ノアがダブル前哨戦で鈴木軍に大逆転勝利=帝王・高山がみのると決別しノアと合体へ

高木裕美

2−5の窮地に追い込まれるも…

丸藤がタイチを仕留めてノア軍がダブル前哨戦で鈴木軍に勝利 【横田修平】

 28日のプロレスリング・ノア「Spring Navig.2015」東京・後楽園ホール大会では、因縁深まる鈴木軍とノアが5対5イリミネーションマッチで激突。鈴木軍が得意の無法ファイトで方舟を転覆寸前まで追い込むも、思わぬ伏兵の大活躍で、ノアが土俵際からの大逆転勝利を収めた。

 丸藤正道&モハメドヨネ&マイバッハ谷口&石森太二&小峠篤司組vs.鈴木みのる&飯塚高史&タイチ&TAKAみちのく&エル・デスペラード組という顔合わせで行われた今回のイリミネーションマッチ。3.15有明コロシアム大会でノアのGHC4大タイトルをすべて奪取した鈴木軍は、この日も反則行為を連発。4.11新潟でタイチのGHCジュニアヘビー級王座に挑戦する石森に対し、みのるがレフェリーのブラインドをついてゴッチ式パイルドライバーを食らわせ、タイチにピンフォールを献上させれば、ヨネには飯塚のイス攻撃&アイアンフィンガーフロムヘル。さらに石森もオーバーザトップロープ(OTR)で失格となり、たちまち2ー5の窮地に追い込まれる。

丸藤「今日勝てたのは全員の力」

2−5まで追い詰められたノア勢だが谷口の奮闘もあり、逆転勝ち 【横田修平】

 だが、ここで突如谷口が覚醒。ノアと大同団結した谷口は、そのスーパーヘビー級の体格を生かし、デスペラードをマイバッハボム、TAKAをマイバッハプレスで圧殺すると、鈴木軍の総大将みのると同体でOTRで落下。我が身を犠牲にしながら、一気に3人を消し去る無双ぶりを発揮する。

 最後を託された丸藤も、飯塚の突進をかわしてOTRで葬り去ると、鈴木軍の妨害をチーム一丸となって阻止し、最後の1人となったタイチを虎王からの不知火で粉砕。奇跡の大逆転に場内は熱狂に包まれた。

 5.10横浜でのGHCヘビー級王座戦を前に、流れをノアに引き寄せた丸藤は「オレたちがやりたいプロレス、みんなが観たいプロレス、ベルトとともに必ず取り返します」とリング上からファンに宣言。「今日勝てたのは全員の力」と、公約通り、ノア一丸となって至宝を取り戻すことを改めて誓った。

高山「海賊に方舟を渡さない」

盟友みのると決別し、丸藤と合体した“帝王”高山 【横田修平】

“帝王”高山善廣がノアへの援軍に名乗りを上げた。

 最近は大仁田厚を破って初代爆破王に輝くなど、新たなフィールドで活動を幅を広げてきた高山だが、約3カ月ぶりのノア参戦となったこの日は、セミファイナルで杉浦貴&田中将斗の弾丸ヤンキースと初のトリオを結成し、マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト&ジョナ・ロックのTMDKと対戦。ビッグブーツやバックドロップで自軍の勝利をアシストした。

 メインイベント終了後には、敗れた腹いせに暴走する鈴木軍の前に立ちはだかると、盟友である鈴木みのるに張り手をかまし、つかまっていた杉浦を救出。ノアのエース・丸藤ともガッチリと握手をかわした高山は「三沢さんが作ったこの船を海賊には渡さない。ノアのみんな、行くぞ、ノーフィアー!」と、15年前の旗揚げメンバーの一員として、故・三沢光晴さんが愛した方舟を守ると宣言。丸藤も「何て心強い味方なんだ」と高山に絶対の信頼を寄せた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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