制球ではない、阪神・藤浪の最大の課題 佐野慈紀氏「球の強さ、キレ向上を」

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3年目のキャンプでは腕の振りなどフォーム改善に取り組んだ藤浪を佐野慈紀氏が解説する 【写真は共同】

 阪神・藤浪晋太郎が3年目の春季キャンプを終えた。1月には広島・前田健太らと自主トレを行うと、キャンプ前には、開幕投手を目指すという発言で自らを鼓舞し、2月はコントロールなど課題克服に努めた。4球団競合のドラフト1位で入団以降、10勝、11勝と順調にエースへの階段を登りつつある右腕の成長と今後への課題について、阪神キャンプを視察した野球評論家の佐野慈紀氏に聞いた。

戸惑いながらのフォーム修正

――キャンプの藤浪投手を見て大きく変化したところは?

 ボールを「上から叩こう」という意識が強くなったと思います。昨年までは、疲れると体の回し方と腕の振りが横になって、制球を乱していました。キャンプのテーマはそれを改善し、力の入れ具合を修正するという2点だったそうです。彼は横振りの傾向がありますが、縦振りがベストだと感じてフォーム修正に取り組んだのでしょう。

 ピッチングも見ましたが、縦振りができている球の威力はホームベース手前で強く来ています。そのようなボールが決まり始めたら打者は打てませんね。

――実戦の成績を見ると、2月21日の横浜DeNA戦では3回3安打、3四死球で4失点、28日オリックス戦では5回3安打、2四球も無失点でした。

 プロ入り3年目のフォーム修正にはとても勇気が必要です。昨年の秋からやってきたこととはいえ、実際にテーマとして本人が言うところの「上から叩く」「脱力感」は、ブルペンと実戦で状況が違うのですぐにはできないでしょう。しばらくは試行錯誤が続き、オープン戦では戸惑いながらの投球になると思います。

コントロールよりも球の強さ、キレを!

――昨年の成績を見ると、与四球率がリーグワースト、奪三振がリーグ2位というのが顕著です。

 与四球は、かなり意識しているでしょう。藤浪だけではなく、他の阪神投手陣にも言えることですが、追い込んでから勝負するまでの球数が非常に多く、勝負し切れていない。追い込んでから大胆に行ける投手が少ないです。フルカウントにして、そこからの四球も多いです。

(メッセンジャーが与四球率リーグワースト3位ということもあり)阪神投手陣全体の問題で、原因はいろいろあると思います。ただ、これを改善しないと藤浪が目標に掲げている「180イニング以上」はなかなかクリアできないと思います。まずは少ない球数で投げることです。

――藤浪投手にとって大きな課題は?

 しっかりと球の強さやキレを向上させて勝負に行く時は、自信を持って投げ込んでほしいです。少々甘くなっても球の強さ、キレで勝負できる投球をすれば意外と球数も減らせるし、180イニングは簡単にクリアできます。目標としてコントロール向上があったとしても、球のキレや強さがないと、どれだけ厳しいコースに投げても打者に打たれます。ブルペンでは最後にアウトコース低めに決めていますが、試合になると疲れなのか、時々決め切れないことがあります。メリハリがなくなるんですね。それが球数を増やす要因になっている気がします。

 エースになるためには課題は多く、クイックなど細かい点はたくさんあります。ですが、できるできないは別にして球数を減らせばスキを与えないので問題ありません。

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