マクラーレン・ホンダ最下位も注目の的 コンパクトPUにライバル警戒
ホンダ始動、新車MP4-30
初の合同テストに臨んだマクラーレン・ホンダMP4-30。ライバルに遅れを取り、最下位からの船出となった 【写真:マクラーレン】
しかし、カラーリングがどうあれ、大事なのはマシンの速さだ。実際、新パワーユニット(PU)導入後にホンダがライバルメーカーから1年遅れて参戦することが、プラスに働くのか、マイナスに働くのかは、パドックにいるスタッフたちでさえ、多少マイナスという声が大きいものの、その意見は分かれていた。
迎えた合同テスト初日の2月1日。場所はスペイン南部のアンダルシア州にあるヘレスサーキット。日本でもすっかり有名になったイベリコ豚の生ハムやシェリー酒が有名で、さらに南東へ100キロほど走ればアフリカ大陸を望めるジブラルタル海峡がある。
ヘレステストはメカニックが悲鳴
メカニックたちにとってヘレステストは正念場。マクラーレンスタッフはトラブル対応に追われた 【写真:マクラーレン】
人間はマシンと違って休憩なしで働き続けることはできないので、昼食の時間なども、班を分けて取るなど、とにかく時間を無駄にすることなく、どれだけマシンの走行データを収集できるかを綿密に考えて行うことになる。特に新車のシェイクダウン場所でもあるヘレスでは、ドライビングミスなどでマシンを壊すことだけはないよう、ドライバーにも注意が言い渡される。本当にギリギリのスケジュールで完成したマシンなので、まだスペアパーツがそろってない場合も多いのだ。
さらに言うと、現代のF1ではレースウイークエンド中、エンジニアやメカニックたちがサーキットで働く時間も厳しく規制されているが、テストの場合は、どれだけ長時間マシンを整備していても問題はない。もしマシントラブルがあれば、メカニックたちは徹夜でマシンの修復や、大きなセットアップ変更のための準備をすることになる。ドライバーにとってもタフな日が続くが、それ以上にメカニックたちにとって最初の合同テスト4日間というのは、トラブルが多ければ多いほど睡眠時間が取れない、マシン以上に身体が悲鳴を上げるテストとなる。
そして今季一発目のテストで、最もメカニックたちの睡眠時間が少なかったであろうチームは……残念ながらマクラーレン・ホンダだった。