学生エースが『箱根から世界』目指す
東洋大・服部がマラソン挑戦へ公開練習
22日の東京マラソンに向けて公開練習を行った東洋大の服部勇馬(左)と酒井俊幸監督
22日の東京マラソンに向けて公開練習を行った東洋大の服部勇馬(左)と酒井俊幸監督【スポーツナビ】

 2月22日に開催される東京マラソンで、大学生ながら日本陸上競技連盟推薦選手として初マラソンに挑戦する服部勇馬(東洋大3年)が3日、東洋大・川越キャンパスで公開練習を行った。


 昨年2月の熊日30キロロードレース(熊本)では、1時間28分52秒の日本学生新記録を樹立して優勝。また11月の全日本大学駅伝では2区区間賞、今年1月の箱根駅伝でも“花の2区”で区間賞を獲得し、学生界エースとしての実力を示した。

 マラソン挑戦を決めた理由については、「2020年の東京五輪で、マラソンでメダルを取ることが最大の目標。今年から挑戦するのは、まずは来年のリオ五輪の選考会に出場するために、マラソンを経験しておく第一歩となります」と、5年後を見据えての挑戦だと話す。


 また公開練習前の会見に同席した酒井俊幸監督も、「(マラソンを走る)土台ができているので、箱根で終わらず、『箱根から世界へ』という原点に返って、世界に向けた取り組みをしてもらえたらと思います」と、指導者としてマラソン挑戦への後押しをしている。


 以下、公開練習前の会見での服部、酒井監督のコメント。

残りの時間で気持ちを切らさず調整

箱根後はけがなどもあったが、残り3週間で合わせていきたいと話す
箱根後はけがなどもあったが、残り3週間で合わせていきたいと話す【スポーツナビ】

酒井監督 (服部の状態については)箱根駅伝2区区間賞を狙い、それが獲得できたことは非常に良かったです。ただ、レース中の15キロぐらいから大たい部に痛みが出て、最後は痛みを堪えながら走っていました。箱根駅伝終了後は1週間くらい様子を確認し、回復に努めました。

 その後に1度目の合宿に行き、30キロと40キロ2本を行いました。学業試験もあったので、試験勉強と箱根後のコンディショニング調整、初マラソンの調整と、これまでにないトレーニングと調整をしてきました。


 合宿は順調で、速いタイムを出すこともできましたが、箱根後の足の痛みや、試験期間などもあり、普段のトレーニングの時と比べて、われわれが想定していた流れとは若干、ずれた部分があり、その反動が出てしまい、当初予定していた練習ができない状況です。 この1週間ぐらいは、アキレス腱が気になっており、調整をしている段階です。ですが、残り3週間あるので、合わせていきたいと思います。

本番に向けて、気持ちを切らさずに調整していく
本番に向けて、気持ちを切らさずに調整していく【スポーツナビ】

――ここまでのマラソン挑戦の取り組みはどうだったか?


服部 現在の状況については監督が言われたとおりで、箱根の後、少し状態が思わしくありませんでした。箱根では、自分の目標としていた2区区間賞が取れましたが、そこから合宿に入るまでの期間と、合宿の後の期間で、自分が理想としている走りや、体のバランスが崩れてしまい、頭と走りのギャップが生じているので、調整をしている最中です。


 ただ、初マラソンとして東京マラソンに出場するので、出場する気持ちは切れていないですし、数週間走っていないから体調が崩れるわけではないので、そこは気持ちを切らさずに、3週間を過ごしたいと思います。


――大学3年生でマラソン挑戦を決めた理由は?


服部 2020年の東京五輪で、マラソンでメダルを取るのが最大の目標です。ですので、今年から挑戦するのは、まず来年のリオ五輪の選考会がありますので、その前年度までに一度はマラソンを経験しておかないと、リオ五輪の選考外になってしまうため、そのための第一歩となります。


 また、五輪の選考会は4年に1度しかありません。五輪の選考会を経験できるのは、来年が最後となるので、そのために自分が最終目標としているところを今年から逆算して、マラソンを走らなければいけないという覚悟で臨んでいます。

世界を体感したい

昨年夏からマラソンのベースになるような練習に取り組んでいる
昨年夏からマラソンのベースになるような練習に取り組んでいる【スポーツナビ】

――酒井監督に質問。服部選手がマラソン挑戦を表明してからの取り組みはどうだったか?


酒井監督 昨年の30キロレースで学生新記録を出し、本人がマラソンを真剣に考えてきました。このタイミングで挑戦しようと提案したのは私ですが、彼の最終目標は、やはり五輪ですので、その中でリオ五輪を狙うと。そのためには、しっかり今年からやっていくことになりました。

 30キロの走りもそうですし、取り組みもそうですが、練習からマラソンを走れる土台はあったと思います。


 マラソン挑戦を決めてからは、ベースは箱根駅伝で優勝するための練習となりました。ただ、例年よりもマラソンの下地を考えたトレーニングをしてきました。夏からは彼を含めチームのメンバーも一緒にトレーニングしています。東洋大としては今回彼が出場しますが、これからもやはり準備ができている選手を箱根経由で、マラソンに勝負させたいなと思います。箱根駅伝前に40キロ走も行いましたし、夏から土台作りをして、彼の場合は出雲駅伝でも全日本でも、エース区間を走る予定でした。その中で、全日本では区間賞を獲得しています。


 今の箱根駅伝は、マラソン練習をやるぐらいに、土台ができていますし、まずは箱根で終わらず、『箱根から世界へ』という原点に返り、他大学もそうですが、若いアスリートが、世界に向けた取り組みをしてもらえればと思っています。

 40キロ走の内容は、実業団選手と比べても遜色ないレベルでできています。ただ、彼はあくまでも学生ですので、1月に気温が高いところや海外での合宿はできませんし、どうしても授業や試験があるので、やれないというもどかしさはあります。その上でどこまで勝負できるかをやってみたいなと思い、練習と箱根と学業と、それらの両立の中でやっているところです。

最終目標は20年の東京五輪でメダルを狙うこと。今年の東京マラソンはその第一歩となる
最終目標は20年の東京五輪でメダルを狙うこと。今年の東京マラソンはその第一歩となる【スポーツナビ】

――なぜ東京マラソンを選んだのか?


服部 東京はやはり、ワールドマラソンメジャーズ(主要マラソン大会のシリーズ)に入っています。その中で、海外の招待選手もレベルが高いので、そういった中で世界の速さを痛感、体感できるので、やはり東京が良いかと思いました。

 また2020年は東京での五輪開催となるので、そこを見据えたときに、初マラソンは東京がいいと自分は思ったので、それを監督に伝えました。


――東京マラソンまで1カ月を切ったが目標は?


服部 東京マラソンでの目標は、数字としては2時間10分を切りたいです。ただ、日本人だけではなく海外の選手もいます。その中で、世界トップクラスの選手と一緒に走って体感できるのは数少ない経験だと思います。そういう経験を生かし、2020年の東京ではケニア人選手やエチオピア選手と戦うことになるので、5年後を見据えた走りをしたいと思っています。まずは来年のリオ五輪を狙って走りたいです。

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