【新日本キックボクシング】江幡睦「調子は良かったけど完敗…」=悲願のラジャダムナン王座奪取ならず

長谷川亮

3度目のラジャダムナン王座挑戦

試合後フォーペットと健闘をたたえあう江幡。3度目のラジャ挑戦だったが、結果は判定負け…またも悲願ならなかった 【長谷川亮】

 新日本キックボクシング「MAGNUM37」が15日、東京・後楽園ホールで開催された。メインイベントはラジャダムナン・バンタム級&WKBA世界バンタム級ダブルタイトルマッチ。WKBA世界王者・江幡睦が、悲願のラジャダムナン王座を狙いフォンペート・チューワッタナと対戦した。

 両者はこれまで3度対戦し、10年7月の初対決では江幡が右ストレートでダウンを奪い判定勝ち、13年9月の第2戦はラジャダムナンスタジアム・バンタム級王座決定戦として行われフォンペートが2−1で判定勝ち、14年9月の第3戦では江幡が3−0で判定勝ちと、通算成績2勝1敗で江幡が勝ち越している。江幡は13年3月のマーナサック・ピンチャイ戦(判定負け)、13年9月のフォーンペット第2戦(判定負け)に続き今回が3度目のラジャダムナン王座挑戦となる。

強打を披露するも決定打につなげず

「調子は良かったけど完敗」と4度目の対戦となったフォンペート戦を振り返った 【長谷川亮】

 フォンペートと4度目の対戦に挑んだ江幡は、左右のロー、そして飛び込みながらのボディフックと、いずれも威力ある攻撃でダメージを与える。しかしフォンペートはボディフックを受けながらも飛び込んできた江幡を首相撲でとらえヒザ蹴りをヒット、さらに離れ際に右ミドルも当てポイントを奪う。江幡は強打を打ち込むが、その後を押さえられてしまい決定打につなげられない。

「ボディやローが効いたのは分かったが、その後の攻撃を出させてもらえなかった。3Rからトップギアに入れようと思ったけどその前に潰された」と江幡が試合後に振り返った通り、フォンペートは4Rには連続してボディに前蹴りを入れて江幡を遠ざけ、さらに顔面への前蹴りもヒット。近づけば首相撲でヒザを決める。5R、パンチで攻勢を掛ける江幡だったが、フォンペートは被弾してもその後を首相撲で組んで攻めを分断し、ヒザを集めて終了。

 江幡が「今までで一番戦いにくかった」という4度目の対戦は、ジャッジいずれもが49−48をつける判定3−0でフォンペートが勝利。ラジャダムナンとWKBA世界王座の2冠に輝いた。

■江幡「敗因は攻め切れなかったから」
 調子は良かったし今の自分の全力を出したので完敗です。これまでは僕が打った後で組んできましたが、今回は自分が打つ前に組んできてそれを崩すことができませんでした。勝てなかったのは攻め切れなかったからです。今まで一番戦いにくかった。
■新日本キックボクシング「MAGNUM37」
3月15日(日)東京・後楽園ホール

<第12試合 ラジャダムナンスタジアムバンタム級&WKBA世界バンタム級ダブルタイトルマッチ 3分5R>
○フォンペート・チューワッタナ(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)
(判定3−0)
●江幡 睦(伊原道場本部/WKBA世界バンタム級王者)
※3者49−48
※フォンペートがラジャダムナン王座防衛に成功、WKBA世界王座に輝く

<第11試合 日本ライト級王座決定戦 3分5R>
○勝次(藤本ジム/日本ライト級1位)
(3R1分56秒 TKO)
●永澤サムエル聖光(ビクトリージム/日本ライト級2位)
※セコンドからのタオル投入
※勝次が新王座に輝く

<第10試合 ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級ランキングマッチ 3分5R>
○喜多村誠(伊原道場新潟支部/日本ミドル級王者)
(判定3−0)
●ペットーン・キャリーボーイ(タイ)
※50−46、50−46、49−47

<第9試合 59kg契約 3分3R>
○重森陽太(伊原道場稲城支部/元日本バンタム級王者)
(判定3−0)
●内田雅之(藤本ジム/日本フェザー級王者)
※30−29、29−28、29−28

<第8試合 63.5kg契約 3分3R>
○ガンスワン(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者)
(判定3−0)
●石井達也(藤本ジム/元日本ライト級王者)
※30−27、30−28、30−28

<第7試合 日本ウェルター級 3分3R>
○大槻翔太(伊原道場本部/日本ウェルター級2位)
(1R0分56秒 TKO)
●田中克昌(Club E.D.O.)
※ドクターストップ

<第6試合 58kg契約 3分3R>
○櫓木淳平(ビクトリージム/日本フェザー級7位)
(2R2分19秒 KO)
●ジョニー・オリベイラ(トーエルジム/日本フェザー級6位)

<第5試合 75kg契約 3分3R>
○斗吾(伊原道場本部/日本ミドル級1位)
(1R2分12秒 KO)
●安河内将一(和術慧舟會総本部)

<第4試合 54kg契約 3分3R>
○海彦(伊原道場本部)
(判定3−0)
●がってん古川(治政館ジム/日本フライ級3位)
※3者29−28

<第3試合 日本ライト級 3分2R>
○里見柚己(横須賀太賀ジム)
(判定3−0)
●和己(伊原道場本部)
※3者20−18

<第2試合 55kg契約 3分2R>
○平塚一郎(トーエルジム)
(2R2分08秒 TKO)
●皆川祐哉(藤本ジム)

<第1試合 日本ライト級 3分2R>
○古川真司(伊原新潟支部)
(判定3−0)
●龍斗(横須賀太賀ジム)
※3者20−18
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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