ハリルホジッチ「勝利を多く届けたい」=日本代表新監督就任会見

スポーツナビ

負けるのが大嫌い

「勝利に対する意識を植え付けたい」と、3月の2試合は結果にこだわることを明言した 【スポーツナビ】

――日本サッカーの印象と課題は? 具体的にどんなサッカーをすれば世界のトップと戦えると思うか?

ハリルホジッチ この2週間はいろんなビデオを見た。ブラジルW杯、アジアカップについて全試合を見て分析した。いくつかのクオリティーがあると思う。結果はすべてが良かったとは思わないが、彼らはクオリティーを見せた。しかし、そうは言っても少し自信を失っているかもしれない。いくつかの点で向上させることができると思っている。簡単なものも難しいものもあるが向上可能だ。先ほどお伝えしたとおり、少し時間がほしい。そうすることで皆さんにより良い結果を見せることができると思う。

 私は人物的にかなり要求が高い。そして負けるのが大嫌いだ。私がこれまで仕事をしてきた中で、負けたときは少し病気になってしまった。私がいつも発する一言目は“勝利”だ。例えば、世界で一番強いチームと対戦するときでも勝つトライをしようとする。問題となるのは、トライをせず、負けてしまうことだ。私がここに来たことで勝利に対する気持ちを植えつけたいと思っている。3月に2試合あるが、これは絶対にふたつとも勝利しなければならないと思っている。私はネガティブなことを言うのが嫌いだ。彼らを復活させたいと思う。3月の試合でW杯出場に向けた最高の試合をしたいと思っている。

――メンバー選考の基準はこれまでの代表選手がベースとなるのか? 1から選ぶつもりなのか?

ハリルホジッチ まず皆さんに伝えなければならないのは、まだそれほど日本代表を深く知らないということだ。そのために、霜田さんと短い時間だがディスカッションをしていろいろ話した。おっしゃるように、これまで代表経験のある選手も選んだ。何年か代表でプレーした選手も見ている。もちろん何試合か試合を見て、だんだんと知ることができてきた。リストとしては少し、今までと同じようになるかもしれない。けがをしている選手がいるが、私はけがをしていても会いたいと思っている。なぜかというと、まだみんなのことを知っているわけではないし、私の意見や哲学、仕事の仕方を伝えたいからだ。早く彼らと会って話がしたい、どんな仕事をするのか説明したいと思っている。明日、明後日で何試合か見るつもりでいる。日本でプレーしている選手の長所をできるだけ早くつかみたい。もちろん選手を知るために、ビデオもたくさん使う。最初は少し難しい仕事になるかもしれないがそれはすぐに解決すると思う。

日本代表としての戦い方をしたい

――少し時間がほしいと言っていたが、あと3カ月でW杯予選が始まる。チームを作り上げることはできるのか?

ハリルホジッチ おっしゃるように時間がない、時間が必要だ。そのために、代表の日本のスタッフを含めてたくさん仕事をしなければならない。私はいろんなところに出かける必要がある。もちろん私は現段階の力よりさらに力を引き出さなければならないと思っている。私はすでにデリケートな状況で仕事をした経験がある。できるだけ早く彼らに自信を与え、勝利に対する意欲を与えなければならない。最初に会って話さなければならないし、ビデオもたくさん準備しなければならない。ディフェンス面に関してもオフェンス面に関しても分析しなければならない。それに関して多くのアイデアを持ってきた。私のやり方に対して選手がモチベーション高くやってくれることを望んでいるし、どうやってプレーするのかを受け入れてもらわなければならない。日本代表については規律正しく、何か大きなことを成し遂げる準備ができているのではないかと感じている。それに関しては楽観的に見ている。

――ハリルホジッチ監督のサッカーは攻撃的なのか、それとも守備的なのか? サッカーの哲学を教えてほしい。

ハリルホジッチ フットボールには2つの面がある。ボールを持っているときと持っていないときだ。ボールを持っていないときがどうなっているのかと言うと、みんなが同時にブロックを作って守備をしている。守備ブロックに関しては高い位置、中くらいの位置、低い位置というのがあるが、全員が関わらなければならない。全員の努力が必要な状況で一人が欠けていてはならない。われわれがボールを持っている状態のときもある。これも同じで、ビルドアップについてもみんなが関わらなければならない。

 私はもともとFWだった。全選手に期待したいのは効果的な選手であること。私はどちらかと言うとオフェンスが大好きで、ビルドアップもどんどん前に行ってほしい。攻撃にたくさんの選手が関わってほしい、たんさんの人数を掛けたい。これに関しても向上させたいと思っている。スピードであったり、ボールタッチ数も制限していきたい。例えば、ワンタッチ、ツータッチも多く使っていきたい。ペナルティーエリアのところでは何人もの選手が関わっている状況にしたい。3人ないし、4人だ。そういったことにどんどんチャレンジしたいし、日本代表もこういったクオリティーを持っていると思うので、おそらく現段階のレベルよりもさらに高いものが見せられると思っている。

 最初に選手たちとこういったことを話したいし、個人のクオリティーがチームに生きてくるという話もしたい。バルセロナやブラジルのようなサッカーをしたい指導者もいると思うが、われわれは日本なので、日本代表としての戦い方をしたいと思う。現代フットボールでは高いレベルが求められる。フィジカル、テクニック、タクティカル、メンタル面でもそうだ。それに対して高いレベルに到達しなければならない。そういったことを向上できると楽観的に考えている。勝利することが大事で、皆さんに勝利という言葉をたくさん届けたいと思う。この考え方に関して、貢献する選手が必要だ。スターというのは選手ではなくチームがスターだと思っている。そうは言っても個人的な能力をだめにしてはいけないと思っている。ただ、そういったスター選手のような能力を持った人でもチームのために仕事しなければならない。どうやって組織的に戦うのかというのは選手一人一人と話したい。それは攻撃面でも守備面でも同じだ。できるだけ早くそういった仕事がしたいと思っている。

 これからグループとしてプレーしていくが、メンバーは毎回変わるかもしれない。今のところ確定している選手はいないし、スターティングメンバーも決まっていない。まずプレーしてもらう。国内の選手、国外の選手もそうだ。国内のフットボールをしっかり見て、Jリーグでも能力の高い若い選手がたくさんいると聞いている。できるだけたくさんの選手に可能性を与えたいと思っている。日本代表というのはすべての人のためのものだ。ただそこに入る能力がある選手が入るということだ。

2/3ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント