今井正人、代表内定で「一歩前進できた」 世界陸上マラソン代表発表会見コメント

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「世界と戦う意識を持ってもらう方が大切」

酒井強化副委員長は「世界と戦う意識を持ってもらう方が大切」と訴える 【スポーツナビ】

――男子について、今井選手、藤原選手に続く佐野(広明)選手が落選してしまいましたが、レース内容なのでしょうか、ナショナルチームであるか、ないか、が影響しているのでしょうか?

酒井 佐野選手については順位とタイムというところです。今井選手、前田選手はナショナルチームの選手であるということと、佐野選手と藤原選手はナショナルチーム外の選手であるということです。前田選手につきましてはタイムが2時間11分46秒と見るからに遅いという感じではありますが、われわれもデータをとっておりまして、スタート前の体温が36.5度、ゴールした時点では33度ちょっとで、低体温症のような状況で走ったタイムでした。びわ湖毎日マラソンで前田選手の前を走っていた(セルオド・)バトオチル選手は、福岡では(2時間)8分50秒で走っています。その選手の28秒後に前田選手が走っている。気温が良ければそれくらいのタイムでは走るだろう、というようなことを考えて選考させていただきました。

――重友選手のレースで評価が高かった点は?

酒井 ペースメーカーがいない中で自分で(設定記録の)22分30秒で走っていこうという内容であったということです。また、(優勝した)(タチアナ・)ガメラ選手はもっと高い目標で走っていったわけですけれど、20キロ以降で離れてしまったとはいえ、その前までは自分がレースを引っ張っていきました。そういうところに「世界と戦う」という意志を感じてわれわれは選ばせていただきました。

――ペースメーカーの有無はレースごとに任されていたが、ペースメーカーに設定記録を上回るペースを作るように陸連からリクエストがあっても良かったのでは?

酒井 今回、初めて日本陸連ではなく大会の方にペースメーカーをお任せしました。ペースメーカーの有無、どこまでいくかも、もちろん議論の対象になります。その中で言えることは選手が(設定記録の2時間)22分30秒をどれだけ意識して走っていこうとしたか。そこをクリアしていれば、世界陸上、リオ(五輪)まで続いていくわけです。そういうものを選手に持ってもらいたかったし、ラストスパートで勝って余力があるのであれば、途中で逃げるとか、そういうものも必要だったんじゃないかと思います。

 これは男子にも女子にも言えますが、国内で勝つことよりも世界と戦う意識を持ってもらう方が大切だと思っています。(2時間)22分30秒、(2時間)6分30秒という高い目標を出したときに、「できるの?」とも言われましたが、それを提示すれば選手は狙っていくということもある。ただ、ペースメーカーについてはもう少し、考えていかなくてはいけないなと感じています。

――今の体制でリオ(五輪)までいくとすると、選考の基準もそのまま、優勝を狙って先頭集団でいける選手を求めて、高い目標を掲げていくということか?

酒井 高い目標を掲げていくということです。そういうご意見も原案策定委員会の中でも出ました。その中で女子の指導者も「最初からそこにいなければ勝負にならない。昔とはレースが違う」ということを話されて。後ろからいってペースを上げることはできます。ただそれは(2時間)26分ではないです。(2時間)23分とかそういうレベルまでいかなくてはならない。何度も言いますが「ただ出場する」というのはやめようと。世界と戦うためにこの1年活動しているので、それは踏襲していかなくてはいけないですし、ここでこういう選手を選考したことがわれわれのメッセージではないかと思います。

――勝つためというのであれば、前回5人の中で3人しか選ばなかったので、今回も3人選ぶ必要はないのでは?

酒井 前回3人しか選ばなかったという背景は、(選手の中に)「レースの中で日本人トップになれば選ばれる」というのがありました。世界と戦えるか戦えないかを考えて、前回は外させていただきました。今回は「戦おう」という意志があるということで、そういう意志を持っている選手を選ばさせていただいたということです。

――今大会の目標は?

原田 今回の世界陸上での日本選手団の目標は「メダル2、入賞6」を掲げています。メダル2の中には競歩種目、やり投げ、マラソンも含まれる。入賞に関しても、入賞できる種目が増えてきている中で6の入賞を目指す、ということにしてあります。

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