女子を輝かせるランの祭典 名古屋ウィメンズでキラキラ増幅

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カラフルなウェア、コスプレランナーもたくさん

国歌斉唱したMay J.さん、スタート後はランナーに声援を送った 【スポーツナビDo】

 あいにくの雨模様だった前日とは打って変わって、大会当日は突き抜けるような青空。午前8時すぎ、スタート・フィニッシュ地点であるナゴヤドームに到着すると、色とりどりのウェア、シューズに身を包んだオシャレなランニング女子たちでいっぱい。朝日に照らされたその姿はより一層華やかに見え、僕のようなオジサン記者にはこれだけで十分な目の保養だ。

 歌手May J.さんのパワフルな国歌斉唱で幕を開けた本大会。ホイールチェアマラソンに出場するランナー、世界陸上の代表権を狙うエリートランナーに続き、いよいよ一般ランナーがスタートした。

ドアラもゆるーく応援 【スポーツナビDo】

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 先ほど歌でエールを送ったMay J.さんや、名古屋が誇る国民的ゆるキャラ・ドアラも応援する中、一斉に駆けていくランニング女子たち。エリートランナーと変わらないスタイルの人もいれば、この日のためにバッチリとコーディネートを決めてきた人、友だち・仲間同士おそろいのウェアの人、ドラえもん、マリオ&ルイージ、アナ雪、ジバニャン、朱美ちゃん、なぜか阪神タイガースのユニフォームといったコスプレランナーなど、そのランニングスタイルはさまざまだ。

ジバニャン 【スポーツナビDo】

マリオ(右)&ルイージ 【スポーツナビDo】

本仮屋リイナさんに見とれていると……

東海テレビのアナウンサー・本仮屋リイナさんに見とれていたら…… 【スポーツナビDo】

 と、その中にハンディカメラ数人に囲まれて走っている美女がいる。誰だろう? とりあえず写真に収めねば! と思いシャッターを切ること数回。後で確認してみると、その人は東海テレビのアナウンサー・本仮屋リイナさんだった。さらに、その隣に番組の企画でお笑い芸人の白鳥久美子さん(たんぽぽ)もいた……らしいのだが、僕は完全に本仮屋アナに見とれていたらしく、白鳥さんが映っている写真は1枚たりともなかった……(白鳥さん、本当にゴメンナサイ!)

目立っていたのが台湾から来たランガールたち、総じてノリがいい 【スポーツナビDo】

 とまあ、そんな感じで写真をバシャバシャと撮っていたら、ふと、あることに気が付いた。それは、海外ランナーの姿が目立ったことだ。顔やウェアにペイントされている国旗を確認すると、台湾が多い。そう言えば前日のEXPO会場でも中国語と思われる言語が盛んに飛び交っていたのだが、どうやら海を渡ったお隣・台湾の女子たちの間でも、ランニングブームが巻き起こっているようだ。

ティファニー、イケメンタキシードがお出迎え

イケメン集団「おもてなしタキシード隊」がお出迎え 【スポーツナビDo】

 すべてのランナーのスタートを見送った後は、ひとまずナゴヤドーム内へ移動。仕事をしつつ、お昼ごはんを食べながら待つこと3時間ほど。このころになると速い一般ランナーはもうゴールし始めている。と言うことで、僕たち取材班もフィニッシュ地点付近へと赴きランナーをお出迎え。いや、ランガールたちが本当にお出迎えしてほしいのは僕たちではなく、イケメン集団「おもてなしタキシード隊」の面々だ。

大胆にもお姫様抱っこをしてもらう女性も 【スポーツナビDo】

 この「おもてなしタキシード隊」も、女子目線を徹底的に意識して作られた名古屋ウィメンズマラソンの大きな特徴の1つ。さわやかなイケメン、ちょっとワイルドなイケメン、渋いイケメンなど様々なタイプのタキシード隊総勢50名がフィニッシュライン後のレーンでお出迎えしてくれるのだ。42.195kmを走りきり、心身ともに疲労困憊の女子たちにとって、これは何よりの癒し。思い思いのタイプのタキシード隊員のもとに駆け寄り、そこかしこで記念撮影会がスタートしていた。

完走したランナーにはティファニーのオリジナルペンダントをプレゼント 【スポーツナビDo】

 そして、タキシード隊よりさらにランガールたちをときめかせたのが、名古屋ウィメンズマラソン最大の特徴と言える完走賞――ティファニーのオリジナルペンダントのプレゼントだ。世の女子たち憧れのブルーボックスをタキシード隊から手渡され、みんな幸せそうな笑顔。お給料やお小遣いで買ったり、また大切な人からプレゼントされたティファニーももちろん思い出に残るでしょうが、フルマラソンを完走した証として手に入れたこの日のティファニーもまた、一生の思い出に残る一品になることでしょう。

