男子大会の優勝決定戦が4月4日(女子)、5日(男子)に開催される。

 頂点をかけ、女子は3連覇を狙う久光製薬と10シーズン振りの優勝を狙うNECが、男子は創部以来悲願の初優勝を目指すJTと、8シーズン振りの制覇を目指すサントリーが対戦する。

 中田久美監督が就任以降、主要大会では負けなしの久光製薬。新鍋理沙や長岡望悠、石井優希など、全日本でも活躍するメンバーがズラリと顔をそろえ、スパイクやレシーブなど個の力も高い。加えて、何よりの強みは昨年、一昨年とV・プレミアリーグを制し、大事な試合の戦い方やモチベーションの高め方、勝負を決するポイントを読み、絶対にその1点をもぎ取る勝負強さがある。レギュラーラウンドでは、けが人や体調不良で選手を欠き、連敗も喫したが、すぐさま立て直す修正力と、レギュラー選手に代わって出場したリザーブの村田しおりや中大路絢乃など、それぞれが役割を理解したプレーで貢献、チーム力の高さを見せつけた。

 対するNECは、久光製薬のように全日本で活躍するメンバーを擁するわけではないが、昨シーズンの課題であった攻撃力不足、決定力不足を補うために、シーズンインとともに徹底した体づくりと基本プレーを見直した。加えて、島村春世、大野果奈、上野香織といったミドルブロッカー陣もサイドに開いてスパイクを打ったり、後衛時にもリベロと交代せずバックアタックに入るなど、多彩な攻撃パターンを展開する。今季から新加入のセッターの山口かなめもオフェンシブなチームスタイルにフィットし、久光製薬に次いで、レギュラーラウンド、ファイナル6を共に2位で終えた。

キーマンは両チームの“セッターの隣”

多彩な攻撃パターンを展開するNEC。相手のキーマンである新鍋を抑えることができるか 【坂本清】

 ここまで両チームの対戦は4度。レギュラーラウンドの3戦は久光製薬が2勝に対し、NECが1勝、ファイナル6もストレート勝ちを収めた久光製薬がトータルで3勝1敗と勝ち越している。久光製薬の分がいいように見えるが、中田監督は、勝った3試合よりも敗れた1試合に着目し「自分たちの調子が悪くて負けたとか、相手のここがよかったというのではなく、普通通りに試合に臨んだ。なのに、気付いたらいつも通りにできず、完璧に負けた試合はNEC戦だけ」と気を引き締める。

 両チームが勝負を決するキーマンとして警戒するのが、久光製薬の新鍋と、NECの近江あかり。ウイングスパイカーの2人は、共にセッターの隣のポジションに入り、相手のサーブを受け、攻撃に入るパスヒッターでもある。

 相手からすれば、プレッシャーをかけ、少しでも攻撃に影響を及ぼしたいと考えてサーブを集める。しかし、2人はなかなか崩れず、逆にサーブを数多く受け、そこから攻撃のリズムをつくることで調子を上げるタイプでもある。抜群の勝負強さや、相手の嫌なところを突く正確な攻撃技術とレシーブ力。チームにとってもまさに「軸」と言うべき選手だけに、新鍋と近江、どちらを抑えることができるかが勝敗を決するポイントになるのではないだろうか。

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