ハリルホジッチ新監督の招へいが正式決定 霜田委員長が交渉の経緯や選定理由を説明

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あくまで指導者としての資質、力量で評価

霜田技術委員長はあくまで指導者としての資質、力量で評価したと語る 【スポーツナビ】

──最初にハリルホジッチ氏に会ったのはいつか? それからアギーレ前監督の問題があって、候補者の身辺調査のハードルが上がったと思うが、どのような作業が進められていたのか?

霜田 2月8日に出国して、21日に帰国しました。その中で多くの監督の情報を得ることができました。そのうちの1日で彼と直接会って話をして、彼の気持ちやサッカーの考えなど、いろいろ話をすることができました。その期間に一度会っています。それからチェックの話ですが、技術委員会としてはあくまで指導者としての資質、監督としての力量で評価したいと思っています。前回の教訓がありますので、協会全体でしかるべき部署がしっかりチェックしていると聞いています。そこは協会にお任せしています。

──アギーレ前監督の契約解除の際に、大仁会長に「辞めさせてくれないか」という話をしたそうだが、新監督が決まった今、ご自身の進退についてどう考えているか?

霜田 アギーレ監督の契約解除をしたときに、会長や原専務理事に(辞意を)伝えたのは事実です。そのあとに、次の3月の試合、6月のW杯予選は待ってくれないし、日本代表は止まるわけにはいかない。次の監督を探すことが責任を全うすることだと言っていただきまして、ハリルホジッチ監督の招へいに技術委員会全員であたってきました。今このタイミングで、彼と話をし、彼に日本に来てもらうように要請しました。協会の人間ではありますけれど、人間同士のつながりの中でこちらに来てもらった以上、このタイミングで仕事を放り出すのは無責任だと思っています。新しい監督が決まり、新しいプロジェクトが始まりましたので、今私がやれることはハリルホジッチ監督をちゃんとサポートすることだと思っています。

3月の親善試合の指揮には間に合う

──来日の予定とビザの問題、それから月末に予定されている試合での指揮は可能なのか?

霜田 理事会の冒頭で監督を承認していただきました。そのタイミングで現地に連絡をとり、現地で就労ビザが発行されていると確認がとれています。本日、フランス時間の夕方のフライトで日本に向かいます。3月の指揮には間に合います。

──監督が日本人のストロングポイントやクオリティーを評価していたとのことだが、具体的にはどういうことか?(小谷紘友/サッカーキング)

霜田 監督の口から聞いてもらうのが一番いいと思いますが、いろんな話をしている中で、欧州で活躍する日本人選手の情報は十分に持っています。日本人のプレーのストロングポイント、ウイークポイントも含めて、どの部分を伸ばしていけば世界と十分に戦えるのかという点をいくつか挙げていました。具体的にいくつか言うと、もともと言われている俊敏性や持久力や勤勉性、しっかり規律をもってコレクティブに戦える資質を日本人はすでに持ち合わせているだろうと言っていました。日本人はこうやって戦うというのを具体的にイメージしながら監督は話をしていました。

──ハリルホジッチ監督が挙げた日本サッカーの課題は?

霜田 まだ始まっていないので、あまりむやみなことを言わないほうがいいと思っています。監督はそこも十分に分かった上で、自信をもって「日本はまだまだ伸びる」と言ってくれています。今後も練習や試合を通じて監督から聞いてもらえればいいかなと思っています。

監督は勝利への執着心を強く要求してくる

原専務理事は監督の身辺調査について、外部機関にも依頼したと説明している 【スポーツナビ】

──アギーレ前監督は、日本人と体格的に近いメキシコ代表を率いていたが、ハリルホジッチ監督はコートジボワールとアルジェリアという、フィジカルが強いチームを率いていた。霜田技術委員長はどのあたりが日本代表に合うと考えているのか?

霜田 真面目さ、勤勉さ、手を抜かないことを非常に要求する監督で、アフリカの選手よりも日本のほうがそういう面で長けている。勤勉性も含めてチームのために戦える、あるいはチームのために犠牲になれるというメンタリティーも日本の選手は持っているだろうという分析をしています。なので、勝利のためには手を抜かず、やれることはすべてやる。勝利するためには完璧主義者でありたいと監督も言っていますので、やはり代表チームは勝たないといけないと思っています。何とか良いサッカーで勝利をして、サポーターやスポンサーやファンの皆さんに勝利するところを見せないといけない。そういう勝利への執着心を監督は非常に強く要求してくると思いますので、そういうところを日本代表にもたらしてくれればと思います。

──原専務理事、身辺調査に関して協会はどういうアプローチをしたのか? 契約期間は言えないということだが、W杯ロシア大会を前提とした契約という理解でいいのか?

 技術委員会のほうからある程度、候補者が上がって来た段階で、当然われわれも内部でも調べています。外部機関にも依頼して、そういう(身辺)チェックもするということにしました。今は海外でもそういう調査機関がありますので、そういうところにしっかりチェックをお願いして、その上で問題ないということになりました。

霜田 契約期間は話せません。目標はもちろん、W杯に出ることです。そのために連れてきた監督ですので。

──歴代代表監督で初のイスラム教徒の監督になると思われるが、食事面などのサポートについて技術委員会のほうで何か考えていることはあるか?(宇都宮徹壱/フリーランス)

霜田 監督がイスラム教徒かどうかということは、本人には確認していないです。日本にはいろんな宗教の方が生活されていますし、特別に何かをしなければならないというリクエストは聞いていないです。

※質問者に関しては、掲載許諾の確認が取れた方のみ明記しています。記名のない方は確認が取れていない方ですので、拒否されている訳ではありません。

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