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川淵チェアマン「新しい発見もあった」
bj、NBL代表者会合後の記者会見

「五輪予選には絶対に間に合わせなければならない」

「リオ五輪予選には絶対に間に合わせなければならない」と、川淵チェアマン(右)はあらためて決意を語った
「リオ五輪予選には絶対に間に合わせなければならない」と、川淵チェアマン(右)はあらためて決意を語った【スポーツナビ】

――チェアマンに就任されて、理想と現実のギャップはどれほどあったか?


川淵 Jリーグを作るときはプロのチームではなく、条件的に各クラブは企業チームとして一律に並んでいた。基準を突破しない限りどんな実績があるチームでもJリーグに入れないと断言できた。今回は既にプロリーグがあって、片一方に企業チームがある。この条件を満たさないと認めないよ、ということを苦労しながらやってきたbjリーグの人たちにすごく言いにくい。そこをどういうふうに調和をとって、「そういう選定基準の上で決まるならやむを得ないな」と思えるような調査と将来展望も含めて最終決定に持っていかなければならないと思っています。


 これはずいぶんしんどい話だなと。しかもサッカーの場合は5年かかって、各都道府県の知事や市長にお会いしてリーグの理念を語り、どうしても協力してほしいということを続けて結成に至った。今回はたった4カ月ちょっとで決めなくてはいけない。時間がない中でFIBAが「これでよし」と認めるプロリーグとしてのやり方をどうスピードアップしてやっていくのか。そのためには、例えば「5000人以上の収容人数のホームアリーナが必要ですよ」と言ったときにすぐにはできませんよね。それを市長さんが「3年後に絶対作ります」と言ったら認めるとか、そういう手法で将来のあるべき姿を(明確にした)クラブを1部のクラブとして認めていくとか(も考えている)。


――そんな中で、リオ五輪の予選が始まるが、間に合うか?


川淵 これは絶対に間に合わせなければならないと思っています。ファンのためにも選手のためにも、ここは我々が最大の努力をするべきところ。FIBAが認めてくれるかどうか、常にコミュニケーションを取りながら最善の方法を見いだしていきたいと思っています。


――サラリーキャップ(選手に支払う年俸の上限を設定する制度)は認めないという話ですが、例えば世界的な大企業を親会社に持ったチームが3億円を出資するということになった場合、そのチームのフロントはそれ以外のスポンサー営業を頑張らなくても、他チームより裕福な経営ができてしまう状況が生まれる懸念はないのか?


川淵 そういう可能性はあまりないと思います。財務内容を全部オープンにするわけです。3億円以外にスポンサーを集められない、集客もそうですがプラスアルファでまったく努力していない数字は全部オープンにされます。「一体この経営者は何をしているんだ?」という結果がファンにも明確に出る。だからこそ、経理の透明性は非常に大事なんです。(もしそのような状況が生まれたら)経営者として失格です。努力をして初めて経営者として認められる。そういう努力が選手の給与を上げ、サービス向上にもつながる。それを心配していたら企業チームを認めるということにならない。僕は企業チームの存在そのものが全体を押し上げる力になると思うから企業チームを認めると言っています。(全チームの経営状況の公開を)僕は絶対にするべきだと思っている。それは必須条件です。


――5000人収容できるアリーナやチーム数を話していたが、3月4日のタスクフォース会議では川淵チェアマンの意見をたたき台にするのか? また、4日に基準を作ってすぐに新リーグに参入するチームの募集をかけるのか?


川淵 初めのご質問はその通りです。


(チームの)募集というよりは、今は全部で47クラブ(bjリーグ、NBL、NBDL)があります。そこに対して、「こういう基準でトップリーグを作っていきたいので、各クラブの置かれている状況を報告してください。将来の計画も含めて報告してください」ということを、3月4日に決めて各クラブに通知するわけです。その返事をもらうのが5月中旬くらいということになります。それを見た上で分析をして、微妙なラインにいるクラブはたくさんいるわけですから、クラブの能力・実力・実績その他を見ながら線を引くことになるのかなと。この線の引き方も、その時はなかなか線を引けずに、やっぱりもう2〜3カ月後まで次の展開を図ってほしいと押し返して、その先に決断するということもあり得る。ただ、今の段階では5月中にできたら決めたいと思っている。なぜかというと、地元の行政などが「1部にいるならこういうことしてあげるよ」ということが結構ある。(決定が)延びると行政が決断しにくいということがあるので、しっかりとヒアリングをしたうえで最終決断を出したいと考えています。

「日本バスケ界の顔となる選手は渡邊雄太」

――今日の各クラブからの質問や意見で印象的なものや参考になった部分はあるか?


