川淵チェアマンが評議員らに熱弁振るう 「皆が心を1つにしないと変わらない」

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皆さんの前向きな感じが見えた

囲み取材では「皆さんの前向きな感じが見えた」と満足げに語った川淵チェアマン 【©JAPAN 2024 TASKFORCE】

 以下は、囲み取材。

――今日の感想は?

川淵 皆さんの顔を見ていると前向きで「やろうじゃないか」という感じが見えたので、バスケットボール界が変わるかなと思いましたね。そういう意味ではこういう機会って本当に変わってきたなと思いました。今日は本当にこの勉強会をやり、地方協会の人と会えてうれしかった。一度会ってお話しなければとずっと思っていたので、そういう機会を与えらえて今日は非常にハッピーです。

――協会の幹部で辞意表明は出ているが、具体的にはどういうやり取りがあって、現状はどういった形か?

川淵 FIBAは現状の理事、幹部をすべて変えろと言っています。しかも無給でやれとか非常勤でいいと。そういうところまで「はい、分かりました」と言うことではなく、良い人材を集めるには、お金を払うというのは世の中の常識です。今は予算がないから出せないけれど、バスケットボールリーグが発展して、収入が入れば優秀な人材をトップに据えることでさらに変わると思います。今は「全員変えないさいよ」と言われていて、理事の数も決められているけれど、「全員変えろ」と言われても、誰を変えればいいかは正直言って分かりません。優秀な人材はみんな仕事を持っている。サッカー界の中で良い人がいないかなと今考えています。サッカー界が今回は全面的に支援してくれているので、そういうところで細かいことについても全部Jリーグの関係者に聞いています。

――現状としてどうなるかはまだ?

川淵 全員変えることは大前提という話になっているから、たぶん残すとFIBAが何か言いそうですね。人材を見極めて5月くらいに変わるかな。だから、この2カ月間に集中的に人探しをやらなきゃいけないですね。財務の責任者を置くように言われていますが、財務の責任者についてはバスケットボールのことを知らなくてもそれなりの能力がある人を置けば何とかなると思います。問題は会長と事務総長です。そこは相当の実力があってバスケットボールのことを知っている人の方が良いと思います。

――選手登録費の200円値上げの根拠について、何か数字を算定されたうえでの計算か?

川淵 特に指導者育成の場合、国内ではもう限界があると。だから、海外に長期で派遣して勉強させて代表のヘッドコーチをやらせるようなところまで考えないといけません。ジュニアユースの海外遠征その他含めて、どうしても財政的にゆとりがない。法人化、事務所を借りる、そこに決断できる人材を置くというところから言うとお金が足りません。ただ、そういうことをやることによって法人化や事務所の確保がスタートする。そこを起点に地方協会が発展すると思います。

6月くらいに会長を決めなくては

――全国的に地方協会を法人化をすることによる具体的なメリットは?

川淵 法人化をしていないと社会的に地位は認められていませんよね。事業をするときに、適当な財務諸表というものはなくて、適当なお金の使い方が許されるんです。チェックする人がいませんから。お金の使い方に責任と透明性を持って、地域社会に協会の運営をオープンにする。そのことによって、新しい事業を自分たちで創出する。そうすることで県協会の新たな子供たちに対する教育などいろいろなことができるわけです。そのためにちゃんと自立した状態にする。そして事務所があればきちんと常駐する責任者が出てくる。こういうことを言うと失礼かもしれませんが、時間もあってとりあえず何かあればいいかと言って、その県協会のトップになっている人もいる可能性があります。サッカー界もありました。そういう人ではなかなか事業化、県の活性化だとかの思いがめぐりません。いろいろな企画立案をして、県協会独自で収入源を見いだし、バスケットボールの活動を進めるためにこそ必要なんです。法人化するとき、サッカー界の地方協会の人はみんな同じように言いましたよ。「メリットは?」って。

――現在もか?

川淵 いや、(法人化を)全部やっちゃいましたよ。僕のときにやりました。サッカーは全部の都道府県協会に事務所があって、そこで女性の事務員が1人いて何か聞かれても「私は分かりません」というような事務員は置きません。責任を持って答えられる責任者を置けということです。だから、何か聞かれても「私では分かりませんという状態ではだめだ」となっていて、その人件費の一部を出しています。だから、バスケットボール界だって今のリーグや代表が強くなっていけば、可能性があるということです。今、生まれ変わらないと生まれ変わることはないと思います。

――今後の会長など役職について、外部からの就任可能性と就任の時期は?

川淵 空席のままではいけませんから、とりあえず6月くらいに会長を決めなくてはならないことはとてもプレッシャーです。全部刷新しろということは、今までの幹部が責任を負わないと、新しい組織に変わったということにならないよということ。やはり変えなくてはという気持ちです。今、考えているのはバスケットボール界以外の人が就くことができるかです。バスケットボール界で見つかれば一番いいですけれどね。

――確認だが、5月中に評定しなければならないというのは、今まで6月だったものが1カ月早まったということか?

境田 そうです。5月中にしっかりとした形が見えないと6月のFIBA総会では判断が難しくなるので早めた方が良いということです。

川淵 新しいリーグを作るときに脱退届と加入届を全部見て、これは1つになると判断してオッケーを出すので、なんとなく「1つになります。間違いありませんよ。いずれ統一されますから」という言葉ではFIBAは認めないということです。具体的な証拠があるという意味で、期限が早まったということです。

――理事と評議員はどれくらいの人数にするイメージか?

川淵 「理事は減らせ」と言われているけれど、僕は減らすことには反対です。やはり文科省のいろいろなルールや他の競技団体を見ても、一挙に減らす必要はないと考えています。だから、理事は15人から20人にできればと思っています。

――評議員は? また外部理事はどれくらいか?

川淵 評議員は今の数から増えてもいいと思っています。評議員の数についてはあまりこだわっていないです。外部理事は2、3人いていただければと思います。

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