松坂大輔、独占インタビュー 厳しい意見は「結果で跳ね返す」

田尻耕太郎

9年ぶりに日本球界に復帰した松坂が、開幕を直前に控えた心境を語った 【繁昌良司】

 松坂大輔、独白――。
 今季、福岡ソフトバンクホークスに入団した松坂。メジャーから復帰し、実に9年ぶりとなる日本球界でのシーズン開幕がいよいよ目前だ。果たして、今季、松坂はどのようなピッチングを見せてくれるのか。その期待値も注目度も高まる一方である。

 その松坂に独占インタビューを敢行。現在の心境や気になる調整具合、そしてなぜ日本球界復帰を選んだのか、今季に懸ける思いなどを“平成の怪物”が素顔で語った。(取材日:3月12日)

松坂大輔 独占インタビュー動画


(THE PAGE×スポーツナビ)

期待を裏切らない投球ができるようにしたい

新天地ソフトバンクについて、「練習からやりがいを感じることのできるチーム」と評した松坂。春季キャンプではチームメイトとすぐに溶け込むことができたようだ 【写真は共同】

――間もなく開幕を迎えます。久しぶりの日本球界復帰で迎えるシーズン。今の心境は?

 いよいよ近づいているな、という気持ちはありますけど、(高ぶるのは)実際に開幕日を迎えてからだと思います。今はまだのんびりやっています。

――新天地で迎える開幕です。

 米国でもいくつかチームは移っていたので、新入団とはいえ難しいことはありませんでした。周りも話しかけてくれたので。自分が思っていたより、早くチームに溶け込めました。

――ホークスはどんなチームですか?

 良いチームですね。強くて、雰囲気も良くて。試合だけでなく練習からやりがいを感じることのできるチームだなと感じました。

――ファンの反応もすごいです。日本に帰ってきたことで、その距離感もぐっと近くなりました。

 これまでも熱い応援で有名なチームに所属したことはありますが、それとはまた違う、経験したことのないようなファンの熱さや温かさを感じましたね。

――松坂大輔投手のピッチングを、(日本復帰で)また間近で見られる喜びに満ち溢れているからでしょう。

(笑顔で)シーズンに入るころには、ファンの人たちの期待を裏切らないピッチングができる状態にしておかないとな、と思いますね。

今は何を言われても仕方がない

久しぶりの日本でのキャンプは「気候の影響」で調整に苦しんだ。しかし、「心配はしていません」と言いきるところが“平成の怪物”松坂だ 【繁昌良司】

――キャンプ、そしてオープン戦にかけての調整はいかがでしょう?

 キャンプでは最後の方に(右手薬指にできた)マメの影響もあり、思うように投げられませんでしたが、「これくらいまでできればいいな」と自分で考えていた段階まではできました。そしてオープン戦。開幕まで残り1カ月でしっかり仕上げていくつもりでいたんですけど、思ったよりも気候の影響が大きい感じはしています。もう少し暖かくなってくれれば、体も思うように動いてくれると思っていたのですが、試合も屋外球場で投げることが多かったので、自分が予想していたより進み具合は遅いです。でも、そのようなこともあると思っていたので、それほど心配はしていません。

――メジャーのスプリングトレーニングが行われるフロリダやアリゾナに比べると、キャンプ地の宮崎や3月のオープン戦を行う球場は寒い場合があります。

 日本に帰ってきた段階で当然予想はしていました。ただ、それより寒かった(苦笑)。宮崎ももう少し暖かいイメージがあったんですけどね。暖かいと感じた日がそれほどなかった。ちょっと予想外でした。

――オープン戦での登板2戦目、長崎で行われた巨人戦(3月10日)は試合前に雪が舞うコンディションの中で3回2失点。メディアには厳しい言葉も並びましたが、松坂投手といえば「リベンジ(※筆者注、文末の説明を参照)」ですね。

 そのような言葉を跳ね返すには結果で示すしかありません。今は何を言われても仕方がない。それはシーズンが開幕して、自分の投球で示さないといけないと思っています。


※注:西武に入団した1999年。鮮烈な155キロデビューを飾った松坂は、4月21日の千葉ロッテ戦で、当時相手エースの黒木知宏(現・北海道日本ハム投手コーチ)と投げ合い0対2で敗戦。試合後に「リベンジします」と誓った松坂は、4月27日に再び同じ顔合わせで戦い、1対0で投げ勝ってプロ初完封勝利を飾った。これによって「リベンジ」という言葉が日本全体に一気に浸透したのだった。

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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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