川淵 長野県(信州ブレイブウォリアーズ/bjリーグ)と北海道(レバンガ北海道/NBL)ですけれど、「ホームアリーナ(で8割の試合を行うこと)が絶対必要で、あと2割は代々木であろうがどこであろうが日本全国回っていいよ」という発言をした中で、長野の地域あるいは北海道としては、「地域全域で回ることができた方が良い」という話があった。それは、「クラブがそうした方がより多くのお客や支援が集まるということが明確であったのならば、ホームアリーナにこだわらなくていいよ」と申し上げました。それは特殊な事情だと思いますね。今日、(Jリーグの)コンサドーレ札幌が『北海道コンサドーレ札幌』と名称を変えたと聞いて、コンサドーレもそういうことで北海道という名前をつけた方がいいんだなと思いました。僕自身がそういう発想がなかったものですから、そういう考え方でプロクラブがうまくいくということならいいと思いますし、それは今日の新しい発見でした。


――バスケ界の統合と発展のためには選手個人の人気も必要だと思うが、日本バスケットボール界の顔となる選手は、どういう選手がいると思うか?


川淵 それは文句なしに、ジョージ・ワシントン大学の渡邊雄太選手です。ジョージ・ワシントンのシックスマンとして勝負どころで出てきて安定したプレーを見せている。フォワードで活躍できる選手が、アメリカの中で出てきたなという印象がある。僕は皆さんの前でも申し上げたけれど、日本代表チームが見えない。渡邉選手のシーズンオフに、日本代表が彼を入れて海外のチームと国内で試合をすると、僕だって見に行きたいですよね。そういうことをバスケ協会がやっているとは僕は思えない。スポーツ好きの僕の中にインプットされていないんです。僕はどんなスポーツも大好きです。今までのバスケ協会のそういう面の代表に対する強化やアピール度は明らかに足りないなと思います。


――4月に社団法人を立ち上げるということだが、bjリーグが株式会社化していてその在り方が統合のネックとなっていた。そのあたりはどのように考えているのか?


川淵 なぜ自分がバスケと関わったかと言うと、小浜(元孝/元日本代表ヘッドコーチ)さんが6月か7月に訪ねてきて、「バスケ協会を何とかしてくれ」と直接お話に来られたんです。そんな方に言われてもと思ったけれど、河内(敏光)さん(bjリーグコミッショナー)はプロ化のときに相談を受けていたし、深津(泰彦/元JBA会長)さんと話して、両者がなかなか犬猿の仲で、文章の往復はあるけれど実際に会う気がないという関係だった。そして、(もともと面識があった)アルビレックス新潟(取締役会長)の池田(弘)さんが(bjリーグの)会長をしているとのことだったので、深津さんと河内さんと池田さんと4人で4回ぐらい会議をしたんです。そのときにbj株式会社をどうするかということが一番ネックだなとなった。それなりの資本金があって、それをそのままつぶすというか、なくすにはいろいろな規制が多過ぎるなと。ここがなかなかうまくいかなかったことが、一つのリーグにできなかった理由の、すべてではないけれど一つだった。


 なので今回はそこにこだわっていたら何もできない、発展できないと分かっていた。とりあえずは夢のある、将来大きく伸びそうなトップリーグを作るというビジョンを掲げて、bjリーグ株式会社はその後で考えればいいと話を進めてきて、境田弁護士と池田さんとの話し合いの中で、いろいろな運営に携わる、あるいは新しいマーチャンダイジング、テレビの映像管理といった会社を作ったときに株主として入るかどうかというところで、折り合いがつくかどうかというところを今やっています。ある程度はリーグの結成に身を切って努力してもらえるという感触は得ています。


――欧州のように、Jリーグがバスケに協力できるようなことはお考えか?


川淵 僕はそうなってほしいんです。村井満(Jリーグ)チェアマンもそういう考えを持ってくれていると思います。例えば東芝(ブレイブサンダース)神奈川(NBL)が等々力のアリーナでやっているので、まさに等々力陸上競技場(川崎フロンターレのホームスタジアム)のすぐそばですから、川崎東芝なんて名前でフロンターレと一緒にやれれば……、片一方、富士通と東芝だからどうかなとは思いますけれど、そういうことでJリーグのクラブとバスケのクラブが一体化して、FC東京のバレーのようなものですが、新しい組み合わせができればいいなと個人的には思っています。でも、(サッカー界において)自分で動ける立場ではもうないので。


 とにかく、最後にバスケットのことを報道してもらうことが一番のお願いです。今日なんか相当厳しいことを(各クラブの代表者が)僕に言ったら記事になると期待していたけれど、そういう質問がなくてちょっとがっかりした。バスケットボールの将来を見守ってもらえると本当にありがたいと思います。

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