シャラポワvs.セリーナ、決勝はパワー対決=全豪オープンテニス
シャラポワvs.マカロワ、準決勝のロシア対決
3年ぶり4度目の決勝進出を決めたシャラポワ 【写真:ロイター/アフロ】
頂点まであと二つ、ここまで来ると、実力者たちは机上の予想では考えられない力を発揮し始める。シャラポワはこれまでエカテリーナ・マカロワ(ロシア)には5戦して5勝。しかし、昨年の全米オープンでも4強入りしているマカロワはここまで5試合で失セット0と完璧なテニスを披露、とりわけシモーナ・ハレップ(ルーマニア)との準々決勝は6−4、6−0とスキなしだった。一方のシャラポワは2回戦で予選上がりのアレクサンドラ・パノワ(ロシア)にマッチポイントまで握られながら生き延びてきた。
コイントスに勝ったマカロワがレシーブを選んだ。試合前、記者席の机には物を置けないほどの強風。シャラポワのサーブの弱点を見越し、立ち上がり一気に崩そうという意図は明らかだ。第1ゲームのシャラポワのサービスゲームはダブルフォルト絡みで15−40と、マカロワの作戦は的を射ていたが、シャラポワも立ち上がりの重要性を十分に意識し、がむしゃらに強打対決に応戦した。深いリターンで攻めこむマカロワに対し、シャラポワは相手フォアサイドを執拗(しつよう)にえぐった。4度目のデュース、17本の長いラリー展開でシャラポワがバックハンドのウィナーを決めたのが大きい。第1ゲームの所要時間10分、サービスキープしたシャラポワはさらに攻めた。第2ゲーム、30−0からデュースに持ち込むと長いラリーを制してブレーク、2−0の出だしで、先ずは相手の思惑を打ち砕いた。
1歳違いのロシア対決はパワーと気迫を前面に押し出したシャラポワが圧倒 【写真:ロイター/アフロ】
この日のシャラポワは計7本のダブルフォルトを計上したが、パワーと気迫を前面に押し出し、第2セットも一気に4−0まで持ち込んで試合を決めた。ポイント数で70と49という予想外の圧勝、全豪では3年ぶり4度目の決勝進出を決めた。
最後は女王のパワー
米国の新旧対決はパワーで勝るセリーナの貫録勝ち 【写真:ロイター/アフロ】
夜に行われた男子準決勝は、第6シードのアンディ・マレー(イギリス)が第7シードのトマシュ・ベルディヒ(チェコ)を倒し、全豪では4度目、グランドスラムでは優勝した2013年ウィンブルドン以来となる決勝進出を決めた。大会第12日は男子シングルス準決勝の残り1試合が行われ、女子決勝は31日、男子決勝は2月1日に行われる。
(文:武田薫)
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