笑顔が素敵な19歳、笹部実季さん

笑顔がまぶしい19歳の大学生、笹部実季さん 【スポーツナビDo】

 ここで、ゴール後の笑顔が素敵だったランガールに話を聞いてみた。大学生の笹部実季さん、19歳。

「高校生のときにフルマラソンを完走すればティファニーがもらえるということを知って、どうしても出たかったんです。でも、19歳以上じゃないと出られなかったので、今回念願かなっての出場でした!」
 中学時代はテニス部だったが、高校生のときは運動部に所属せず、これが約4年ぶりの本格的なスポーツ。しかも、これまで走った最長距離は15kmだというのだから、「死にそうでした(笑)」と実季さん。それでも頑張れたのは、沿道の応援があったからだと言う。

「半分を過ぎたあたりからつらくなってきたんですが、みなさんの応援に励まされました。あの応援がなかったら完走は無理だったと思います」

 そんな実季さんだが、年頃の女子らしく途中の給水所にあったお菓子にもちゃっかり舌鼓を打ったようで、「丸いお餅が一番美味しかったですね」とニッコリ。また、6時間くらいかかると思っていた完走タイムも、終わってみれば4時間23分49秒の好タイムでフィニッシュ。

「すごく楽しかったですし、これからランニングが新しい趣味になりそうですね。今後、東京とか神戸、それに海外とか、色んなマラソン大会に出てみたいなと思います」

 そう言って、念願のティファニーゲートへと向かった実季さん。フルマラソンを走り終えた後でも終始、笑顔を絶やさなかったのは、ティファニーが待っていたから……というだけではなく、マラソン自体が本当に楽しかったからでしょう。

モデルのizuさん、涙の完走

モデルizuさんも見事完走、ゴール直後は涙が止まらなかった 【スポーツナビDo】

 一方、オフィシャルサポートランナーとしてフルマラソンに初挑戦した人気モデルのizuさんも4時間22分11秒の好タイムでゴールしていた。

「ランニングの気持ち良さを一人でも多くの人に感じてほしい」 【スポーツナビDo】

「ゴールした後は色んな感情があふれてきました」と、完走直後は涙、そして、また涙。その後、場所をナイキブースに移して行われたトークショーであらためて初マラソンを振り返り、「フルマラソンはドラマがありますね。何回、自分と戦ったか分からない。でも、新しい自分になれる感じがしましたし、ゴールした時は本当に気持ち良かったです!」と、大きな笑顔で語った。

「やっぱり女性ランナーはみなさんパワフル。後姿を見ているだけで力になったし、ガールズパワーを強く感じた」

 何度もくじけそうになりながらも、そのたびに同じランガールたちからパワーをもらった42.195km。そして何よりも、ランニングを頑張ってきた自分を信じることで、自分との戦いに打ち勝つことができた。
「自分がやってきた努力は自分を裏切らないと信じていました。今日はそれを強く感じた1日。私はもともと3kmぐらいしか走れなかったのに、半年でフルマラソンを完走できました。スポーツの中で一番手軽に始められるのがランニング。ウェアやシューズも可愛いし、形から入るのでもいいと思います。1kmでも、2kmでもいいので、ランニングの気持ち良さを一人でも多くの人に感じてほしいと思います」

 もうマラソンがないと無理!――トークショーの最後にそう笑って答えたizuさん、ますますランニングのとりこになってしまったようだ。

女性を輝かせるランニング

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 izuさん、そして19歳の大学生・実季さんのように、ゴールした後の彼女たちは喜び、笑顔、達成感、そして感動の涙と、浮かべる表情は人それぞれの思いがいっぱいに詰まったもの。だが、そこに共通するのは“キラキラ”とした輝きだった。

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 ティファニーやイケメンは、あくまでご褒美。女性たちみんなをこんなにキラキラさせたのは間違いなく、ランニング/マラソンなんだと感じたゴール地点の人間模様だった。izuさんはまた、こんなことも言っていた。

「仕事やプライベートのことで悩んでいるときがあっても、ランニングをしていると答えがいい方に転がっていく。自分を高めてくれる、良くしてくれるのがランニング。だからもう、やめられないです」

 ダイエットや美容のためにランニングを始める女性は多いと思う。でも、その実、外見だけじゃなく、むしろ内面こそを磨き上げて“キラキラ”にしてくれるのが真のランニング効果なのではないか――これはイマドキの女性人気もうなずけるし、女性にとってなくてはならないスポーツだと感じた2日間の取材でもある。
 来年はこの名古屋ウィメンズマラソンからどんな“キラキラ”ランニング女子が誕生するのだろうか。早くも2016年大会が楽しみになってきたし、ひとりでも多くの女性にぜひこの名古屋ウィメンズマラソンに参加してほしい。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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