“ムエタイ都市伝説”ヤスユキが復活勝利 翔との日本ムエタイ頂上対決制す=REBELS

長谷川亮

翔・センチャイジムとの日本ムエタイ頂上対決を制した“ムエタイ都市伝説”ヤスユキ 【長谷川亮】

「REBELS.33」が25日、東京・ディファ有明で開催された。
 ダブルメインイベント第1試合(第11試合)は61kg級の日本ムエタイ頂上対決というべきヤスユキvs.翔(しょうた)・センチャイジムの一戦。“ムエタイ都市伝説”の異名を取り、不可思議な強さで昨年SHIGERU、町田光といった国内強豪を撃破したヤスユキだが、年末に参戦したBLADEの61kg級トーナメントで、ムエタイルールではなかったものの優勝者・小宮山工介のスピードに翻ろうされ判定負け。ここから伝説がほころびをきたすのか、名伯楽・センチャイ会長から手ほどきを受けるMuayThaiOpenライト級王者・翔を相手に再起戦となった。

小宮山を彷ふつとさせる顔面前蹴りをヒット

「小宮山選手のマネ」という顔面前蹴りで試合をリードしたヤスユキ 【長谷川亮】

 サウスポーでロープ際に下がり、カウンターを狙うかの翔に対し、ヤスユキは右ミドル、右ストレートと右の攻撃を使って展開。翔も左ミドルを当てて前に出ようとするが、ヤスユキは的確な左ジャブを当て、もしくは体さばきでかわし、ミドルの後に来る翔のパンチを空転させる。

 ヤスユキは3Rに小宮山工介を彷ふつとさせる顔面前蹴りをヒットし、さらには左ジャブのヒット数を上げ翔をいなし始める。4、5とラウンドが進むにつれこの傾向は強まり、ヤスユキは左ジャブを中心に息を乱さず応戦し、翔が前に来てもヒラリヒラリと闘牛士を思わせる動きで追わせない。

 最終5Rにも再び顔面前蹴りを決め、余力を感じさせるところすらあったヤスユキは49−47、49−48、49−47の判定3−0で復活勝利。マイクを取ったヤスユキは「地味な展開でしたけど、こういう試合も楽しんでいただければ幸いです」とあいさつし、次の試合は大会ダブルメインイベントの第2試合(第12試合)で行われるREBELS−MUAYTHAIスーパーライト級タイトルマッチの勝者=ハチマキとの対戦を希望した。

■ヤスユキの試合後コメント

「翔選手は序盤下がって2、3Rと進むうちに出てくるのかなと思ったんですけど、意外に出てこなかったので右を使って攻めていきました。後はジャブですね。

 翔選手はムエタイ式の脇の開いた構えなので、外側からの攻撃はダメですけど、正面・内側からの攻撃は入るだろうと思って狙い通りでした。自分のペースでできて、途中からは相手の技も見切ってやることができました。KOできればよかったですけど、それは欲ですね。でも翔選手は力が強くてパンチとヒジがあるので5Rまで気を抜けませんでした。最後はムエタイ式に右ミドルで流す感じになりました。

 顔面前蹴りは小宮山選手のマネです(笑)。僕はそうやって相手の技をもらって身に着けることが多いんです。これも真っ直ぐ・内側からの攻撃なので当たるだろうと思いました。小宮山選手の前蹴りは1発で目が腫れましたからスゴいですよね。足の指を拳みたいに丸めて蹴っているらしいです。

 今後はいろいろな選手とやってガチャガチャになればといいと思ってます。空手ベースとかテコンドーベースの選手もいるでしょうし、ムエタイスタイルの選手とばっかりやっていると選手としての幅が広がらない。もっといろんな選手とやって幅を広げてグチャグチャになって、その上でおさまればいいと思います」

 その他、大会の全試合結果は以下の通り。

■「REBELS.33
1月25日(日)東京・ディファ有明

<第12試合 メインイベント REBELS−MUAYTHAIスーパーライト級タイトルマッチ REBElS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○ハチマキ(PHOENIX/挑戦者)
(判定2−0)
●水落洋祐(はまっこムエタイジム/REBELS−MUAYTHAIスーパーライト級王者)
※50−48、48−48、49−48
※ハチマキが新王者に輝く

<第11試合 セミファイナル 61kg級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○ヤスユキ(Dropout/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級王者)
(判定3−0)
●翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/MuayThaiOpenライト級王者)
※49−47、49−47、49−48

<第10試合 ライト級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○黒田アキヒロ(フォルティス渋谷/REBELS−MUAYTHAIライト級3位)
(判定2−0)
●加藤剛士(ウィラサクレック・フェアテックスジム/WPMFスーパーライト級王者)
※49−49、50−48、49−48

<第9試合 67kg契約 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/WPMF世界ライト級5位)
(3R0分55秒 TKO)
●T−98(クロスポイント吉祥寺)

<第8試合 バンタム級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/REBELS 52.5kg級1位、REBELS−MUAYTHAIスーパーフライ級2位)
(5R0分48秒 TKO)
●片島聡志(ウィラサクレック・フェアテックスジム)

<第7試合 65kg級 REBELSルール 3分3R延長1R> 
○UMA(K&K BOXING CLUB/REBELS 65kg級王者)
(1R1分45秒 KO)
●中田裕市(クロスポイント古河)

<第6試合 REBELS55kg級王座決定トーナメント準決勝 REBELSルール 3分3R延長1R>
○工藤政英(新宿レフティー/J−NETWORKフェザー級3位)
(延長判定2−1)
●鈴木真彦(山口道場/Japan Kick Boxing Innovationスーパーバンタム級8位、DEEPKICK 55kg級王者)
※10−9(工藤)、10−9(鈴木)、10−9(工藤)
※本戦判定は29−28(工藤)、29−29、29−29でドロー

<第5試合 REBELS55kg級王座決定トーナメント準決勝 REBELSルール 3分3R延長1R>
○大出剛生(クロスポイント古河/REBELS55kg級5位)
(延長判定3−0)
●小野剛史(SFKキックボクシング/J−NETWORKバンタム級8位)
※三者10−9
※本戦判定は29−28(小野)、28−28、28−28でドロー

<第4試合 61kg契約 REBELSルール 3分3R>
○小田遼太(SFKキックボクシングジム)
(1R1分21秒 KO)
●白井達也(大誠塾)

<第3試合 62.5kg級 REBELSルール 3分3R>
○♂刈る。(PHOENIX)
(3R0分53秒 TKO)
●高野浩二(ラビットカラテ)

<第2試合 フライ級 REBELSルール 3分3R>
○酒井柚樹(はまっこムエタイジム)
(判定3−0)
●下野魁仁(新宿レフティージム)
※三者30−27

<第1試合 ライト級 REBELS−MUAYTHAI特別ルール 3分3R>
△岡田ピロキ(クロスポイント吉祥寺)
(ドロー)
△細野裕希(NEXT LEVEL渋谷)
※29−28(細野)、29−29、29−29
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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